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カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
マリンスノウ更新ですー。
私、親ばかだからっ!(笑)
いつもは、八晴視線て進んでますがインターバル(外伝に近いかな)はうちの子たち視点で!
私、親ばかだからっ!(笑)
いつもは、八晴視線て進んでますがインターバル(外伝に近いかな)はうちの子たち視点で!
瑠璃は晴香にパジャマを返そうとした時点で…連絡先を知らない事に気がついた。
彼女にしては珍しい失態だが…家に行くのは最終手段、である。
そんなわけで…同じ曜日に同じ時間に同じ場所に居た。
遭遇できなければ…また考える事にする。
瑠璃はそんなことを考えながら行き交う学生をみていた。
「ルリ!」
見つける前に…見つかった。しかもあまり見つかりたくない人に。
視線を向けなくとも…誰かはわかった。彼が呼ぶ名前は…なまっている。
「………。」
視線を向けると…金の髪が見えた。
明るい茶色ではない…見事な金だ。薄い水色のシャツにジーパン姿の男性が走ってきた。
「ちょっと、助けて。」
そういって…駆け寄って来た人物を瑠璃は怪訝そうにみた。
少なくとも、この人―セイラン―とは待ち合わせも何もしていない。
が…視線の先に数人の女性が居て…合点した。
「先約だから。今日は失礼するよ。」
彼はにっこりと笑って…手を振った。
営業スマイル…という言葉がぴったりするような笑みだった。
向こうにいた女性からえーっという…声が聞こえてくるが、彼は無視して…手を引いた。
「………。」
瑠璃は事情を察して…おとなしく、引っ張られていた。
彼女たちが見えなくなって…瑠璃は手を離した。
若干、振りほどくようにして…彼をにらんだ。
「ごめん、緊急事態だったんだよ。」
セイランはそういって、痛い時にするように…手を振った。
離したとき…ちょっと手を叩いたようだった。
「…用事があるって言うのに…しつこいんだから…」
「私も用事があってあそこで待ってたんだけど」
セイランの言い訳に瑠璃はとげとげしいが正論を言った。
「……ごめん。」
瑠璃のとげのある言葉に、セイランは肩をすくめて…謝罪した。
「あ、来月のフランス語いつする?」
ひょんなことから知り合って…成り行きで…フランス語の勉強をすることになった。
それの予定確認だった。
「…そっちの開いた時間とこっちの開いた時間をすりあわせて決める。そっちの予定が決まったら決まる。」
いまさらなにを…っというような視線を向けて瑠璃は言った。
「ルリはいつも僕の予定に合わせてくれてるじゃない。たまにはこっちがあわせるよ」
あなたに、プライベートな予定を話したくない…っと暗に威圧すると…セイランは苦笑した。
「…分かった、決まったらメールするね。いつもあわせてくれてありがと。」
にっこりと笑う彼を一別して…瑠璃は踵を返した…が。
「あれ?瑠璃?」
「あ…。」
呼ばれたので振り返ったところで、瑠璃も固まった。
「…………。」
「?」
それぞれの視線が絡む。
2対2…の男女がその場に絡めとられたように。
一方は八雲と晴香…先週と同じように一緒にいた。
一方はここにいる、セイランと瑠璃。
「ルリ…の友達、みたいだね。こんにちは。」
最初に喋ったのはセイランだった。
「こんにちは…えっと…瑠璃の友達?」
今度は晴香が、セイランに聞いた。
「うん。同郷」
「ドウキョウ…あぁ、同郷…って…え?」
彼の外見―見るからに外国人―の口から出る「同郷」という言葉を理解するのは少し時間がかかった。
「……どうした?」
八雲が興味がなさそうな態度をしながら…晴香に聞いた。
「えっと…噂のフランスからの留学生ですか?」
晴香がそう聞くと…セイランは苦笑して口を開いた。
「噂されるほど、目立ってるつもりはないんだけどなぁ。でも、あたりだよ。」
「なんで知ってるんだ?」
八雲が…セイランを見ながら晴香に聞いた。
「美樹が…かっこいい留学生が居るって。綺麗な金髪で…モデルみたいな人だって。」
「光栄です。マドモアゼル。」
にっこりと…また見せた営業スマイルに…晴香はちょっと固まった。
見惚れた…というわけではないけれど…どう対処していいのかがわからないといった様子だった。
