ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
妹に昨日の夢を話したら。
めっさ笑われました。笑いすぎだ!ってぐらい(笑)
さて、今日もこの前のネタ帳より。
病気ネタ
新婚設定で
どうも、風邪を引いた…みたい…だ。
頭蓋骨を金槌でがんがん叩かれているかのような頭痛。
体内の水という水が金属になったみたいに重い。
そして、身体が熱い。
一つ幸いなのは吐き気がないことだ。
でも…
身体が動いてくれない…。
「晴香?」
八雲が机に突っ伏している晴香に声を掛ける。
「…なに?」
ゆっくり頭をもたげた晴香がそう答えるが、その表情はいつものそれとは程遠いものだった。
「どうした?顔が赤いぞ?」
「え?うんん。なんでもないよ?」
心配掛けたくなくて、そう言う。
「嘘を言うな…」
そう言うと、額にぺたりと手を当てる。
「……君は熱があるのを自覚してないのか?」
強張った声でそう問う八雲。
「………。」
「今日はもう寝ろ。薬飲んで。」
「……うん。」
それを聞いて八雲は晴香の身体を抱き上げ、寝室へ向かって歩き出す。
「…八雲、くん」
晴香はされるがままに八雲に抱き上げられていた。
わずかに顔を上げて、八雲を見やる。
「何でもっと早く言わなかったんだ?」
「ごめん…、なさい」
「言い訳は元気になってから聞かせてもらう。」
ベッドにゆっくり晴香を下ろす八雲。
「着替えを持ってくる。」
それだけいい急ぎ足で寝室を出て行く八雲。
着替えを持ってきて、次は薬を準備して…と忙しく動き回って晴香の傍に落ち着いたのは暫くたってから。
「他に、いるものはないか?」
「…大丈夫。」
「そうか。」
次の言葉が出てこないで2人とも黙ってしまった。
ホンの少しの後。
「ねぇ」
晴香から口を開いた。
「どうした?」
晴香の顔を覗き込むようにして訊ねる。
「…手…」
「手?」
「手…握って…」
布団からそろりと手を出す晴香。
八雲はその手にゆっくり自分の手を重ねる。
「……。これで、いいか?」
「…ありがとう。」
重ねられた八雲の手をぎゅっと握ってそう言った。
「……ゆっくり休んでくれ。」
「うん。」
晴香はそう言ってゆっくり、瞼を閉じた。
すよすよと、寝息が聞こえてきたのはほんの数分後の事。
八雲は暫くその寝顔を見つめていた。
ボーンボーンっと…リビングの時計が鳴る。
それにつられるように時計を見るともう6時。
「…何か、食べさせないとな。」
八雲は一人そう呟き、椅子から立ち上がった。
が
晴香が手を、離してくれなかった。
「………。」
思った以上に強く握られている手。
子どもが、母親と逸れないように必死に繋いでいるような…そんな手。
「離さないで」とは言われていないが、この強さがそう訴えている。
そんな気がした…。
「仕方ない…な。」
そういいながら、八雲は携帯電話を開いた。
寝室のドアのノック音と、声。
「八雲。夕食だよ」
返事の前にドアが開くと、一心と奈緒がそれぞれお盆を持っていた。
あの電話の先は一心邸だった。それで、今ここに2人がういるわけである。
「…ありがとう、ございます。」
「こっちは晴香ちゃんの分。起きたら食べさせてあげなさい。」
奈緒のお盆を八雲に渡しながらそう言う一心。
「そのつもりです。」
いつもとかわない様子でそう言う八雲。
いつもと違うのは右手がしっかりふさがっていることだけ。
「奈緒。食事にしようか」
「うん。」
奈緒がにこりと笑ったところで、家の固定電話が鳴る。
「おや、電話か。」
一心はそれだけ言って寝室を出て行った。奈緒もトコトコ後ろからついていく。
「…はい、斉藤ですが。」
ドアが開きっぱなしなので会話が八雲の耳にも聞こえて来る。
『俺だ。』
「あぁ、後藤君かね?」
一心のその言葉を聞いて、八雲は携帯電話の電源を切った。
こんな所で携帯がなっては晴香が起きる…という八雲なりの気遣いか。
それともただ単に後藤の声が聞きたくないだけか…それは分からないが…。
『あん?その声は八雲じゃねぇな?』
「…また八雲を事件に巻き込む気かね?あまり無茶をさせてくれるな。」
『はいはい。それより、八雲に代わってくれ』
「それは出来ないね。」
『なんでだよ?』
「取り込み中だよ。」
八雲から一心の顔は見えないが、声がやたらと弾んでいる…気がした。
『取り込み中?なにしてんだよ?』
「握ったまま、離さないんだよ」
『は?』
「晴香ちゃんが、八雲の手を握ったまま眠ってしまって…身動きが取れないんだよ。八雲は」
「静かにしてください!起きます。」
寝室から八雲の声が飛んでくる。
「おぉ、怖い怖い。後藤君。そう言うことだよ。」
一心が笑って、まだ何か聞こえていた受話器を静かに下ろした。
