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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
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2010年07月29日 (Thu)
社宅ネタ


いえね…時期外れなのはわかってますが。
サッカーネタ(W杯)です。はい。

いまさらながら…真田がサッカー少年だったというのを思い出したので(笑)






どうもここ最近…あくび率が高い。
特に、向かいの机のやつは…。暇あれば、あくびをしている気がする。
しかも厄介なことに…欠伸は移るのである。
八雲は…欠伸を噛み殺した。
「…寝不足か?新婚さん。」
目ざとく欠伸を見つけた同僚…真田がそう言ってきた。
「お前の欠伸がうつったんだ」
「責任転嫁は感心しねぇぜ?」
「事実だ。そっちが寝不足なんだろう。」
「まぁな。毎晩大変だ。」
「………………………。」
なぜこいつが、セクハラで訴えられないのか不思議である。
デリカシーがないというか…無頓着というか…。
「志乃は頑張って起きててくれるんだけどなー途中で寝るんだよ。それがまぁ、可愛いんだけどな!寝顔はもうたまんないよなぁ」
ちょくちょく惚気が混じっているが…。もう慣れた。
「……一体何の話だ?」
話がいまいち噛み合ってない気がする
「は?何って…サッカーだろ。」
「…サッカー?」
「おまえ…今W杯してるだろ!連日!」
「………………………。」
真田の言葉に…八雲は眉をひそめた。
「…まさか…知らねぇの?」
「やっているのは知っている。」
これだけニュースや新聞に載っていて知らないほうが移されそうおかしい。だが、試合を見るかどうかは話が別だ。
それに、テレビは見ない。
何が楽しくて嫁がいる前でテレビを見なければいけない。
帰宅して妻と会話するのが何よりも楽しいのに、その時間を潰すことなどない。
と、八雲は考えていた。
「見てねぇの?」
信じられないというような声で言われて…八雲は彼を睨みつけた。
「お前の価値観を押し付けるな。興味がない人間だっている。」
「……みたいだな。」
真田は肩をすくめた。
「僕は…仕事に影響を及ぼすような趣味はどうかと思うがな。」
八雲に比べて、彼は書類処理能力は遅かった。その代り、人間付き合い…いわゆる外回りが得意なのは彼のほうだった。
得手不得手はあるものである……。
「…そうはいっても、今日は日本戦だからな、見るほうが多いんじゃないか?深夜だけど。」
真田のその言葉に…八雲はため息をついた。
明日も、どうやら欠伸をうつされそうだった。


欠伸連発で作業が全く進まない同僚を置いて…八雲はさっさと帰宅した。
「ただいま…」
「あ、おかえりなさい!」
声に安堵していると…パタパタと足音が聞こえてきた。
「おかえりなさい!八雲君、みてみて!」
「………………………………………。」
出迎えてくれた妻の姿を凝視してしまった。
「…なんだ?…それは。」
晴香は…くるっと一回転してみせた。ひらりと裾が舞う。
「みてみて、8番SAITOだよ!」
背中を向けて晴香は無邪気にそう言った。
「それ…どうしたんだ?」
サムライブルーとか言われている青い…日本代表のユニフォーム…を着ていた。
上は黒のTシャツの上に来ていたが下は…生足だった。
「今日ね、志乃ちゃんと買い物に出たときに買ったの。8番、斎藤だよ!」
にこにこと…嬉しそうに笑う妻に…何も言えなかった。
「………。八雲君?」
晴香に不思議そうな顔で聞かれたが…何も言えなかった。
「とりあえず。…入れてくれ」
「うん。」
とりあえず…突っ込むまえに…ネクタイを外したかった。


「…それで?…」
「うん?なぁに?」
ご飯をよそいながら…晴香は聞いた。
意外に、裾が長い…Tシャツは…後ろから見ると…お尻がすっぽり隠れる。そして8、SAITOが…目に入る。
ホットパンツをはいているのは…後で気がついた。
「それはどういう経緯なんだ?」
「さっき言ったでしょ?…特設コーナーがあったから…寄ってみたらね。これがあったの。」
「………なんで買ったんだ?」
「駄目?」
晴香が向かいに座って…いよいよ食事を食べるという段階になった。
「いや…駄目じゃないが…。その格好で買い物に行ったのか?」
「ううん。汗かいちゃったから着替えたの。」
とりあえずその生足を他人に見せていない…それだけは安心だった。
「サイズが大きいのしかなかったんだけど。斎藤で8番なんだよ。」
「……僕か?…」
「そう、斎藤で…八だよ。八雲だよ。」
「………。」
その嬉しそうな顔を見せられたら何も言えなかった。
「……志乃さんは…何か買ったのか?」
「ううん。志乃ちゃんは…もう持ってるみたい。」
「………………………。」
「真田君がサッカー部だったから、好きみたい。…志乃ちゃんも付き合って見てるみたいで、寝むそうだったよ」
「それで、君も乗っかったわけか。」
「乗っかったっていううか…いいじゃない。4年に一度だよ。」
「…別にいいよ。」
八雲はそう言って…いただきますを言って食事に口をつけた。
むーっと…膨れて…晴香も食事を始めた。
「八雲の「ハチ」と「や」だし晴香の「は」でもあるでしょ。いいの」
可愛いことを言ってくれる…が…。照れくさい。
「ん。」
一応相槌を打って…租借に専念した。
「キンピラ…旨いな」
「ほんと!?よかった。」
ぱっと…笑顔が広がって…安心した。いつも通りの会話をしながらの食事になった。
ささやかな、幸せである。
「…今日、日本戦らしいな。」
「うん、そうみたい。」
「…みるのか?」
「ううん。だって深夜だもん。…八雲君見るの?」
「見ない。寝る。」
「うん、賛成。」
人は人、自分は自分…だ。
取り合えず、深夜に歓声でたたき起こされることがないように…願うばかりである。
社宅の壁はそう厚くない…。

「……それ…寝巻にするのか?」
晴香が寝室にやってきて…八雲は聞いた。
相変わらず…晴香はユニフォームを着ていた。今度は直に…だが。
下はゆったりとしたルームウェア。
「変?志乃ちゃんは寝巻にしてるって言ってたんだけど…。」
「……いいんじゃないか。夏に長袖のパジャマは暑いからな。」
暑いというわりには…添い寝をやめることはしなかったが……。
「ふふ、お休みなさい、八雲君。」
「…おやすみ。」


だが…とても、賑やかで眠れそうにはなかった…。

隣ではなくて…街全体が……ざわついているような感じであった。


「晴香…」
「…ん…なに?」
「……眠れそうにない…」

返事より先に…晴香にキスをした…。

END



そんなユニフォームはありません。悪しからず(笑)
だって…晴香に着せたかったんだ(笑)
肌Yでも黒タイツでもないですが、翌朝は肌ユニになるとおもいます(笑)

お祭りに乗っかり損ねましたがね(笑)




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