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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2007年05月15日 (Tue)
あはっ……

あははは…………

すみませんッ!!(土下座)

レポの締め切りに追われたり、別ジャンルにはまったりしてるうちに…かなり放置してましたっ(滝汗)

それでもきてくださってる皆様に感謝。拍手をぱちぱとしてくださる皆様にも同様に!
なかなかお礼変えれなくてすみません。

こんなトコですが閉鎖する気はありません。(考えはしましたけどね)
私…がんばりますから。

うんっ!

ですが

こんな病んでる話ですみません(苦笑)



starry-tales様からお借りした
【抱きしめる】5のお題
より

4.もう少しだけここに居てよ



病んでます。注意


もう、

もうなにも…

見たくなかった…

揺れる…揺れる
灼熱の地に見える蜃気楼か
極寒の地に見えるオーロラか…
はたまた風になびく薄いカーテンか…
自分の意思を持たぬまま、ゆらめいでいた。

それが何かを分かる者は…彼意外いなかった。

そして
そんな彼に……
悪魔が微笑み始めた……。

彼の目に、光はなかった


命に別状はない……。
そう聞かせれても実際に会うまでは安心できなかった。
すぐにでも、逢いに行きたかった…でも、逢いに行くのが怖かった。

それは原因が自分だという負い目があるからに他ならなかった。

昨日、めでたく事件は無事解決を迎えた。
後藤がその報告に来た際に、話していった二つの事実。
一つ目は命に別状がないという事。
もう一つはそうなった原因が自分であるという事…。
どうしようもなく、苦しかった。
救えなかったと…嘆けばきりがない。
逆に嬉しかった。
生きていてくれた事が……。

そんな相反する感情の中で1日がすぎ……今に至る。


独特の匂いに迎えられ病院へと、踏み込んだ。

病室の番号は後藤から聞いていた。東棟の3階、ナースステーションから程近い部屋だった。
部屋の前のプレートを確認してゆっくりドアをノックした。返事はない。
一瞬、入っていいのかためらいが生じる。
恋人同士なんだから、大丈夫。
そう自分に言い聞かせスライド式のドアを開けた。

恐ろしいほど、室内は静かだった。

そうして、目に飛び込んできたのはなんとも痛々しい姿の自分の恋人だった。
思わず目を閉じたくなった…。正確に言えば閉じてしまった。
だが、すぐに目を開いた。

彼がこんなことになってしまったのは自分のせいなのだと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

だから自分は見なければならない。そんな思いがあったからだ。


寝癖だらけの髪も、もともと白かった肌も…かわっていなかった。

違うのはたった一点。

両目の部分に巻かれた白い包帯だけ。




もう、タイミングよく止めてくれる人などいなかった。


二度も、この目で人が逝くところを視た。
自分にとってかけがえのない人…失いたくなどなかった人を…。
もうそんなものは視たくなかった。
自分が…不器用ながらにも愛した人が、消えてしまうところなんて視たくなかった。

視えなければいいじゃないか、八雲。

薄い声が聞こえてきた、誰かなんて考えるまでもない。


あいつに、屈するつもりはなかった。

身体を乗っ取られるぐらいなら、いっそ死んでしまえ…。半ば自暴自棄にそう思った。

目の前で、晴香が笑っているのだ…左目の中でだけ生きている彼女が……。

そこに僕が逝ったら、…君は怒るか?

