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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年11月15日 (Fri)
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2006年10月18日 (Wed)

日記の方には書きませんでしたが…。
体調が芳しくありません。
う~ん…。
こういうときは、何故か私の中のエスで始まるメーターが上昇します(爆)

ね。(にやり)

暗いです。そして痛いです。でややグロイです(苦笑)
死にネタ注意。







僕はどこまで…

神サマとやらに、嫌われてるんだろう。



「おい!しっかりしろ!」

焦げ臭いタイヤの匂い。

悲鳴と、喧騒の中。

赤に染まっていく…
白い身体…

「しっかりしろ!おい!…晴香!」
ずっと呼びたかった名前。
照れくさくて言えなかったのに、なんで今更…
「…やくも…くん…?」
うっすらと、目が開いた。
生暖かい、鮮血がドクドクと流れ出し身体を濡らしていく。
地面に垂れている左手の銀のリングも…血に染まっていく。
「晴香。」
今僕は、どんな顔をしてるんだろう。泣きそうな顔だろうか…それとも……。
彼女は少しだけ微笑んだ。
「ごめん…ね。…いっしょに…いけない…かもしれない」
「喋るな!もう喋るな!」
喋れば喋るほど血が流れでそうで…
それに比例して彼女が遠くにいく気がして…。
「頼むからもう…喋らないでくれ」
肩を抱くようにその身体を抱きしめる。
抱きしめていなければ。ここからいなくなりそうで…怖かった。
折れてしまいそうなほど強く…強く…。
「…かお…みせて…」
か細い声でそう聞こえた。
要望どおり、顔を上げて君を見つめた。
視界が歪んでいるのが自分でも分かる。
「…きれい」
「え?」
「…きれいな……め…」
どこかで聞いたような台詞。
それだけ言って…ゆっくり瞼が下りた。
「は…る、か?」
寄りかかっている彼女の身体が石像のように重くなったように感じた。
「晴香?…おい、…晴香!」
声が震えている。
「晴香!起きろ!おい!!晴香!!」
肩を掴み揺するが返事はない。
「……うそ…だろ。…」
なんて乾いた声なんだろう。僕はそんな風に、どこか他人事のように思っていた。
「嘘だろ、晴香!おい!晴香っ!」
自分が触れれば触れるたびに彼女の白い肌は血で赤く染まっていく。
僕の…色だ。
「…嘘だと…。言ってくれ…。」
僕の色は……死の色だ。
ゆるゆると、手を彼女の顔からはなす。
その色に…染まった。
「っ…ぅああぁああぁぁぁっ!!!」
叫んでいないと壊れてしまいそうだった。
抱きしめていないと本当に彼女が死んでしまいそうだった。
目から涙が、流れていた。
口から声が、響いていた。
腕の力で、抱きしめていた。
全身で、彼女の身体を包んでいた。

それでも、彼女は目を開けてはくれなった。





何故僕だけ…生き残ったんだ


何故、一緒に行かせてくれなかったんだ。


何故僕を…


置いていってしまったんだ…。


晴香…。

「晴香っ…」

母の形見、そして…君の形見にもなってしまった…赤い石を握り締める。


君のいない世界で…


生きて行けというのか?



耐えられ……ない。



 両肩を抱いてうずくまる。


寂しい…

「晴香…」

寒い…

「はるかっ…」

誰か…

殺してくれ


僕を殺してくれ…。


これ以上、君の傍にいれないなんて…。



 耐えられない…。



「…八雲君!…八雲!」
急に聞こえてきた、君の声。
「っ!?」
「大丈夫?」
パジャマを着た君が、僕を見下ろしている。
「…はる…か?」
赤ではなく、白い顔。血のあとは…ない。
「うん。…大丈夫?」
「ゆ…め……。」
安堵と共にポツリとこぼれる言葉。
「脂汗、凄いよ?シャワー浴びてきたら?」
「…………。」
「?ほんとに、大丈夫?」
「……あぁ。風呂行ってくる。」
立ち上がると身体がぐらりと揺れた。
「…無理しない方がいいよ?…タオル持ってくるから、待ってて。」
「……ありがとう。」
僕は果たして、ちゃんと笑えただろうか。


晴香がタオルとお湯を持って帰って来たときには、八雲はすでに服で汗を拭っていた。
「ありがとう」
ゆっくり笑って、そう言う八雲
「あ、着替え持ってくるね。」
「…晴香。」
ベッドから離れようとする晴香を八雲の手が拒む
「?どうしたの」
「…着替えはいい、だから。」
心なしか、八雲の目が潤んでいる。
「抱きしめてくれ。」
珍しい、旦那さまからのお願い。
「うん…。」
裸身だったか構わず首に手を回して抱きしめる。
「晴香…」
「はい。」
「はるかっ…」
八雲も晴香の小さな背中に手を回す。
「…大丈夫。ここに居るよ」
八雲の頭をぎゅっと抱きしめて。そう言う晴香
「あなたを置いて…どこかに行ったりしないよ。」
「一人になるなんて…耐えられない。君のぬくもりを感じることが出来ないなんて…耐えられない。」
「…私だって、あなたの声を聞けなくなるなんて、耐えられないわ。」
「…晴香…。」
きつく、身体を抱きしめる。
「大丈夫、もう私達は運命共同体なんだから。」


END



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無題
初めまして!ハッキリ言うと「やかましい」ですorz自分でも悲しいというか悔しいというか(^^;)

こうゆう話はマジでツボですね!涙ボロボロですよぅ(号泣)完ペキです!(私目線で)悲しいですね!あぁぁぁ~
これで明日からの学校も頑張れます!中1ですから!

これからも頑張ってください!!応援しています♪
まるちゃん 2007/10/14(Sun)18:40:24 編集
Re:無題
まるちゃんさん、始めまして。管理人の古谷です。
初コメントありがとうございます!

随分昔の記事へのコメントですけど、やっぱり作品への感想があれば嬉しいです♪
こういう話を書くときは私もボロボロ泣いてます。感情移入してしまって…(苦笑)
この手の話は私が感じた思いを、読んでいる人にも伝わればいいなぁっと思って書いているので…
号泣されたのであればモノカキとして本望です。

中一さんですか…。そろそろ文化祭の季節ですかね?学校、頑張ってくださいね!
ちなみに、少々(いやかなり)刺激が強いものもその辺に転がってますので、注意してくださいね(苦笑)

【2007/10/18 23:32】
無題
お久し振りです。またまたうるさいのが来ちゃいました(笑)

こういう話は、見事に私のツボに入ります。普通にボロ泣きですよ。いやぁ、また明日から頑張れます、本当。
心から惚れてます!(笑)
体調、回復を祈ってます。無理せず頑張って下さい。
私もちょっと風邪気味。最近の風邪は怖いですからね…。

長々と申し訳ありません。これからも応援してます!
志季 2006/10/18(Wed)18:45:50 編集
Re:無題
お久し振りです!にぎやかな方はいつでもウェルカムですよ!(笑)
こういう話は、私も弱いです。打ちながら苦しくなってます。
それでも書く私って…SなんだかMなんだか(爆)
反応しにくいコメントでスミマセン(汗)
少しでも、志季さんのエンジンの滑剤になれれば嬉しいです。

そして、体調を崩されてるとの事どうかご自愛くださいませ。
【2006/10/23 09:33】
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