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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2012年01月29日 (Sun)
locaさまよりお借りしました


あいうえお44題


か : 駆け抜けるように過ぎた



季節をちょっと先取りで、久々八晴です。


しかし…晴香って、大学から東京に来たんであってますよね?
ブランク長すぎOTZ






4年。なんてあっという間だった。

高校を卒業して、東京の大学に進学。一人暮らしが始まった。

慣れないと土地での慣れない生活。

バタバタと、一年が過ぎた。

そして2年。

彼と、出会った。

それからはあっという間だった。

いろんな事件に係わった。

嬉しいこともあった。

悲しいこともあった。

身近な人の命が…消えたのも見てきた。


いろんなことがありすぎて…思い出したらきりがない。


それでも、今日で一区切り。


駆け抜けるように過ぎた…大学生活。


桜にはまだ早い、3月。


卒業式が、行われた。



着物と袴の女子学生
羽織袴の男子学生
スーツの学生もいる。


式のあとそれぞれのクラスで卒業証書を受け取る。


それから…いつもの場所に向かう。

何度となく通った。映画研究同好会に…

案の定、そこに彼は居た。
スーツ姿の、斉藤八雲。
「八雲君。」
そう、声をかけると…彼は眠そうな目をこちらに向けた。
「なんだ。君か。」
っと…言っただけで、またその部屋を見る。
映画研究同好会の部屋…だが、そのドアにプレートはかけられていない。
八雲が隠れ家にしていたそこは、今は無人。もともとあった設備しかない。
当然鍵も、もう返してしまったので入れるわけじゃないのは分かっている。
それでも、ここに来たかった。
同じ思いなのがうれしかった。
「卒業おめでとう。」
「…君も卒業したんだろう。」
と…ドアを見つめたままで、八雲は言った。
「私が最初にここに来たときのこと…覚えてる?」
「さぁね。」
肩をすくめて、八雲はそう言い…踵を返した。
それがポーズだけなのはよく分かっている。
自分がはっきりと覚えているのと同じように、八雲も同じだと思っている。
「八雲君。」
その名を呼んで…彼が振り向くのを待つ。
「なんだ?」
眠そうな目で、見つめてくる。その右目は赤いまま。


「ありがとう。」

にっこり、自分で分かる一番いい笑顔で…そう言った。

「にやにやするな。」

八雲はそう言ったが…そのセリフに最初ほど刺はない。


私も変わったように、八雲も変わったと思う。


駆け抜けるように過ぎた4年間。


それでも…

充実した、時間だった。


「さ、行こう、八雲君。後藤さん達まってるよ」

「……そうだな。」


そっと…隣に並んで…手を握る。

何も言わずに…握り返してくれた。


駆け抜けるように過ぎた4年間。


今から始まる、長い長い、一緒の時間…



END


卒業するまでに、同棲が決まってたらいい。
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あー…。
卒業=別れのイメージが強いけど…新しいスタートラインでもあるんですよね。モラトリアムは終わりだけれど。八雲も晴香も親友と叔父の死を見送り、それぞれの十字架を背負い直すキッカケがあり…二人じゃなければ乗り越えられなかっただろうな…。9巻が待ち遠しい!
2012/01/31(Tue)00:10:05 編集
ありがとうございます

哀さんへ!

こんにちは、こちらではお久しぶりです(そもそも更新頻度が…げふげふ。)

コメントありがとうございますー。

おっしゃる通り、卒業は終わりだと思います。
でも、終わりと始まりの区切りだとも思うんですよね。
なんか、歌詞にありそうですが(笑)

晴香が八雲に出会ってからは…あっという間だったかなぁっと思います。
いろいろあったけど、充実した日々だったかなぁっと思います。

9巻は…楽しみですが不安もありつつ。

コメントありがとうございました。

【2012/02/04 16:48】
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