心の中でそう問うて、躊躇いもなくその行為に写った。


彼の目に、光はなかった。


ベッドに横たわる八雲のその包帯に手を翳す晴香。
「ごめんね…。」
私が不注意に動いたばっかりに…。
「ごめんね、八雲君…。」
辛い思いを、痛い思いをさせてしまった。
役に立ちたかったのに…結局私は、八雲の足を引っ張ってばかり。
八雲を闇から救い上げたかったのに…私がした事は結局その逆。
もはや、その瞳に私の姿を写してくれる事はない。
「やだよ……。」
力なく八雲の上に倒れこむ。傷が少し痛んだがそんな事は問題ではなかった。
「そんなのやだよ……。」
晴香はぎゅっとそこ身体を抱きしめた。
「誰だ。」
いきなりそんな声が聞こえてきた。当然声の主は彼、である
「なれなれしく僕に触るな。」
そう聞こえたかと思うと晴香の身体を自分の体から離させた、もちろん見えてはいない。
「うん。…ごめんね、八雲君。」
ぴくりっと…異常なまでにその声に八雲が反応を示した。
「は…る、か?」
そう言ったかと思うとがばりと起き上がる八雲。
「八雲君…?」
「…晴香…いるのか…?」
晴香のいるほうとはまったく別の方向を向き八雲はそう言った。目が見えないのだそうなっても無理はない。
「晴香っ…!晴香!!…いかないでくれ!僕を…置いていかないでくれっ!!」
何を合図にしたのか、分からないが八雲がいきなりそう叫び、ベッドから降りようと動き出した。
「八雲君っ!!!ダメだよ。」
点滴が打ってあるのを見て晴香は慌てて八雲をベッドに押し戻そうとするが、出来ない。
「晴香っ…はるか!」
「私はここにいるよ!八雲君!!」
「違う!あいつは死んだ。僕のせいで!」
ずきりと、目に見えない刃が晴香の胸を貫いた。
八雲が自分を責めているからか、それとも死んだと思われてるからか…それは分からない。
「あなたは悪くない!悪いのは、全部私でしょう!!」
「黙れ!お前は誰だ!邪魔をするな!あいつが…晴香が…逝ってしまう。」
「私が晴香だよ?」
「ちがう!晴香は死んだ!触れたくとも触れる事なんて出来やしない!」
「八雲君……。」
東3階は精神科病棟だ…と、後藤に聞かされたときから覚悟は決めてきたつもりだった。
だが、そんな覚悟では足りなかった。
「ここに居て…くれ、…少しで…いい……から、晴香!!」
目が見えないはずなのにまるでそこにいるかのように手を伸ばす八雲。おそらく脳で記憶している映像を再生してるのだろう。

「晴香……はるか…」

声が明らかに変わった。伸ばしたその手をおろし、項垂れた。

「…ずっと、居るから…。」

その背中に抱きついて晴香がそう言った。懐かしい匂いが微かにした

違うと、否定されても私は私。生きてる、生きて八雲を抱きしめられる。

たとえずっと私だと、分からなくても…。

ずっと居るから……。

だから八雲君も

「…ここに居てよ……。」


死ぬなんて、絶対に許さない。


END


病んでるのは、八雲のほうでした。っていうオチ。



【抱きしめる】5のお題 これにて終わりです。




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無題
SINです!
綾さんこんばんは♪♪♪♪
この前見たとき八雲じゃなく晴香さんが病んでいたような
この場合赤眼の能力は失いますか?
自分は失って欲しく無いです
SIN 2007/05/15(Tue)23:32:17 編集
Re:無題
そうです。この前は晴香が重傷でした。

晴香を病院へ連れて行く間に、八雲は揺らぐ晴香の姿を見ています。
右目で生身の晴香を。左目で思いの塊の晴香を。

八雲はこれまでに大事な人が同様に消えていく姿を目撃してます。
これ以上、思いが消えていくところは視たくない。それは彼女の死を意味するから。
恋人同士という設定だったので、やっと見つけた幸せを、安らぎを失うなんて考えたくなかった。
そうなったら耐えられないと、思ったのかもしれないですね。

視たくない、なら、見えなければいい。別々のものが視える目なんていらない。
彼にとってそれほどまでに晴香の存在が大きかった。
この辺は小説の中でも書いてますが半ば自暴自棄。
離れていく、魂を見たのかもしれません。
…実際、晴香は生きているので幽体離脱的な状態だったんでしょうけどね。


晴香はその事を病室で後藤から話を聞いています(八雲が入院してるのとは別の病院)
それで、八雲がやってきたと見せかけて実は晴香だったと…いうのを書きたかったのですが…消化不良ですな。

八雲の目についてはご想像にお任せしますという事で。

実際に目を潰したのなら視えませんが、瞼を傷付けただけなら手術次第では視えるかもしれません。

補足説明をしないといけないあたり、もう少し推敲しないといけませんでした。

すみません(苦笑)
【2007/05/21 23:22】
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