ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
…肩、痛い(何故)
公式サイトで言ってましたが、八雲値上がりだそうですね。
いくらに跳ね上がっても買う気満々ですがね!
ってわけで!
『心霊探偵八雲6 失意の果てに』発売まであと13日!
昨日の続き
昨日、実は一回消えたんですよね…何でちょっと最初に書いてたのより雑。(一晩置かなきゃわかんないもんですね)
なのでリベンジを兼ねて。
「…痛い。」
消毒液で濡らしたティッシュを頬の傷へ触れさせると八雲が顔を顰めてそう言った。
「我慢して。」
晴香の一言に八雲は黙って、手当てを受けていた。
「はい、できたよ。」
ぺたりと絆創膏を張ってそう言う晴香。
「…あぁ。」
渋い顔をして八雲がそう返事をする。
八雲の顔を見ないようにして晴香は薬箱を片付け始めた。
ぱたんと蓋を閉め、晴香は立ち上がった。
「………。」
思わず、手を伸ばし引きとめようとするが、それをすることが出来なかった…
そうこうしている間に晴香は八雲の傍を離れ…
行き場を失ったその手を八雲は握り締めた。
「…晴香」
「!?どうしたの」
名前を呼んでくれるのはまだ珍しくて、勢いよく晴香は振り向いた。
「…君は、どこも怪我…してないか?」
「怪我はしてないよ。大丈夫でも、痛かった…かな」
少しだけ悲しげに笑ってそう言う晴香。
「…どこがだ?大丈夫か…」
「ココロ。」
すとんっとソファーに座ってそう言う晴香。
「…………晴香。」
「心が痛いよ…八雲君。」
「………。」
神妙な顔つきで晴香を見つめる八雲。
「ねぇ、まだ…自分の命は人の命より軽いって思ってる?」
問いかけのはずなのに、その声は小さい。
「私、八雲君が大事なんだよ?大好きなんだよ?代わりなんて、いないんだよ?」
「………。」
「私が…あなたがいなくちゃ駄目なの…分かってる?」
呟くそうにそう言う晴香。実際八雲には鮮明に声が聞こえてこなかった。
「それは、分かってる。僕だって君がいなくちゃ駄目なんだ。」
ゆっくり立ち上がって、ソファーへ歩み寄る八雲。
「じゃぁなんで、無茶したの?大人しくしてれば、怪我することなんてなかったのに」
潤んだ目で八雲を見上げる晴香。
「…君が、どうにかされるのを見るのは耐えられない。」
今にもあふれ出しそうな涙を拭って晴香の頭を抱きかかえる。
「大げさだよ。八雲君。」
くぐもった声が聞こえてくる。
「大げさでも、何でも…嫌なものは嫌なんだ。」
自らもソファーに座り、そのまま全身を抱きかかえるように腕を回す。
「命だって…軽く見てない。…僕がいなくなって悲しむのは君だって事は分かってる」
「じゃぁ、どうして…」
「それでも、君が悲しむのを知ってても、僕は…君が怪我をする事は…避けたいんだ。君がどうにかなるのは…嫌だ。」
「…………。」
強く服が引っ張られる。
「わかって…くれないか?」
出来るだけ、優しい声でそう囁く八雲。ゆっくり、髪を撫でて…。
「前も言ったけどね…」
「ん?」
「…一緒に居られれば、それでいいの。」
ゆっくり顔を上げながらそう言う晴香。
「一緒に居れば…どこだって平気なの、怖くなんてないの。ログハウスの時だって、さっきだって…八雲君と一緒なら恐怖は感じなかったの。」
「……晴香。」
「八雲君が、離れたとき凄く怖かった。何も考えられなくて…ただ怖かった。…分かる?」
「あぁ、分かる…。僕だって…」
「え?」
「…僕だって、君が…腕の中から引き出されたとき、怖かった。」
「……。」
「やっと見つけた…大事な人なんだ…君は…だから、怖い。失う事が。どうにかされる事が」
「…八雲君。」
「君には…笑ってて、ほしいんだ…だから。もう、泣くな」
ゆるゆると流れ続ける涙をキスで拭って真正面から晴香を見る。
「笑ってくれ…晴香。」
瞼にそっとキスを落として笑いかける八雲。
「ん…ん。」
自ら涙を拭って、八雲に倣って笑う晴香。
「…君は、笑顔が一番綺麗だ。」
「え?」
思わず晴香は変な声を出してしまった。八雲から、そんなこといわれるのは始めてだ。
「あ……。」
自分で言ったくせに、八雲は耳まで真っ赤になっている。
ぷいっと顔を背ける様子がなんだか可愛くて、思わず笑ってしまう晴香。
「………。」
笑うな、と言いたげに口を開いた八雲だったが、底心楽しそうな笑みに毒気を抜かれたようで、苦笑を浮かべていた。
END
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