ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
ADも最初は日記兼ネタ帳として始まってはや3年。
今日で3周年終わりです。
4周年入る前にお休みを取ります。
1年になるか何年になるかは分かりませんが…。
八晴が好き!という気持ちは普遍です。
今日に…作品が間に合ってよかった。
第八中学。
部分的にいろんなジャンルを詰め込んでみた。
花見話。
今日で3周年終わりです。
4周年入る前にお休みを取ります。
1年になるか何年になるかは分かりませんが…。
八晴が好き!という気持ちは普遍です。
今日に…作品が間に合ってよかった。
第八中学。
部分的にいろんなジャンルを詰め込んでみた。
花見話。
卒業式を終え、年度末の整理に忙しい時期。
…にもかかわらず、若干一名、のんびりしている人がいた。
「こら」
手に持っていたファイルでペシンとその頭を叩いた。栗色の髪が跳ねる。
「な、何するのよ。」
振り向いて、晴香はそういった。
学校広けれど、頭を叩いてくる失礼な人は一人しかいない。八雲、もとい斎藤先生だ。
授業はないにもかかわらず、白衣着用中。
「廊下にぼーっとつっ立ってる方が悪い。生徒が居ないからって気を抜くな。」
八雲はそう言って、視線を外に向けた。
「何、見てたんだ?」
「桜。」
学校には桜の木が植えられているところが多いが、ここ第八中学でも例外ではない。
年々、桜が咲く時期が早くなっていく気がする…もう満開だ。
「毎年、思うけど、この学校の桜は綺麗だね。」
「…今更か?」
「悪かったですね。」
晴香はそう言って、再び外をみた。
「いい天気だねー、絶好のお花見日和。」
今年はお花見いけなさそうだしなー。
晴香はそう呟いて、窓から目を反らした。
「…………。こい」
「え?」
八雲は唐突に晴香の腕を引っ張った。
「ちょっと、何?」
「花見、したいんだろ、行くぞ。」
平然とそういう八雲に晴香は驚いた。
「え?え?」
「君が、花見をしたいといったんだろう?」
念を押すように八雲はそういって、晴香をみた。
「そ、それはいったけど…」
「今から昼だろう?」
「そうだけど!」
「お昼を食べようとしたら校庭の桜が綺麗だった。だから花見をした、…何か変な点があるか?」
「…何で一緒に。」
「一人より、二人の方が楽しいだろ。」
八雲はそう言ってまた腕を引っ張って歩きだした。
「ちょ、ちょっと!や…斎藤先生!」
「大体、君は僕を避けすぎなんだよ。同じ大学出身なのに、よそよそしすぎる。」
「し、仕事中は当たり前でしょう?」
「小学校と違って中学はTeam teachingだ。教師同士のコミュニケーションが必要だとは思わないか?」
何故そこに話が行くのかは分らないがらないが…八雲のいう事はもっとも。
「…それとも。小沢先生は僕とお花見をするのがいやだとでもおっしゃりたいのかな?」
振り返ってやけに丁寧な口調で八雲は言った。目が笑ってない。
「え…っと。」
多分、ここで断ったら学校が終わったらお持ち帰りが確実だ。
その後は…言うまでもない展開。
「行くのか?」
「い、行く」
その答えに八雲は満足そうに、ニヤリと笑った。
「すごーい。」
満開の花の下で晴香は感嘆の声をあげた。
「満開だな。」
後ろの八雲がそう言って同じように桜を見上げた。薄いピンクと青空のコントラストが綺麗だった。
「………。」
目を細めながら八雲はそれを見て…レンガで造ってある花壇の縁に腰掛けた。
「いつまでそうしてるんだ、食べるぞ。」
「はーい。」
さっきまで散々嫌がってたくせに、いまやご機嫌だ。
単純だ…っと思いながら、来年はちゃんと花見に行こうと思う八雲だった。
「あれ?…ご飯それ?」
八雲が持っていたのはコンビニの袋に入った弁当とペットボトルのお茶が見える。
