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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2012年08月15日 (Wed)
お約束通り。

お盆中に八晴一本。
……っといっても…このどのカップルにでも通じる感。

名前変えたらいくらでも応用ができるようなブツは、そのキャラがつかめてないってこと。

二次では致命的だね。

まぁ、戯言はこの辺にして…


昨日雷雨がひどかったのでそれがらみのお話。



雨だった。


夕方から降り始めた雨は今も変わらず降り続いている。
窓を叩く雨音が強く聞こえる…。
先ほどから少し激しくなっているんだろうか…

そういえば、夜半から明け方にかけて強い雨が降るとニュースで言っていた。

今どれぐらいなんだろう…。
先ほど、時計を見たら3時になろうとしていたところだった。
雨の音を聞きながら…ぼんやりと考える。

一度目が覚めてしまったら、なかなか眠れずに…カーテンを少し開けて窓から外を眺めていた。

窓の方に体を向けて…身体を横向きにする。


外はまだ暗い…

いや…一瞬、明るくなった。
蛍光灯が点く時みたいにチカチカっと光る。


見間違いか…?

そう思っていると…遠くから…ゴロゴロっと…音がした。



あぁ…雷か……

そんな事をぼんやりと考える。

そろそろもう一眠りしたいけれど…なかなか眠れない。


そんなこと思っていると…また光った。

数えてみよう…っと思いながら…心の中で数を数える。

10秒。

そこで低い地響きのような音が聞こえた。

計算してみると3.4キロ

そんなことを、ぼんやりと考える。

雷は…そんなに嫌いじゃない…。


だが、同居人はそうでもないらしい。

ドン…っと音がして…雷が近くなって来るのがわかる。

ぎゅうっと……背中のパジャマが引っ張られる感じがした。

「……晴香?」
彼女の…名前を呼ぶと驚くように…えっと…声が聞こえてきた。
「…あ…八雲君?起きてたの?」
「…あぁ。…どうした?」
背を向けたまま…そう尋ねる
「………。雷…ビックリした。」
「…嫌いか?」
「うん…大きい音は…あんまり好きじゃないの…。」
「そうなのか?」
「うん……車の音…みたいで…」
その言葉を聞いて…事情を察した。
「…そうか。」
そうつぶやいて…身体を反転させ、彼女と向き合う。
「…八雲君…」
枕は隣同士に並んでいるので…顔の位置は同じぐらい
もう、外が明るくなってきた…
その不安げな顔が見える。
「停電にはならないだろうから…大丈夫だ。」
その不安げな表情を…少しでも和らげたくて…そう言ってみる。
「うん……」
効果なし…。
そもそも、何も根拠のあるものではないから…不安が和らがないのもわかる。
「…大丈夫だ。…僕がいる」
子供に言い聞かせるようにそう言って…右手を回して抱き寄せた。
「ん……。」
これも何も根拠はない…けれど…声のトーンが少し変わったのがわかった。
それで…これだけほっとした気分になれるのだから…。
人を好きになるってことは…幸せなことだと思う。

身体を反転させたところで…時計が見れるようになった。

午前4時30分

もう少し寝てもいい時間だが…街は確実に起きて動き始めている時間。

「八雲君…。いつから起きてたの?」
そんな声が…聞こえてきて苦笑い。
「…つい、さっきだ…もう少し寝よう。」
同棲しているはずなのに…彼女は良い匂いがする…。
自分とは違う匂いだ…っと思いながら、ぎゅうと抱きしめる。
「もう…八雲君…。苦しいよ。」
強い力に、そんな反論。
思わず笑ってしまうのをこらえ…腕の拘束を緩める。
「…これでいいか?」
「うん。」
そんな返事とともに…今度は自分が体を抱き締められた。
「晴香?」
「痛い?」
「いいや…平気だ。」

もう、いいか……っと思いながら…

緩めた腕で…そっと彼女の髪を梳いた…。


雨は…段々と小雨になっている………



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初めまして!
前から、見てはいましたが、コメントは初めてです。
今回の話も、とても良かったと思います!

晴香はやっぱり、車の音って苦手なんですね・・・。
家族の死って、自分のせいじゃなくってもトラウマになりそうです。

綾さんの小説は、「八雲」って感じがして大好きなので、次の小説も、楽しみに待ってます♪
2012/08/19(Sun)07:33:28 編集
Re:初めまして!

結 さま

初コメントありがとうございます。書き手の古谷でございます。
こちらの更新はご無沙汰しておりますが、ご覧いただいていたようで…嬉しいです。

おっしゃる通り、家族…身近な人の死というのは記憶に残りますよね。
晴香は車の音…というか、大きい音が苦手そうです。
実際は綾香はまだ子供でしたし、そんなに音はしなかったと思いますが
恐怖と罪悪感とがトラウマとして、残ってしまうと思います。

できるだけ、原作の雰囲気を壊さないようにと思いながら書いていますので、そう言っていただけると嬉しいです。
…まぁ、大幅に崩れてるのもありますが…(爆)
二次ならではということで、寛容にご覧いただければと思います。

コメントありがとうございました!

【2012/08/25 22:04】
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