END
八雲は、テレながらもずっと握っててくれそうです。
どうも、風邪を引いた…みたい…だ。
頭蓋骨を金槌でがんがん叩かれているかのような頭痛。
体内の水という水が金属になったみたいに重い。
そして、身体が熱い。
一つ幸いなのは吐き気がないことだ。
でも…
身体が動いてくれない…。
「晴香?」
八雲が机に突っ伏している晴香に声を掛ける。
「…なに?」
ゆっくり頭をもたげた晴香がそう答えるが、その表情はいつものそれとは程遠いものだった。
「どうした?顔が赤いぞ?」
「え?うんん。なんでもないよ?」
心配掛けたくなくて、そう言う。
「嘘を言うな…」
そう言うと、額にぺたりと手を当てる。
「……君は熱があるのを自覚してないのか?」
強張った声でそう問う八雲。
「………。」
「今日はもう寝ろ。薬飲んで。」
「……うん。」
それを聞いて八雲は晴香の身体を抱き上げ、寝室へ向かって歩き出す。
「…八雲、くん」
晴香はされるがままに八雲に抱き上げられていた。
わずかに顔を上げて、八雲を見やる。
「何でもっと早く言わなかったんだ?」
「ごめん…、なさい」
「言い訳は元気になってから聞かせてもらう。」
ベッドにゆっくり晴香を下ろす八雲。
「着替えを持ってくる。」
それだけいい急ぎ足で寝室を出て行く八雲。
着替えを持ってきて、次は薬を準備して…と忙しく動き回って晴香の傍に落ち着いたのは暫くたってから。
「他に、いるものはないか?」
「…大丈夫。」
「そうか。」
次の言葉が出てこないで2人とも黙ってしまった。
ホンの少しの後。
「ねぇ」
晴香から口を開いた。
「どうした?」
晴香の顔を覗き込むようにして訊ねる。
「…手…」
「手?」
「手…握って…」
布団からそろりと手を出す晴香。
八雲はその手にゆっくり自分の手を重ねる。
「……。これで、いいか?」
「…ありがとう。」
重ねられた八雲の手をぎゅっと握ってそう言った。
「……ゆっくり休んでくれ。」
「うん。」
晴香はそう言ってゆっくり、瞼を閉じた。
すよすよと、寝息が聞こえてきたのはほんの数分後の事。
八雲は暫くその寝顔を見つめていた。
ボーンボーンっと…リビングの時計が鳴る。
それにつられるように時計を見るともう6時。
「…何か、食べさせないとな。」
八雲は一人そう呟き、椅子から立ち上がった。
が
晴香が手を、離してくれなかった。
「………。」
思った以上に強く握られている手。
子どもが、母親と逸れないように必死に繋いでいるような…そんな手。
「離さないで」とは言われていないが、この強さがそう訴えている。
そんな気がした…。
「仕方ない…な。」
そういいながら、八雲は携帯電話を開いた。
寝室のドアのノック音と、声。
「八雲。夕食だよ」
返事の前にドアが開くと、一心と奈緒がそれぞれお盆を持っていた。
あの電話の先は一心邸だった。それで、今ここに2人がういるわけである。
「…ありがとう、ございます。」
「こっちは晴香ちゃんの分。起きたら食べさせてあげなさい。」
奈緒のお盆を八雲に渡しながらそう言う一心。
「そのつもりです。」
いつもとかわない様子でそう言う八雲。
いつもと違うのは右手がしっかりふさがっていることだけ。
「奈緒。食事にしようか」
「うん。」
奈緒がにこりと笑ったところで、家の固定電話が鳴る。
「おや、電話か。」
一心はそれだけ言って寝室を出て行った。奈緒もトコトコ後ろからついていく。
「…はい、斉藤ですが。」
ドアが開きっぱなしなので会話が八雲の耳にも聞こえて来る。
『俺だ。』
「あぁ、後藤君かね?」
一心のその言葉を聞いて、八雲は携帯電話の電源を切った。
こんな所で携帯がなっては晴香が起きる…という八雲なりの気遣いか。
それともただ単に後藤の声が聞きたくないだけか…それは分からないが…。
『あん?その声は八雲じゃねぇな?』
「…また八雲を事件に巻き込む気かね?あまり無茶をさせてくれるな。」
『はいはい。それより、八雲に代わってくれ』
「それは出来ないね。」
『なんでだよ?』
「取り込み中だよ。」
八雲から一心の顔は見えないが、声がやたらと弾んでいる…気がした。
『取り込み中?なにしてんだよ?』
「握ったまま、離さないんだよ」
『は?』
「晴香ちゃんが、八雲の手を握ったまま眠ってしまって…身動きが取れないんだよ。八雲は」
「静かにしてください!起きます。」
寝室から八雲の声が飛んでくる。
「おぉ、怖い怖い。後藤君。そう言うことだよ。」
一心が笑って、まだ何か聞こえていた受話器を静かに下ろした。
END
八雲は、テレながらもずっと握っててくれそうです。
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