春休みなので当然給食が出ない。
「そうだ。」
平然とそう言って八雲はビニールを剥がしだした。
「ひょっとして…春休み中ずっとそれ…ですか?」
「作ってくれる人がいないんですよ。」
八雲はそう言って割り箸を割った。意味ありげに笑って。
「…小沢先生は、自炊なんですね。」
小さい鞄に入った弁当箱を見て八雲はそう言った。
大学時代に何度か見たことのある弁当箱…そう考えると物持ちがいい。
「りょ、料理ぐらいします。」
と言っても昨日の残りだが…それは言わなければ分からないことだ。
「それはなにより。」
そんなことを知っているくせに、何故聞くのだろうか。
チラッと八雲のほうを見るともうご飯に食べ始めている。
「……。おいしい…?」
自分の弁当箱を空けながら、晴香はそう問うた。
「まずくはない。といったところですかね。」
…敬語だ。つまり仕事中。
さっき、あんな態度取ったくせにっ…っと言いたいが、言えない。
言ったらそうしてくださいといってるようなものだから。
「食べるなら美味しいものが食べたいけどな。」
探るような視線で八雲は晴香を見てそう言った。
「……………。」
箸を咥えてポカンとする晴香。それを見て八雲は内心ほくそ笑んだ。
「…まぁ…自分で作る気はないですけど。」
八雲のその言葉に…数秒考えて晴香は口を開いた。
「どーしても…っていうなら…作ってあげない事もないけど…?」
探るような視線で八雲を見ると…にやりと笑われた。
「お人好しだな。」
「……そんなの…」
今更じゃない…っという言葉飲み込んだ。
なんだか悔しいから。
「…残念だが、弁当箱がない。」
「ないの?」
「ない。」
「………。」
そういえば、運動会の時は職員用のお弁当を注文していた。
「使うんだから…買いに行けばいいじゃない。」
「一人でか?」
コレは暗に付き合えという事なんだろうか。
「買いに言ってもいいけど、どれがいいのか分からない。」
ペットボトルのフタをあけて、お茶を飲んで八雲はそう言った。
「…………。」
「今週末なら買いにいけるんだが…。」
「………丁度」
八雲の視線を受けて少し照れば柄、晴香は口を開いた。
「…新しい、水筒を買いに行こうと…思ってた…ところだから。」
言われて気がついた。晴香はお茶を持っていない。
「…付き合ってあげても、いいですよ?」
「じゃぁ、お願いしようかな。小沢先生。」
反則だと思う。
何故この状態で先生と呼ぶのか。
怒っているのを分らせたくて八雲から視線を逸らせてお弁当を食べた。
「……………。」
八雲はそれを見て無表情で少し考え込んだ。
晴香の視線にひょいっと見慣れないものが入った来たのはそれからすぐの事。
何かはすぐ分った、割り箸。
「あ。」
そしてそれはウィンナーを取って視界から消えた。
八雲がとった。というのはすぐ分かる。
「なにす…」
顔を上げると同時にむにゅっと…触れた。
「っ!!」
唇だ、っとわかって、口の中にそれが戻ってきたのはすぐ。
「な、…なにするのよ!」
それを飲み込んで、晴香はそう言った。顔が真っ赤だ。
「返して欲しかっただろう?」
「そういう問題じゃない!」
「…職員室から見えないからきにするな。」
さらっと言う八雲に晴香はなおも噛み付いた。
「そういう問題でもない!」
「どうせ、誰もいやしない。」
「仕事中です!やっていいことと悪い事があるわよ。」
睨んでそういうが八雲は動じない。
「じゃぁ…仕事が終わったらいいのか?」
「…………。」
うっと唸って晴香は黙った。
「…今まで仕事中だってして来たくせに。」
「教師である前に…」
ふぅっと息を吐きながら八雲は言った。
「恋人…だろう?」
再び…唸った晴香。
「それは、そう…だけど」
返事は小声で…顔はまだ赤い。
「恋人同士である前に…」
「?」
「人間だから。」
