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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
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2011年02月16日 (Wed)

これが書きたかったといっても過言ではない、おはなし(笑)


年末年始の過ごし方はこうかなぁっと。


…で、たぶんこういう過程を経て……ね(笑)


大みそかのお話。




翌朝…


といってももう10時を過ぎているころ…


八雲の家の冷蔵庫の中身を整理した。

2、3日留守にしていいように…だ。

昨日の鍋であらかたの材料はなくなっているので残っていた牛乳を温めて二人で飲んだ…。


それだけ

同じ柄、違う色のマグカップで

少し温めた牛乳を飲んでいる。

それだけなのに…

すごく、幸せだ。


「何を笑ってるんだ?」

怪訝そうにそう言ってきた八雲に…笑って答えた。

「なんでもない。」

皮肉の一つや二つでも来るかと思ったけれど…こなかった。

同じ気持ちなら…これほどうれしいことはない…。


晴香はそう思いながらゆっくり、牛乳を飲んだ。


もう少し、こうやってのんびりしていたかった…





服は…とりあえず晴香の家にあるのでいらない。


「準備いい?」
「あぁ。」

お昼前にようやく…八雲の家を後にした。



12月31日の午前のお話……




家に直行ではなく、大型のショッピングモールに寄り道をした。

年越し蕎麦の材料を買いたいという晴香の申し出に乗ったかたちになる。


めったに、晴香のお願いを断るということはない。


服をぶらりと見て回り…最終的には、食品売り場へ行く。

思えば昨日も買い物にいったな…っと思いながら…八雲もついて回る。

食料品になれば、八雲は完全にかご持ち係、である。


「お酒飲む?」
「…ビールはいらない。」
「そうだね…。」
そう言いながら籠に缶酎ハイを入れる。
他に、大根、人参…こんにゃく…酒粕…そしてぶりの切り身…刺身が入っている。
「あと、コーヒーがなかったから…」
っと、そのコーナーへ歩いて行く。
彼女なりに考えることがあるのだろうと…八雲は黙っていた。
「さて、他にいるものない?」
と…言われて…レジへ向かうようだったので、八雲は口を出した。
これだけはどうしても気になった。
「蕎麦はいいのか?」
「うん。蕎麦は送ってくれたの」
「…そうか。」
「なら、いいんじゃないか?」
「うん。」
晴香はにっこり笑って…レジに並んだ。







買い物を終えて…晴香の家に向かった。
重い荷物は当然八雲がもって…それは買い物した食料品。
そうして……キッチンへ行く…。

「………………………………………………。」

八雲が、キッチンで固まっていた。
「八雲君?」
「……なんだこれは?」
晴香に向き直って、聞いた。
「え?わかんない?」
見覚えは…嫌というほどがあるが…何故これがここに。
大きなボール。と大きな棒
『蕎麦を送ってきた』と言われた時点で気づけばよかったのだが…そこまでは想像できなかった。
「小沢家特製。蕎麦打ちセットです!」
っと、にこやかに言われたが…突っ込みどころが多すぎる。
まず真新しい。それに小沢家特製ってなんだ…
「…君は、蕎麦を打つ気か?」
「うん。」
「打てるのか?」
「これでも蕎麦屋の娘です!」
「それは知ってる。素人でどうにかなるものなのか?」
「八雲君が手伝ってくれたら、大丈夫!」

その言い方は反則だろう…


「しょうがないな…付き合ってやる。」
「…うんっ。」

その顔も反則だ…。


抗議はキスでした………。



そんなわけで…



夕方から、蕎麦打ちが始まった。




「じゃーん。うちで使ってる蕎麦粉です!」
…っと、粉が入った袋を掲げた。

と言われても、どこのか…などというのは区別などつかない。

ただ、彼女が言うのだからそうなんだろう…という程度。


「ではまず、手を洗いますー」


そこからか…っと思いながら…

晴香に背中を押されながら…洗面所へむかった。



「それで?」
「まずは、こねます!」
…っと、冷蔵庫に張ってる紙を見ながら晴香は言った。
なるほど、作り方も送ってもらったらしい。
手書きのような文字が並ぶそれを横目で見ながら…八雲は器具に視線をうつした。
八雲の間の前にこね鉢という…大きなボールがある。
「まずは粉をふるってください!」
「……全部使うのか?」
「うん。」
器具の準備は揃っていたので、その篩で粉をふるった。
「次は水をいれます。」
「……。僕がやるのか?」
「私がやるよ。真ん中、窪ませて」
「………。」
「ゆっくり入れるから、混ぜてね。」
「わかった。」


そんな会話をしながら…蕎麦打ち…をした。


「柔らかさはどれぐらいいるんだ?」
「うーん…固い方が腰は出るんだけど…伸ばすときに大変だし、その辺でいいよ。」
「………。」
アバウトだと思いながら…彼女がそういうならいいだろうっと従う。


「じゃぁ、次はくくります」
「くくる?」
「そば玉にするの」
「…………。」
よくわからない…が、とりあえず指示に従おうと思った。
「これをひとまとめにするの。」
「わかった。」

だが、その過程が大変だった。

「腕が痛い…」

「変わるよー。」


八雲はすぐに…ギブアップした…。

そこから、かわるがわる捏ねる作業が行われた。



捏ねて、のばして、切る…


言葉にすれば簡単だが…その時間にずいぶんかかった。



「はい、小沢晴香のそば打ち教室は終了です!」
…っと、宣言されて…ため息が出た。


蕎麦を切り終えたっところ

どう見ても、二人分ではないが………。

なんとかできた。


なるほど、やろうと思えばできないものではない…。



「粕汁すぐできるから待っててねー」
「粕汁?」
「うん。年越しは、ざる蕎麦とブリの粕汁が定番だよ。」

そういえば、彼女のうち年越しをしたときはそんなものが出た気がする…

なるほど、鰤はその材料か…っと納得した。

二つのコンロで、蕎麦を茹でる用のお湯を沸かしているのと、汁の準備をしている。


「八雲君、八雲の準備して。」
「やくも?」
「薬味!薬味!間違えたの!」
…っと、ちょっと照れくさそうに言った。
「ネギか?」
「そうそう。」
蕎麦打ちした後でも…食事の準備はもう少しかかりそうだった……。



12月31日の夕飯は…
ざる蕎麦と粕汁、そして刺身だった…。





★つづきます


八雲が、蕎麦打ち探偵(By 某雑記帳)となるきっかけはこんなんかなぁっと(笑)

いえ、しばらくは中学教師ですが!

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