忍者ブログ
2024.05│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2010年12月25日 (Sat)

白玉美味しかったー。

いえ…白玉&アイスは意外とおいしかった(笑)
小豆じゃなくて、黒蜜でもおいしかった。

そんなお話(何)

舞台で拾ったネタを一本に。


なんか…キャラが違ったらすみません。
久しぶりに描いた(苦笑)






二人で、映画に行こうという話になった。
その二人というのは当然、八雲と晴香…である。
只今、順調に交際中…と言ったところ。
デートの回数は片手以上、両手未満という感じ。
それは、今日のように特別にどこかへ出かけよう…という回数であって…気がつけば一緒にいるので、さほど、気にしない。
恋人以上、夫婦未満。そんな関係。

さて、デートの日は大抵、一日一緒にいる。

10時ぐらいに集合して、外で目的を果たし(今日は映画だ)夕方には…晴香の家でご飯。
泊まるか否かは…五分五分ぐらい。
寒かったり暑かったりする場合は泊まる。
八雲の部屋こと、同好会の部屋にはまともな冷暖房がないためである。

この日は少し朝が遅かった、11時。

映画は12時半からで、ご飯を食べるには中途半端な時間。

結局、なんだかんだ文句を言いながらも、ポップコーンを片手に映画館を見た。
……結局、二人の間においたポップコーンは半分も減らなかった。
早々に、晴香が泣き出してしまったため…である。

そして、泣いたまま歩きまわるわけにもいかず…
八雲は晴香の鞄とポップコーンと…そして晴香をもって、フードコートにある洋食屋へ行くことになった。
事前に、ご飯はパスタがいいと話をしていたため…である。

「大丈夫か?」
「ん。」
「…何を食べる?」
「ランチセット。」
「…………すみません、ランチセットAとB。」
食事が来るまで、しばらく気まずい沈黙があった。
お冷を飲んでいると、だいぶ落ち着いてきたらしく…晴香は微笑んだ。
「ごめんね。困らせて。」
恥ずかしそうに、照れ笑いをしながら…晴香はそういった。
「もう慣れてる。」
こちらも、照れを隠すように…そっけなくそういった。
「…うん、ありがとう。」
「………………。」
照れくさい。非常に照れくさい。
照れくさいが…少しうれしい。
「…お待たせしました。」
そんな、間延びした店員の声がして、ランチセットが運ばれてきた。
パスタにサラダ、スープ、そしてドリンク。
「………。」
AとB…違うのはパスタだけである。
「……どっちにする?」
ぺペロンチーノと、カルボナーラ。
「こっちでいいよ。」
前に置かれているぺペロンチーノを指さした。
「そうか。」
そういって、静かなご飯が始まった。

「ごめんね。なんかしんみりしちゃって。」
食事が終わり、デザートを待っている間にそう言った。
「…だいたい予想はしてたから、別にいい。」
恋愛もの、しかも泣くっと評判の…だったので…八雲はそういう発言だった。
「ありがと、八雲君はやさしいね。」
「…………………。」
困る、非常に困る。照れくさい。
でも、嫌ではなくて…
頑張って、微笑んで見せた。
頑張らなくては、まだ難しい。
それでも…晴香は、嬉しそうに笑った。
「…………」
気まずい…頭をかいた。
しかし、晴香はなおも幸せオーラを振りまいている。
早くデザートこい、と…思わずにはいられない。
「お待たせしましたー。」
また、間延びした声がした………。


「あの白玉パフェって気になる…」
ぼそっと、晴香がそういった。
八雲が晴香の視線をたどると、壁にでかでかと貼られているパフェの写真があった。
「………食べるのか?」
「うん…気になるから食べたいなぁ。」
っと…お願いの視線で見られては…拒否権はない。