「ということは…瑠璃も…フランス…?」
その気まずさをごまかすように晴香は聞いた。
マドモアゼルといえばフランス…だと思った。
「あれ?知らないの?ルリは海…」
「よけいなことを、喋るな。」
瑠璃が不機嫌そうにそういったので…セイランと晴香は肩をすくめた。
「今のは、おまえが悪い。」
いきなりおまえ呼ばわりされたが…セイランは苦笑した。
「非は認めるよ。で、名前聞いてもいいかな?ルリの友達でしょ?」
友達じゃない…っと言う瑠璃の無言のオーラは彼には伝わらなかったらしい。
「あ…私、小沢晴香です、こっちは斉藤八雲…君。」
「ハルカ…ハルは…季節の春?」
「え?ううん、…晴天の晴に香で晴香。」
「あぁ…八雲と…晴香か」
意味深にそういって一人で納得したように頷いた。
「晴れと曇り、ね。なるほどねー」
「………。あの…あなたは?」
一人でどこか別の世界に入り込んでいるような彼に…晴香は聞いた。
「あぁこれは失礼。マドモアゼル」
晴香の言葉に、彼は恭しく一礼した。自然と様になっているのが…不思議である。
「明政大学と姉妹提携を結んでる、フランスの大学からきました。セイラン・L・シオザキ…です。以後、お見知り置きを。」
手をとって、キスでもしそうな勢いだったが、八雲の威嚇に気付いて苦笑して手を離した。
「挨拶だよ。斉藤君?」
「……………。」
なにも反応を示さないセイランを八雲は不審そうにみた。
八雲はコンタクトをしていない…左目は赤いままだ。
何か反応してほしい訳じゃないが…無反応だとかえって気になるというものだ。
「…それ…目、痛いでしょ?サングラスかけなくても大丈夫なの?」
「……………。」
「?」
「………。」
三者三様の反応…をした。
「なぜ痛いと思う?」
「え?だって、赤いのは血管が見えてるからでしょ?…血管は体のなかのものなんだから、外にさらされてたらいたいんじゃないの?」
「…………。」
「あれ?虹彩には血管ないんだっけ?…いや、血管が通ってないのは角膜だけ…だよなぁ。」
っと、一人でぶつぶつ言っていた。また、思考がどこかへ行こうとしている。
「感想は、それだけか?」
「えー…感想って言われてもねぇ。強いて言うならお似合いだね、お二人さん。末永くお幸せに。」
いきなりでてきた言葉に…晴香は頬を染めた。
「…おまえの思考が全く読めない。」
っと反論する八雲の頬も若干赤い。
「ふたりとも、紅じゃない。…八雲の目も、晴香のネックレスも」
さっきまでは斉藤君…だったのにすでに呼び捨て…だった。
「太陽と雲のコンビもなかなかいいしね。」
「シ、シオザキ君…と瑠璃は…同じ目の色じゃない。」
「セイランでいいよ。」
しどろもどろになりながら言う晴香にそう返して…しみじみ言った。
「そういえば、僕の目は青かったっけ…。ルリと一緒だね。」
「……欧米にはうじゃうじゃ居る、二人が特別じゃない。」
いままで黙っていた瑠璃が…口を挟んで…時計をみた。
返りたい、っというアピールだというのに、気がついた。少なくとも、彼は。
「ダシにしてごめん、僕も仕事に行かなきゃ。」
「あ、私たちも…ね?」
「あぁ。」
「ルリ、送っていこうか?」
「…小さな親切は受け取るが…大きなお世話だ。」
瑠璃がにらむと…セイランは肩をすくめて笑った。
「O.K.気をつけて。じゃぁね。」
ひらりっと…手を振って彼は駆け出した。
「…引き留めちゃ…まずかったかな?」
「気にするな。あれが一番喋っていた。」
八雲がしれっとそういって。促すように歩きだした。
「…あ、…小沢さん。」
晴香が、八雲に着いていく前に…瑠璃は声をかけた。
ずいぶん遠回りしたが…目的は果たせそう…だった。
「晴香だよ…なに?瑠璃」
「………パジャマ、を返したいんだけど…連絡先側からないから…待ってた。」
呼び方を…訂正されて少し戸惑ったが…一応用件を伝えた。
「あー…そういえば、携帯もアドレスも聞いてない。」
「明日、持ってくる…どこかで待ち合わせをしたいんだけど」
「じゃぁ、『映画研究同好会』で…この時間で平気?」
「……。大丈夫だ。5コマ目がおわったら行く。」
「うん分かった…八雲君にも言っとくね。」
そこでなぜ、八雲がでてくるのかは分からなかったが…瑠璃は頷いた。」
「じゃ…明日ね。」
「あぁ。」
