ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
はい、久々更新ですしかも八晴。
2006年08月22日の「付け上がる前に、教えた方がいい。僕には君がいるって事を。」
の続編です。
あはは、古谷はほめられて伸びる子です。
八雲が探偵で成功して有名になっちゃった!…的な話。
2人の家が住居兼事務所。
遅くなってしまってごめんなさい。
2006年08月22日の「付け上がる前に、教えた方がいい。僕には君がいるって事を。」
の続編です。
あはは、古谷はほめられて伸びる子です。
八雲が探偵で成功して有名になっちゃった!…的な話。
2人の家が住居兼事務所。
遅くなってしまってごめんなさい。
日本の探偵が、事件を独自に調査するということはない。
調査の依頼があって初めて働く。
それは、事件の依頼でも調査などでも同じである。
そんなわけで…
「八雲君、断ったけどよかったの?」
電話を終えて、晴香が心配そうに聞いてきた。
3LDKの住居兼職場。6畳ほどの一室が事務所である。
そこで、晴香は電話の対応をしていた。
「ペット捜索はそれ専用の業者がいる。そっちの方が確実だ。」
八雲が事務所の机の上に広げた書類に目をやりながら、そう行った。
「そうだけど……。」
晴香は複雑そうに電話を見つめた。
「君の悪いところは、人が良すぎることだ。」
ため息交じりに、八雲がそう言ってきた。
「だって、困ってる人をほっておくなんて…」
晴香のセリフの途中で八雲は大きくため息をついた。
「一人でできる仕事には限度がある。その辺を考えないと…君がつぶれるぞ。」
「…それは、分かってるけど…。」
分かっているのと、理解するのは別だ。
まだ、納得していないような晴香を見て…八雲は少し溜息をついた。
「君は、探偵には向いてないな。優しすぎる。」
苦笑しながら、八雲はそういった。
それでも、彼女以外にサポートを頼むことはしたくない。
どこかで割り切ってほしいと思いながら、時計を見た。
「それより、今日は警察の協力要請がある。そろそろ出かけないといけない時間だ」
警察が民間人に調査の依頼をするなんて珍しいというかあり得ない。
そもそも、警察が霊の存在を認めるわけにはいかないので、仕方ないといえばしかない。
それでも、被害者ほど事件について知っている人はいない。
周囲の聞き込みという形での依頼が入っている。
「あ…うん。」
時計を見て、晴香も立ち上がる。
「ほら、着替えて。」
「……分かってるよ。」
人は見た目が9割…なんて本があったけれど…
探偵という、一般人からしたら胡散臭い仕事だから、せめて服装ぐらいはきちんとしないと話も聞いてもらえない。
八雲は事務所から出て、プライベートの空間へ向かって歩き出した。
仕事場の左手の廊下を通ると、そこはリビングダイニングとキッチン、そして和室洋室が一つづつある。
リビングの奥、ベッドルームとしている洋室のクローゼットにスーツが入っている。
今着ているのは相変わらずのジーパンのYシャツ。
スーツのズボンに履き替え、ベルトを締める。適当にネクタイを選ぶ。
ぎりぎりまでするつもりはない。
スーツの上着を羽織って、事務所へ戻った。
「はい、鞄。」
晴香は最初からスーツを着ているので、事務所で出かける準備をしていた。
女性はネクタイをしなくていいな…などと考えながら、事務所にある鞄を取り出す。
「もう、ネクタイして。」
「まだいいだろう。」
「だめ、もう。こっち向いて。」
「…………………………………。」
ため息をひとつついて、八雲は晴香に向き直った。
ネクタイを持って手なれたように、八雲にネクタイを結んでいく。
「はい、できた。」
きゅっとネクタイを結び…少し緩める。
八雲が首が閉まりすぎるのを嫌いだと知っているから。
その些細なことが、嬉しい。
「あと、名刺ね。」
「ん。」
受け取った名刺ケースをポケットに入れる。
そうして、警察に提出する書類をファイルに挟み…鞄に入れた。
携帯電話、財布、そして車のカギを確認する。
そうして、晴香の方に向き直った。
「さ、行こう?」
晴香も鞄を持って待っていた。
その、左指に何もない。
「…ちょっとまて…忘れてる。」
少しむっとしながら、八雲がそう言った。
「え?何を?」
「指輪。」
首にかかっているネックレスを指で持ち上げた。
ブラウスから出てきた赤いトパーズとシルバーのリング。
「あ……うん。」
チェーンからリングだけをはずし、ネックレスはもう一度つけた。
八雲も同じようにシャツの中からネックレスにかけている指輪を出した。
各々、掌の上の指輪がある。
「ん…。」
「……ん。」
なんとなく照れくさいが、指輪の交換だった。
八雲が晴香の指輪を、
晴香が八雲の指輪を持っている。先に、八雲が左手を出した。
それを見て晴香は指輪を持ちなおし、八雲の左手に指輪をはめた。
そのまま、少し強引に晴香の手を握った。
そうして、指輪を左手の薬指嵌める。
「……………。」
暫く、黙ったまま手を握り合い、見つめあっていたが八雲は手をふいっと視線をそらせた。
「いくぞ」
「うん。 」
素っ気ない言葉だったが…
テレを隠すようにぶっきらぼうに言っただけだとわかっている。
何より…手はずっと握ったままだから。
END
あれですね…。
普通のラブラブ夫婦以外の何物でもない(笑)
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