「わー。おいしそう!」
機嫌は完全に治ったらしい。
それだけで、このパフェの価値はある。
しかし…
「…全部食べるのか?太るぞ。」
思っていたより、大きい。
和風、パフェ…とでもいうのだろうか。
バニラアイスと抹茶アイス…それに小豆や白玉…いろいろ載っている。
「残す方がもったいないでしょ。」
そう言って、晴香はスプーンを手に取った。
籠の中にはスプーンがもう一つある。
「………。」
ということは、こういうことだろう…っと。
八雲は思い、スプーンを手に取った。
そうして、逆側からそろりとすくって食べる。
「…もう、食べたいなら食べたいって言えばいいのに。」
別の言葉が出てきて、慌てて飲み込んだ。
「…食事代は折半なんだ。いいだろう」
晴香が食べていなければ、食べない。
逆に言うと、晴香が食べているから食べたいと思った。
…要は、共有したいのだ…と冷静に分析をする。
「それは、いいけど。」
拗ねたようにそう言って、何かをスプーンですくった。
「それなんだ?」
「…わらびもち…かな?ふにふにする」
「…………。」
ふにふにという…効果音は少なくとも違うと思う…。
だが、言えば機嫌が悪くなるので言わない。
そうして晴香が食べたクッキーなのかせんべいなのか…何なのかよくわからない、焼き菓子の後ろから白玉が見えた。
これは、怪しいものではないだろうっと、思ってスプーンですくった。
「あ、白玉!残しといたのに!」
口の中に入れた後に言われても、困る。
「…………」
まさか出すわけにもいかず、飲み込んだ。
「…食べるぎると太るぞ」
「今までそんなこと言わなかったくせに。」
「言いたかったが、我慢してたんだ。」
「もう、素直にごめんなさいっていえないの?」
「そもそも、君のものじゃないだろ。」
「一番上に合ったものが、ここまで下にさがってきてるんだから、残してたって分かりそうなのに?」
パフェは、なんだかんだで半分近くまで減っている。
「君の名前は書いてなかった。」
「書けるわけないでしょ。もう…」
スプーンを咥えて、膨れて見せた。
「………。」
思わず人目を気にしてしまう。
贔屓目に見ても、かわいい。他の奴には、見せたくない。
「アイスとけるぞ。」
誤魔化すのも…下手だな…と思う。自分で。
「次からは許可制にするからね。」
簡単に誤魔化されたとは思わない…が、助かった。
「アイスはいいな?」
「いいよ。」
「小豆は?」
「許す。」
「………。結局、白玉だけか?」
「……他はもう食べちゃいました!」
膨れて晴香はそういった。
怒っているが、怒ってない。
そろり…と…八雲を見て……照れたように笑った。
パフォーマンスが成功したような、笑み。


自覚はある。認めよう。
ものすごく、可愛い。



食事を終えて八雲は晴香についてショッピングをした。
八雲は何も買わないし何も言わない。
本音を言えば、さっさと帰りたかった。
いつまでも、ポップコーンを持ち歩くのは嫌だった。

それを言うと、晴香も同意して…少し早く帰路についた。


晴香の部屋に入り。リビングのテーブルにポップコーンを置く。
「なにかいる?飲む?」
「…お茶。」
キッチンにいる晴香にそう言って…八雲は後ろから抱き締めた。
「…八雲君?」
「…ほしいものは、きみ。かな。」
「は?」
「…そういうことだ。」
ぐいっと、あごに手をかけて、キスをした。
「やっ…八雲君!?」
「………甘い。」
実際の味とかそういうのではないのかもしれないが、少なくとも感覚的には甘い。
「甘い…じゃなくて!」
「君は昼間に、『食べたいなら食べたいって言えばいい』っと言っただろ。」
「いやっ…それはそういう意味じゃなくて!」
「君が食べたい。」
「ちょっ…まって!せめて歯磨きさせて!」
「…気にしない。」
「気にして!」
「気にしない。」
もう一度、同じことを言って…再びキスをした。


END

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
←No.511No.510No.509No.508No.507No.506No.505No.504No.503No.502No.501
ブログ内検索