言葉にするのにはためらいがあったが…なにも言わないのは…いやだった。
「また明日。」
瑠璃がそういって手を挙げると…
「うんっ!」
満面の笑みで晴香が答えてくれた。
彼の言っていた…「太陽」の意味が少しだけ…分かったような気がした…
続く。
彼女にしては珍しい失態だが…家に行くのは最終手段、である。
そんなわけで…同じ曜日に同じ時間に同じ場所に居た。
遭遇できなければ…また考える事にする。
瑠璃はそんなことを考えながら行き交う学生をみていた。
「ルリ!」
見つける前に…見つかった。しかもあまり見つかりたくない人に。
視線を向けなくとも…誰かはわかった。彼が呼ぶ名前は…なまっている。
「………。」
視線を向けると…金の髪が見えた。
明るい茶色ではない…見事な金だ。薄い水色のシャツにジーパン姿の男性が走ってきた。
「ちょっと、助けて。」
そういって…駆け寄って来た人物を瑠璃は怪訝そうにみた。
少なくとも、この人―セイラン―とは待ち合わせも何もしていない。
が…視線の先に数人の女性が居て…合点した。
「先約だから。今日は失礼するよ。」
彼はにっこりと笑って…手を振った。
営業スマイル…という言葉がぴったりするような笑みだった。
向こうにいた女性からえーっという…声が聞こえてくるが、彼は無視して…手を引いた。
「………。」
瑠璃は事情を察して…おとなしく、引っ張られていた。
彼女たちが見えなくなって…瑠璃は手を離した。
若干、振りほどくようにして…彼をにらんだ。
「ごめん、緊急事態だったんだよ。」
セイランはそういって、痛い時にするように…手を振った。
離したとき…ちょっと手を叩いたようだった。
「…用事があるって言うのに…しつこいんだから…」
「私も用事があってあそこで待ってたんだけど」
セイランの言い訳に瑠璃はとげとげしいが正論を言った。
「……ごめん。」
瑠璃のとげのある言葉に、セイランは肩をすくめて…謝罪した。
「あ、来月のフランス語いつする?」
ひょんなことから知り合って…成り行きで…フランス語の勉強をすることになった。
それの予定確認だった。
「…そっちの開いた時間とこっちの開いた時間をすりあわせて決める。そっちの予定が決まったら決まる。」
いまさらなにを…っというような視線を向けて瑠璃は言った。
「ルリはいつも僕の予定に合わせてくれてるじゃない。たまにはこっちがあわせるよ」
あなたに、プライベートな予定を話したくない…っと暗に威圧すると…セイランは苦笑した。
「…分かった、決まったらメールするね。いつもあわせてくれてありがと。」
にっこりと笑う彼を一別して…瑠璃は踵を返した…が。
「あれ?瑠璃?」
「あ…。」
呼ばれたので振り返ったところで、瑠璃も固まった。
「…………。」
「?」
それぞれの視線が絡む。
2対2…の男女がその場に絡めとられたように。
一方は八雲と晴香…先週と同じように一緒にいた。
一方はここにいる、セイランと瑠璃。
「ルリ…の友達、みたいだね。こんにちは。」
最初に喋ったのはセイランだった。
「こんにちは…えっと…瑠璃の友達?」
今度は晴香が、セイランに聞いた。
「うん。同郷」
「ドウキョウ…あぁ、同郷…って…え?」
彼の外見―見るからに外国人―の口から出る「同郷」という言葉を理解するのは少し時間がかかった。
「……どうした?」
八雲が興味がなさそうな態度をしながら…晴香に聞いた。
「えっと…噂のフランスからの留学生ですか?」
晴香がそう聞くと…セイランは苦笑して口を開いた。
「噂されるほど、目立ってるつもりはないんだけどなぁ。でも、あたりだよ。」
「なんで知ってるんだ?」
八雲が…セイランを見ながら晴香に聞いた。
「美樹が…かっこいい留学生が居るって。綺麗な金髪で…モデルみたいな人だって。」
「光栄です。マドモアゼル。」
にっこりと…また見せた営業スマイルに…晴香はちょっと固まった。
見惚れた…というわけではないけれど…どう対処していいのかがわからないといった様子だった。
「ということは…瑠璃も…フランス…?」
その気まずさをごまかすように晴香は聞いた。
マドモアゼルといえばフランス…だと思った。
「あれ?知らないの?ルリは海…」
「よけいなことを、喋るな。」
瑠璃が不機嫌そうにそういったので…セイランと晴香は肩をすくめた。
「今のは、おまえが悪い。」