この台詞をいった八雲は…意地悪ーく笑っていた。
人間だから…の後に続く言葉を想像して…晴香は固まった。
「今夜の食事は心配しなくてよさそうだな。」
いつの間に食べたのか、空になったケースをビニールに戻しながら八雲はいった。
予想は外れてなかった。
「…弁当はお持ち帰り決定だな。」
「なっ…。」
「残さずちゃんと食べるから。安心しろ。」
「うるさい、ばか…。」
気迫のない晴香の台詞に八雲は笑った。
「…久しぶりに聞いたな。その台詞。」
「私のお弁当は、高いわよ。」
晴香のその台詞には八雲は少し目を見開いた。
「大事に食べさせてもらうよ。」
ニヤリと笑って八雲はそう返した。
それから晴香が食べ終わるまで沈黙が続いた。
「花見…」
ポツリと八雲が呟いたそんな単語。
「え?」
横を見ると八雲は桜の木を見上げていた。
「…夜桜なら、…あまり人目を気にしなくてすむかもな。」
「………。」
「行くか?」
「仕事中ですよ。斉藤先生。」
お返しとばかりにそう言って晴香はお弁当箱をしまった。
「………。」
八雲はびっくりしたような表情を浮かべて…晴香の動作を見ていた。
「返事は後で、お昼休みは終わり。」
「晴香…。」
「名前で読んでもだめですからね。斉藤先生!」
晴香はそういうと一人先に歩き出した。
やれやれ、お冠か。八雲は苦笑してもう一度桜を見上げてから腰をあげた。
ふと、晴香が止まっている事に気がついて苦笑した。
何だかんだ言っても、彼女は優しく…自分は彼女に弱い。
「仕事に遅れますよ。斉藤先生」
「分ってますよ。小沢先生。」
春の日差しの中、2人は職員玄関へ向って歩き出した。
END
後日談。
「斉藤先生。今日はお弁当ですか?」
「えぇ…彼女が作ってくれましたので。」
「それはいいですね。」
「わざわざ、朝早起きして作ってくれましたよ。」
「すごく献身的じゃないですか。」
「僕もそう思います。」
「というか、斉藤先生彼女いたんですね。同棲してるんですか?」
「半同棲ですね。彼女の方も忙しいので」
「へ~…何してる人?」
「それは秘密です。」
「あれ?小沢先生どうかされましたか?」
「いえ…ちょっと熱くて…。」
散々のろければいいさ!
さりげなく同じ具なのを指摘されればいい。
…にもかかわらず、若干一名、のんびりしている人がいた。
「こら」
手に持っていたファイルでペシンとその頭を叩いた。栗色の髪が跳ねる。
「な、何するのよ。」
振り向いて、晴香はそういった。
学校広けれど、頭を叩いてくる失礼な人は一人しかいない。八雲、もとい斎藤先生だ。
授業はないにもかかわらず、白衣着用中。
「廊下にぼーっとつっ立ってる方が悪い。生徒が居ないからって気を抜くな。」
八雲はそう言って、視線を外に向けた。
「何、見てたんだ?」
「桜。」
学校には桜の木が植えられているところが多いが、ここ第八中学でも例外ではない。
年々、桜が咲く時期が早くなっていく気がする…もう満開だ。
「毎年、思うけど、この学校の桜は綺麗だね。」
「…今更か?」
「悪かったですね。」
晴香はそう言って、再び外をみた。
「いい天気だねー、絶好のお花見日和。」
今年はお花見いけなさそうだしなー。
晴香はそう呟いて、窓から目を反らした。
「…………。こい」
「え?」
八雲は唐突に晴香の腕を引っ張った。
「ちょっと、何?」
「花見、したいんだろ、行くぞ。」
平然とそういう八雲に晴香は驚いた。
「え?え?」
「君が、花見をしたいといったんだろう?」
念を押すように八雲はそういって、晴香をみた。
「そ、それはいったけど…」
「今から昼だろう?」
「そうだけど!」
「お昼を食べようとしたら校庭の桜が綺麗だった。だから花見をした、…何か変な点があるか?」
「…何で一緒に。」
「一人より、二人の方が楽しいだろ。」
