ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
やっぱり、
…甘いのは良い(笑)
にやっとします。
たとえそれが自分が書いたものでも(笑)
ネタメモ追加。
・後藤さん話(家族・子ども、親父、叔父、祖父。真)
・父親話(2、万×。暗)
一昨日、寝る前に後藤さん話が書きたくなって、
今日、講義中に父親話が書きたくなって…
さっき、アジサイの話が書きたくなったという、物凄い変動。
分類も全然違うしね(苦笑)
新婚
梅雨にはまだ遠いが、確実にその季節へ向かっている初夏の空に
「あ、アジサイ。」
…そんな能天気な声が響いた。
場所はそれほど住宅街にあるさほど交通量の多くない道路…に面した公園。
角を曲がったとき道路から見える位置に植えられたアジサイが目に飛び込んできた。
歩道を歩いているのは他でもない、八雲と晴香。ちなみに買物の帰り。
散歩がてらたまには違う道を歩いてみようと提案したのは晴香のほう、反対する理由がない八雲は承知し…今に至る。
「八雲君!来て来て。」
アジサイを見つけるなり、駆け足で近寄っていった晴香が八雲を手招きする。
「…どうしたんだ。アジサイなんてそんな珍しくもないだろう?」
苦笑しながら、招かれるままに晴香によっていく八雲。
「珍しくはないけど…でも綺麗じゃない?こんなところに咲いてるなんて知らなかったし。」
ちょんっと、小さな花の1つを突く晴香。それによって大きな花が微かに首を振った。
「知ってた?アジサイって、土が酸性かアルカリ性かで花の色が違うんだよ?」
なんとも、無邪気にそう言ってくる晴香。それに対し少々意地悪をしたくなるのは性分だから仕方ない。
「…小学生並だな?」
「なによそれ。」
「知ってる事を言いたくてしょうがない。なんて小学生レベルじゃないか。それとも、もっと幼いか?」
意地悪ーく笑って、八雲がそう言う。
「じゃぁ…どっちがどっちか分かる?」
「酸性が青、アルカリ性が赤だろ。常識だ」
「………。」
ぐぅっと小さく唸ったような唸らなかったような…。とにかく、晴香は黙ってしまった。
「ほら、もう帰るぞ。」
数十秒の沈黙の後、八雲がため息を吐き出しながら晴香の手を取る。そうして、手を引きながら歩き出す。
「あ。じゃぁ、白いアジサイがあるのは…知ってる?」
八雲の隣に並んで、晴香がそう問うてきた。
「白?」
片眉だけ上げて、八雲がそう返事をした。
「見た事はある。」
というか現に、今目の前にある。一番端に白いアジサイが咲いていたのだった。
「あ、ここにあるね。ねぇ、どうして白いか知ってる?」
「……………。」
晴香の質問に、八雲は答える事ができなかった。
さっきの論理からすれば、赤か青でなくてはおかしいのだから。
「白い色は成長過程なんだって。いずれ、赤か青になるんだよ。」
「ふぅん…。」
それぐらいしか感想がない八雲、怒られるかと思ったが晴香の機嫌は先ほどより格段に回復してるようだった。
「何かに似てると思わない?」
ふふっと笑って、八雲の顔を見る晴香。
「…………。」
なぞなぞを出されているようで八雲は眉をひそめた。そうして、眉間を指でつまむお決まりのポーズをとる。
「降参だ。」
ため息と、ともにそう声が吐き出される。
「ウェディングドレスの白と同じかなぁって。」
「…………。」
また突拍子ない事を言い出したといわんばかりに渋い顔をする八雲。
「ウェディングドレスの白は清純とか純真とかを表してるのと同時に、何色にでも染まる、色じゃない?」
「新郎の色に染めるって言いたいんだろ?それじゃ、女が男の所有物みたいじゃないか。古い考え方だな。」
「…もう、八雲君ロマンがない!」
また膨れて晴香が抗議する。
「でも、この二つが同じ時期にみられるなんて、なんだか関係あるように思わない?」
白い花がウェディングドレス、土の性質が相手の性格…に結びついているんだろう。晴香の中では
「…君の感性にはついていけないよ。」
今日一番の苦笑を浮かべながら、でも穏やかな口調で八雲がそう言った。
「思っちゃったんだからしょうがないでしょ?」
そしてこちらも今日一番の抗議。
「分かった、分かった。もう帰るぞ。」
晴香をなだめて歩き出す八雲。手を繋いでるため晴香も続く。
「でも、私は…結婚する前から八雲君に染まってたかも。」
ぼそっと、聞き取りにくいこえで晴香がそう言った。
「?」
「……八雲君の色って…白だよね」
「は?」
思わず間抜けな声を出してしまった八雲。そうして晴香の顔を凝視する。
赤や黒は多いが…白、という色を当てはめられた事は…おそらく始めてだ。
「どっちかっていうと白は君のほうだろう。」
「ううん。八雲君。まっすぐだし、純粋だし…優しいし。」
「…その言葉、全部君に返すぞ?…そうだな、それに君は可憐だ」
聞いていてこっちが恥かしくなるような台詞を平気で言うのが恋人、もとい新婚の怖いところである。
「とにかく、その前から八雲君の色に染まってたの」
くすくす笑いながら晴香がそう言った。
「何でそんなに断言するんだ?」
ふと、疑問に思った事を晴香に問う八雲。途端、晴香の顔が赤く染まった。
「………。ベタ惚れだからに決まってるでしょ。」
帰ってきた返事がこれだった。
「結婚しても、八雲君が好きな気持ち…高まらないんだもん。結婚する前から、ずっと100%」
「120%中?」
にやりと、意地悪く笑う八雲。
「もうっ!八雲君っ!100%中に決まってるでしょ!」
くっくっと声を押し殺して笑う八雲に対し、晴香は怒りと照れから赤い顔で膨れている。
「君はまだまだ、何も分かってないな。」
笑いながら八雲がそう呟く。
「?どういうこと??」
「数字で表そうとする所なんかは、特にな。」
笑いを収め、八雲がそう話す。
「僕が君を好きな気持ちは、数字なんかじゃ表せないんだ。ゼロが何個ついても足りないな。」
スクッと笑い、晴香の耳にそっと囁いた。
「君への気持ちは道具や数字で表す事なんて出来ないんだ。出来るのは、行動だけ。だ」
にやっと笑った八雲に対し、晴香の頬は赤く染まっていた。
END
白いアジサイを通学中に見つけ、何で白?赤か青じゃないの??っと思ったのが最初。
一昨日見たら、青になってました、その白かったアジサイ。
私は、田舎育ちなんで植物にはそこそこ強い(笑)んですが…一般的にはどうなんでしょうかね?
