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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年11月16日 (Sat)
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2006年11月13日 (Mon)

さてさて、一応復活です。

が、何だこの睡魔…。

今日はいろいろしたんで…疲れたんでしょう…歳だなぁ(遠い目)


愛しの楽さんへの私通は明日に繰り越すとして…。

久々にSS行きます。


そのまえに!

『心霊探偵八雲6 失意の果てに』発売まであと18日!



病気ねた。




ぴぴっ…

電子音を合図に取り出す体温計。

デジタル数字が示すのは36.9℃

今朝から続く、熱っぽさがどうにも消えないため、計った結果がコレである。
少し寝ていれば直るだろうと思っていたのに、目覚めてみれば症状は悪化の一路をだとっている。

「…風邪…引いちゃったかなぁ…。」


体温計を直しながら晴香がそう呟く。

それに答えてくれる声など、無い。



頭痛と悪寒に耐えながら寝室からキッチンへ向かう。
何か食べなくてはと思い、冷蔵庫を開ける。
自炊しているので大概のものは入っているその中を目で物色して梅干と冷ご飯とさつまいもを取り出した。
サツマイモを湯がいて冷ご飯と一緒にお茶で煮る。味付けは塩のみ。
子どものころ、母がよく作ってくれたお粥だ。
食べられる量だけ分けとって、ふらつく足で寝室へ戻った。


食事を終え、ベッドに横になると悪寒が増してきたように感じた。

思わず肩まで布団を掛けて天井を見上げる。

こうやって…病気で一人で横になってると、たまらなく不安になる

小さいころもそうだった。
病気のときは何故か弱気になってしまって自分はこれからどうなるんだろう…なんて考えて、一人で眠っているのが怖かった。
誰か傍に居てほしくて、我がままを言ったり甘えたりしてよく母を困らせたっけ…
そんな事を思い出している内にも、頭痛は激しさを増している。
「…お母さん」
ポツリと口からこぼれた言葉に反応してくれる人は誰も居ない。
それが今は昔でないという事をひしひしと感じる結果となった。
晴香はぬくもりを求めるより、頭痛から逃れるためにそっと目を閉じた。




目が覚めるときは大概突然。
いつ動いたのか、壁を向いて横向きになって眠っていた。
目が覚めて原因はすぐに分かった、携帯電話だ。
携帯は今朝からずっとマナーモードにしっぱなしだが着信を知らせるライトが点滅している。
だが、それに出るほどの元気は無くごろりと身体を半回転させるとライトに比べ物にならない明るさがそこにあった。
「なんだ…意外に元気そうだな」
口調は、いつもの八雲だった。逆光で表情は見えないけれど。
「…帰ってたんだ。お帰り。」
「……君が電話に出ないから、心配したんだ。どうしたんだ?」
ゆっくり晴香に歩み寄ってくる八雲。
「ちょっと…風邪…かな?」
「…どれ。」
ピトッと晴香の額に自分の手を当てて自分のと比べる。
八雲の手が冷たくて気持ちよかった。
「……。」
渋い顔をした八雲は、晴香に触れているその手で彼女の髪を掻き分けて…
自分の額を露出したそこへ押し当てた。
近距離にある八雲の顔、いくら一緒に暮らしているからと言っても、なれないものはなれない。
熱とは別のもので晴香は頬が熱くなった。
「…熱がひどいな。…それに大分汗もかいてるな…。」
そう言って額を離す八雲。
「起きれるなら、おきててくれ。着替え持ってくる。」
「……八雲君。」
踵を返した八雲のシャツをそっと握る晴香。
「………。」
心配そうに振り返って晴香を見下ろす八雲。
「一人はもういや…だから。早く帰ってきて…。」
「君に言われる、までもない」
言い方さえぶっきらぼうだがそこに母と同じ優しさを孕んでいるのを晴香は感じた。

END


実は結婚してました…っていうオチ。

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