八雲はそう言ってまた腕を引っ張って歩きだした。
「ちょ、ちょっと!や…斎藤先生!」
「大体、君は僕を避けすぎなんだよ。同じ大学出身なのに、よそよそしすぎる。」
「し、仕事中は当たり前でしょう?」
「小学校と違って中学はTeam teachingだ。教師同士のコミュニケーションが必要だとは思わないか?」
何故そこに話が行くのかは分らないがらないが…八雲のいう事はもっとも。
「…それとも。小沢先生は僕とお花見をするのがいやだとでもおっしゃりたいのかな?」
振り返ってやけに丁寧な口調で八雲は言った。目が笑ってない。
「え…っと。」
多分、ここで断ったら学校が終わったらお持ち帰りが確実だ。
その後は…言うまでもない展開。
「行くのか?」
「い、行く」
その答えに八雲は満足そうに、ニヤリと笑った。
「すごーい。」
満開の花の下で晴香は感嘆の声をあげた。
「満開だな。」
後ろの八雲がそう言って同じように桜を見上げた。薄いピンクと青空のコントラストが綺麗だった。
「………。」
目を細めながら八雲はそれを見て…レンガで造ってある花壇の縁に腰掛けた。
「いつまでそうしてるんだ、食べるぞ。」
「はーい。」
さっきまで散々嫌がってたくせに、いまやご機嫌だ。
単純だ…っと思いながら、来年はちゃんと花見に行こうと思う八雲だった。
「あれ?…ご飯それ?」
八雲が持っていたのはコンビニの袋に入った弁当とペットボトルのお茶が見える。
春休みなので当然給食が出ない。
「そうだ。」
平然とそう言って八雲はビニールを剥がしだした。
「ひょっとして…春休み中ずっとそれ…ですか?」
「作ってくれる人がいないんですよ。」
八雲はそう言って割り箸を割った。意味ありげに笑って。
「…小沢先生は、自炊なんですね。」
小さい鞄に入った弁当箱を見て八雲はそう言った。
大学時代に何度か見たことのある弁当箱…そう考えると物持ちがいい。
「りょ、料理ぐらいします。」
と言っても昨日の残りだが…それは言わなければ分からないことだ。
「それはなにより。」
そんなことを知っているくせに、何故聞くのだろうか。
チラッと八雲のほうを見るともうご飯に食べ始めている。
「……。おいしい…?」
自分の弁当箱を空けながら、晴香はそう問うた。
「まずくはない。といったところですかね。」
…敬語だ。つまり仕事中。
さっき、あんな態度取ったくせにっ…っと言いたいが、言えない。
言ったらそうしてくださいといってるようなものだから。
「食べるなら美味しいものが食べたいけどな。」
探るような視線で八雲は晴香を見てそう言った。
「……………。」
箸を咥えてポカンとする晴香。それを見て八雲は内心ほくそ笑んだ。
「…まぁ…自分で作る気はないですけど。」
八雲のその言葉に…数秒考えて晴香は口を開いた。
「どーしても…っていうなら…作ってあげない事もないけど…?」
探るような視線で八雲を見ると…にやりと笑われた。
「お人好しだな。」
「……そんなの…」
今更じゃない…っという言葉飲み込んだ。
なんだか悔しいから。
「…残念だが、弁当箱がない。」
「ないの?」
「ない。」
「………。」
そういえば、運動会の時は職員用のお弁当を注文していた。
「使うんだから…買いに行けばいいじゃない。」
「一人でか?」
コレは暗に付き合えという事なんだろうか。
「買いに言ってもいいけど、どれがいいのか分からない。」
ペットボトルのフタをあけて、お茶を飲んで八雲はそう言った。
「…………。」
「今週末なら買いにいけるんだが…。」
「………丁度」
八雲の視線を受けて少し照れば柄、晴香は口を開いた。
「…新しい、水筒を買いに行こうと…思ってた…ところだから。」
言われて気がついた。晴香はお茶を持っていない。
「…付き合ってあげても、いいですよ?」
「じゃぁ、お願いしようかな。小沢先生。」
