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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
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2011年02月04日 (Fri)
locaさまよりお借りしました


あいうえお44題


て : 手が届く所に


手が届くとこって、意外に狭いよね…な話。

ごちゃごちゃて考えましたが、煮詰まったのでシンプルに戻しました。

八雲独白風。



手の届くところ…なんて、

以外に、狭いものだ…


両手を広げた長さはだいたい身長と同じぐらいで…

手から肘、肘から肩、右肩から左肩…の三つは大体同じぐらい。

つまり身長を五等分して、その二つ分が片腕の長さとなる。

視線を自分の腕に向ける。


…70センチぐらいか……?



その腕が動いて描く形は、当然ながら円でだ。

その中にはいているものは驚くほど少ない。

たとえば、昔いた映画研究同好会。

定位置は、椅子の上で…。

まずは携帯、そして暇つぶしの文庫本。

それぐらいだ。

コートは壁に掛かってるし、勉強道具などは遙か遠くにある。


たとえば職場。

定位置は自分のデスク。
机の上のファイルやら書類やらの紙。筆記用具、カレンダー。
携帯はポケットの中…だ。
机の引き出しにはそれはもういろんなものが入っている。

たとえば自宅。
ソファーが定位置で…。
携帯に、暇つぶしの文庫本。そして各種リモコンがテーブルの上に並んでいる。

たとえば寝室。
ベッドから手の届くところには棚とその上におかれた携帯のみ。

目覚まし時計は、ベッドのそばにはない。そこにおくと、二度寝の原因となってしまう。


…と、考えると。

本当に必要なのは携帯電話のみと言うことになる。

これも、某トラブルメーカーや某親戚や某熊がかけてくるのであって、自分からは滅多に使わない。


そう考えると…

手の届く範囲に必要なものは…恐ろしいほど、ない。


1メートルにも満たない。そのスペース。


今いるのは自宅のリビング、ソファーの上。

手を、動かす。

「なにっ?」
驚いたような、不審げな声が聞こえてきた。
茶色の髪に縁取られた顔と、鳶色の瞳が向けられる。
ぽふっと、僕の右手は彼女の頭に乗っている。
「……いいや。」

トラブルメーカー兼恋人兼家族。


こんな狭いスペースに。


君がいてくれることが、こんなにもうれしいなんて…

「なに?」
「なんでもない。」
「どうして笑ってるの?」
「何でもないって言ってるだろ。」
「八雲君がそういう言い方するのは。怪しすぎるの。」
「それは心外だな。」


君が、手の届くところにいる、幸せ。


両手を伸ばして…その体を抱き寄せた…。



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