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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
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2010年10月19日 (Tue)

第八中学ー。

リアルでネタ拾ってきました(苦笑)

あまりイチャイチャはしてない…(苦笑)


「きゃー!先生!!」
そんな黄色い声に…思わず斉藤先生こと八雲は眉間に皺を寄せた。
第八中学校の…職員室前の廊下でのこと…。時刻は朝礼間近である。
キャーッと言われるような物はない…はずである。
今日は別宅からの出勤だったが…服は自分の物。
使うシャンプーやらは違うが、そこまで近距離にいるわけでもない。
…っと、瞬時に考えて、八雲は振り返った。女子生徒が居る。
「河野先生!!」
だが、向かってる視線は、こちらではなくそちら。ちょうど右手の階段。

「おはようございます。チャイムが鳴るから、早く教室に行きなさい。」
いつも通りの河野がそこにいた。何も変わってる様子はない。
「あ、…はいっ。」
何か言いたそうにしながら…しかし、何も言わずに…というか、きゃぁきゃぁ、としか言わずに、彼女たちは階段を上っていった。
自分に関係ないと分かった時点で、八雲は職員室に入っていたが………。



小沢先生こと、晴香は…その話を授業前の数分で聞いた。
副担任をつとめる…=河野が主任のクラスである。
「小沢せんせ!河野先生。結婚するんですか!?」
「え?」
初耳である。少なくとも、本人からは聞いていない。
「今日指輪してたんですよー。左手の薬指に!」
「もう、大騒ぎですよ!先生は整然と朝のHRしましたけど!ねぇ?」

「そうそう。」
「みんな話聞いてなくって…指輪ばっかりみてたんですよ!」
「小沢先生は聞いてないんですか?」
「うん…でも、先生は大人だから、プライベートは任せてるんじゃないかな?」
「わー…なんかアイドル事務所のコメントみたい。」
それで、どっと沸いた。
どうもこの手の話は…早い。
やっぱり、対面してるのは年頃の子ども達なのだ…っと。改めて思った。
箸が転がってもおもしろい…というやつか。
チャイムが鳴って、それぞれが散っていって…安心した。
「さ、始めます。まず出席ね。」

小沢先生は、結婚しないんですか?なんて聞かれて…その後平常心で授業ができる自信がなかった……。



八雲がその話を聞いたのはさらに後。
昼休み直前の理科の授業の後…つまり昼休み突入時…である。
「斉藤先生は、結婚しないんですか?」
「…話の流れが読めない。…起承転結の結を話されても困る…」
「おぉ。確かに。」
「河野先生が指輪をしてらっしゃったんです。」
「ほー…それで?」
「結婚されるんですかね?」
「さぁ。聞いてないな」
「…そうなんですか。」
「そもそも、その情報があったとしても、何も変わらないだろう?」
「かわりますよー。サプライズとかできるじゃないですか!」
「それは公表があってからでいいんじゃないのか?」
「えーそれは楽しくないですよー。」
「……僕から、情報を危機だそうとしても、何も持ってない。…それより食事時間がなくなるぞ。解散」
そういって…教科書をもって…理科準備室に歩きだした。
「ありがとうございましたー。」
集団がでていったのを聞いて…ため息をついた。


基本的に、こういう情報は早い。
だれそれがつき合ってるだとか、誰が告白したとか。誰がフられたとか。
で…だ。
当然その対象は自分達教師もある。
既婚未婚の分類をされ…そこはかとなく聞かれる。
八雲は公言している。恋人が居ると。
それは、何度となく聞かれるのがめんどくさいため…である。

この話を当の晴香にしたら…ドギマギしていた。
察するに、下手な誤魔化し方をして…バレた口だろう。
胡散臭い否定は肯定…である。
素直な彼女らしい。少し笑ってしまう。

だが、彼の情報は…聞いたことがなかった。
はぐらかすのが上手いのだろうか。


そんなわけで…その情報はその日の家に学校中に知れ渡った。


「八雲君、知ってる?河野先生の事」
「……………。」
露骨に、嫌そうな顔をした。
ここは八雲の家。
どちらかが日直で早出の時は、相方が来る事になっている。
すなわち、今日は晴香が日直で、明日は八雲が日直だった。
「そんな、睨まないでよ。今日ずっとその話だったんだよ。」
お茶を入れてから…向かいに座って…晴香は口を開いた。
食事は終わった。その余韻を楽しんでる最中。
「知ってる。頼んでもいないのに生徒が教えた。」
「何か聞いてる?」
「しらない。まぁ、たしかに指輪はしていたな。」
男性が、そして体育の教師が…しているのは…珍しいのではないかと思う。
「あれって、無言の報告かな?」
「…というと?」
「『結婚しました』…っていう。」
「…結婚はまだ…だろうな。」
「え?なんで?」
「結婚したなら、そう報告するだろう。めでたいことだし。扶養家族云々の話にもなる。全く何もないのはおかしい…と思うが。」
「…なら…婚約とか?」
「…僕はそうみるね。もうすぐ結婚しますって。…まぁ、無言の報告はあってるかも知れないな。」
「へー…うん…そうかも。」
「…根拠は何かあるか?」
「うーん…河野先生って、そういう話なかったから…いきなり指輪でびっくりしたのもあるんだけど…。」
少し、お茶を飲むために、言葉を区切った。
「だからこそ、やっぱりちゃんと報告かなって。結納済ませたとか。」

ふん…だか、ふぅん…だか…分からない。音で、八雲は相槌を打った。
「まぁ、報告があるまで待てばいいさ。」
「そこで、仮定の話をしようじゃないか。」
「なに?」
「…僕は公言してる。」
「…何…あぁ。」
何を…っと聞いたが…分かって頷いた。
「君もどうせバレている。」
「…う……はい。」
どうやら、予想は正解らしい。
「で…たとえば僕たちが同じ日に指輪をしていったらどう思われる?」
「うーん…無関係とは思われないかな…。子ども達、勘がいいし…デザインが同じならきっと気づくしね。」
「で…。どうなる?」
「質問責め…かな。」
「それは君はどうだ?」
「困る」
「だろうな。誤魔化せる自信はないだろうな。」
「……………。」
悔しいが正論である。
「ふむ…じゃぁ、指輪はしばらくお預けだな。」
「う……ん。」
少し寂しいが…くれることが大前提…というのが嬉しかった。
「指輪は…八雲君のもほしいなぁ。」
「…そうか?」
「うん。」
「ま、それは転勤してからだな。」
それはそれで…ちょっと寂しいきがするが…暗黙のルールだ。
同じ学校に、夫婦は居ない。結婚すれば、どちらかが転勤となる。
「八雲君のは買うから!…それまでにお金貯めなきゃね」
「……………。」
こつっと…頭を小突いた。
「痛いっ…何?」
八雲はそれには答えなかったが…少し笑った。
「何よ?何で笑ってるの?」
「なんでもない。」
「何でもなくないでしょ。何隠してるの?」
「…別に。さて、風呂に行くかな。」
「ちょっと!八雲君」
「一緒に入りたいのか?」
「違います!もう!話を逸らさないで!」


平和な会話…だった。


指輪を買うのは、もう少しあとの話…。


END



同僚の先生同士が結婚しました。

おめでとうございます。
仲いいなぁ…っと思ってたら、そんな関係でした。

離島だからなぁ。


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