反則だと思う。
何故この状態で先生と呼ぶのか。
怒っているのを分らせたくて八雲から視線を逸らせてお弁当を食べた。
「……………。」
八雲はそれを見て無表情で少し考え込んだ。
晴香の視線にひょいっと見慣れないものが入った来たのはそれからすぐの事。
何かはすぐ分った、割り箸。
「あ。」
そしてそれはウィンナーを取って視界から消えた。
八雲がとった。というのはすぐ分かる。
「なにす…」
顔を上げると同時にむにゅっと…触れた。
「っ!!」
唇だ、っとわかって、口の中にそれが戻ってきたのはすぐ。
「な、…なにするのよ!」
それを飲み込んで、晴香はそう言った。顔が真っ赤だ。
「返して欲しかっただろう?」
「そういう問題じゃない!」
「…職員室から見えないからきにするな。」
さらっと言う八雲に晴香はなおも噛み付いた。
「そういう問題でもない!」
「どうせ、誰もいやしない。」
「仕事中です!やっていいことと悪い事があるわよ。」
睨んでそういうが八雲は動じない。
「じゃぁ…仕事が終わったらいいのか?」
「…………。」
うっと唸って晴香は黙った。
「…今まで仕事中だってして来たくせに。」
「教師である前に…」
ふぅっと息を吐きながら八雲は言った。
「恋人…だろう?」
再び…唸った晴香。
「それは、そう…だけど」
返事は小声で…顔はまだ赤い。
「恋人同士である前に…」
「?」
「人間だから。」
この台詞をいった八雲は…意地悪ーく笑っていた。
人間だから…の後に続く言葉を想像して…晴香は固まった。
「今夜の食事は心配しなくてよさそうだな。」
いつの間に食べたのか、空になったケースをビニールに戻しながら八雲はいった。
予想は外れてなかった。
「…弁当はお持ち帰り決定だな。」
「なっ…。」
「残さずちゃんと食べるから。安心しろ。」
「うるさい、ばか…。」
気迫のない晴香の台詞に八雲は笑った。
「…久しぶりに聞いたな。その台詞。」
「私のお弁当は、高いわよ。」
晴香のその台詞には八雲は少し目を見開いた。
「大事に食べさせてもらうよ。」
ニヤリと笑って八雲はそう返した。
それから晴香が食べ終わるまで沈黙が続いた。
「花見…」
ポツリと八雲が呟いたそんな単語。
「え?」
横を見ると八雲は桜の木を見上げていた。
「…夜桜なら、…あまり人目を気にしなくてすむかもな。」
「………。」
「行くか?」
「仕事中ですよ。斉藤先生。」
お返しとばかりにそう言って晴香はお弁当箱をしまった。
「………。」
八雲はびっくりしたような表情を浮かべて…晴香の動作を見ていた。
「返事は後で、お昼休みは終わり。」
「晴香…。」
「名前で読んでもだめですからね。斉藤先生!」
晴香はそういうと一人先に歩き出した。
やれやれ、お冠か。八雲は苦笑してもう一度桜を見上げてから腰をあげた。
ふと、晴香が止まっている事に気がついて苦笑した。
何だかんだ言っても、彼女は優しく…自分は彼女に弱い。
「仕事に遅れますよ。斉藤先生」
「分ってますよ。小沢先生。」
春の日差しの中、2人は職員玄関へ向って歩き出した。
END
後日談。
「斉藤先生。今日はお弁当ですか?」
「えぇ…彼女が作ってくれましたので。」
「それはいいですね。」
「わざわざ、朝早起きして作ってくれましたよ。」
「すごく献身的じゃないですか。」
「僕もそう思います。」
「というか、斉藤先生彼女いたんですね。同棲してるんですか?」
「半同棲ですね。彼女の方も忙しいので」
「へ~…何してる人?」
「それは秘密です。」
「あれ?小沢先生どうかされましたか?」
「いえ…ちょっと熱くて…。」
散々のろければいいさ!
さりげなく同じ具なのを指摘されればいい。
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