いきなりおまえ呼ばわりされたが…セイランは苦笑した。
「非は認めるよ。で、名前聞いてもいいかな?ルリの友達でしょ?」
友達じゃない…っと言う瑠璃の無言のオーラは彼には伝わらなかったらしい。
「あ…私、小沢晴香です、こっちは斉藤八雲…君。」
「ハルカ…ハルは…季節の春?」
「え?ううん、…晴天の晴に香で晴香。」
「あぁ…八雲と…晴香か」
意味深にそういって一人で納得したように頷いた。
「晴れと曇り、ね。なるほどねー」
「………。あの…あなたは?」
一人でどこか別の世界に入り込んでいるような彼に…晴香は聞いた。
「あぁこれは失礼。マドモアゼル」
晴香の言葉に、彼は恭しく一礼した。自然と様になっているのが…不思議である。
「明政大学と姉妹提携を結んでる、フランスの大学からきました。セイラン・L・シオザキ…です。以後、お見知り置きを。」
手をとって、キスでもしそうな勢いだったが、八雲の威嚇に気付いて苦笑して手を離した。
「挨拶だよ。斉藤君?」
「……………。」
なにも反応を示さないセイランを八雲は不審そうにみた。
八雲はコンタクトをしていない…左目は赤いままだ。
何か反応してほしい訳じゃないが…無反応だとかえって気になるというものだ。
「…それ…目、痛いでしょ?サングラスかけなくても大丈夫なの?」
「……………。」
「?」
「………。」
三者三様の反応…をした。
「なぜ痛いと思う?」
「え?だって、赤いのは血管が見えてるからでしょ?…血管は体のなかのものなんだから、外にさらされてたらいたいんじゃないの?」
「…………。」
「あれ?虹彩には血管ないんだっけ?…いや、血管が通ってないのは角膜だけ…だよなぁ。」
っと、一人でぶつぶつ言っていた。また、思考がどこかへ行こうとしている。
「感想は、それだけか?」
「えー…感想って言われてもねぇ。強いて言うならお似合いだね、お二人さん。末永くお幸せに。」
いきなりでてきた言葉に…晴香は頬を染めた。
「…おまえの思考が全く読めない。」
っと反論する八雲の頬も若干赤い。
「ふたりとも、紅じゃない。…八雲の目も、晴香のネックレスも」
さっきまでは斉藤君…だったのにすでに呼び捨て…だった。
「太陽と雲のコンビもなかなかいいしね。」
「シ、シオザキ君…と瑠璃は…同じ目の色じゃない。」
「セイランでいいよ。」
しどろもどろになりながら言う晴香にそう返して…しみじみ言った。
「そういえば、僕の目は青かったっけ…。ルリと一緒だね。」
「……欧米にはうじゃうじゃ居る、二人が特別じゃない。」
いままで黙っていた瑠璃が…口を挟んで…時計をみた。
返りたい、っというアピールだというのに、気がついた。少なくとも、彼は。
「ダシにしてごめん、僕も仕事に行かなきゃ。」
「あ、私たちも…ね?」
「あぁ。」
「ルリ、送っていこうか?」
「…小さな親切は受け取るが…大きなお世話だ。」
瑠璃がにらむと…セイランは肩をすくめて笑った。
「O.K.気をつけて。じゃぁね。」
ひらりっと…手を振って彼は駆け出した。
「…引き留めちゃ…まずかったかな?」
「気にするな。あれが一番喋っていた。」
八雲がしれっとそういって。促すように歩きだした。
「…あ、…小沢さん。」
晴香が、八雲に着いていく前に…瑠璃は声をかけた。
ずいぶん遠回りしたが…目的は果たせそう…だった。
「晴香だよ…なに?瑠璃」
「………パジャマ、を返したいんだけど…連絡先側からないから…待ってた。」
呼び方を…訂正されて少し戸惑ったが…一応用件を伝えた。
「あー…そういえば、携帯もアドレスも聞いてない。」
「明日、持ってくる…どこかで待ち合わせをしたいんだけど」
「じゃぁ、『映画研究同好会』で…この時間で平気?」
「……。大丈夫だ。5コマ目がおわったら行く。」
「うん分かった…八雲君にも言っとくね。」
そこでなぜ、八雲がでてくるのかは分からなかったが…瑠璃は頷いた。」
「じゃ…明日ね。」
「あぁ。」
言葉にするのにはためらいがあったが…なにも言わないのは…いやだった。
「また明日。」
瑠璃がそういって手を挙げると…
「うんっ!」
満面の笑みで晴香が答えてくれた。
彼の言っていた…「太陽」の意味が少しだけ…分かったような気がした…
続く。
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