…小学校の理科でやるかな?
梅雨にはまだ遠いが、確実にその季節へ向かっている初夏の空に
「あ、アジサイ。」
…そんな能天気な声が響いた。
場所はそれほど住宅街にあるさほど交通量の多くない道路…に面した公園。
角を曲がったとき道路から見える位置に植えられたアジサイが目に飛び込んできた。
歩道を歩いているのは他でもない、八雲と晴香。ちなみに買物の帰り。
散歩がてらたまには違う道を歩いてみようと提案したのは晴香のほう、反対する理由がない八雲は承知し…今に至る。
「八雲君!来て来て。」
アジサイを見つけるなり、駆け足で近寄っていった晴香が八雲を手招きする。
「…どうしたんだ。アジサイなんてそんな珍しくもないだろう?」
苦笑しながら、招かれるままに晴香によっていく八雲。
「珍しくはないけど…でも綺麗じゃない?こんなところに咲いてるなんて知らなかったし。」
ちょんっと、小さな花の1つを突く晴香。それによって大きな花が微かに首を振った。
「知ってた?アジサイって、土が酸性かアルカリ性かで花の色が違うんだよ?」
なんとも、無邪気にそう言ってくる晴香。それに対し少々意地悪をしたくなるのは性分だから仕方ない。
「…小学生並だな?」
「なによそれ。」
「知ってる事を言いたくてしょうがない。なんて小学生レベルじゃないか。それとも、もっと幼いか?」
意地悪ーく笑って、八雲がそう言う。
「じゃぁ…どっちがどっちか分かる?」
「酸性が青、アルカリ性が赤だろ。常識だ」
「………。」
ぐぅっと小さく唸ったような唸らなかったような…。とにかく、晴香は黙ってしまった。
「ほら、もう帰るぞ。」
数十秒の沈黙の後、八雲がため息を吐き出しながら晴香の手を取る。そうして、手を引きながら歩き出す。
「あ。じゃぁ、白いアジサイがあるのは…知ってる?」
八雲の隣に並んで、晴香がそう問うてきた。
「白?」
片眉だけ上げて、八雲がそう返事をした。
「見た事はある。」
というか現に、今目の前にある。一番端に白いアジサイが咲いていたのだった。
「あ、ここにあるね。ねぇ、どうして白いか知ってる?」
「……………。」
晴香の質問に、八雲は答える事ができなかった。
さっきの論理からすれば、赤か青でなくてはおかしいのだから。
「白い色は成長過程なんだって。いずれ、赤か青になるんだよ。」
「ふぅん…。」
それぐらいしか感想がない八雲、怒られるかと思ったが晴香の機嫌は先ほどより格段に回復してるようだった。
「何かに似てると思わない?」
ふふっと笑って、八雲の顔を見る晴香。
「…………。」
なぞなぞを出されているようで八雲は眉をひそめた。そうして、眉間を指でつまむお決まりのポーズをとる。
「降参だ。」
ため息と、ともにそう声が吐き出される。
「ウェディングドレスの白と同じかなぁって。」
「…………。」
また突拍子ない事を言い出したといわんばかりに渋い顔をする八雲。
「ウェディングドレスの白は清純とか純真とかを表してるのと同時に、何色にでも染まる、色じゃない?」
「新郎の色に染めるって言いたいんだろ?それじゃ、女が男の所有物みたいじゃないか。古い考え方だな。」
「…もう、八雲君ロマンがない!」
また膨れて晴香が抗議する。
「でも、この二つが同じ時期にみられるなんて、なんだか関係あるように思わない?」
白い花がウェディングドレス、土の性質が相手の性格…に結びついているんだろう。晴香の中では
「…君の感性にはついていけないよ。」
今日一番の苦笑を浮かべながら、でも穏やかな口調で八雲がそう言った。
「思っちゃったんだからしょうがないでしょ?」
そしてこちらも今日一番の抗議。
「分かった、分かった。もう帰るぞ。」
晴香をなだめて歩き出す八雲。手を繋いでるため晴香も続く。
「でも、私は…結婚する前から八雲君に染まってたかも。」
ぼそっと、聞き取りにくいこえで晴香がそう言った。
「?」
「……八雲君の色って…白だよね」
「は?」
思わず間抜けな声を出してしまった八雲。そうして晴香の顔を凝視する。
赤や黒は多いが…白、という色を当てはめられた事は…おそらく始めてだ。
「どっちかっていうと白は君のほうだろう。」
「ううん。八雲君。まっすぐだし、純粋だし…優しいし。」
「…その言葉、全部君に返すぞ?…そうだな、それに君は可憐だ」
聞いていてこっちが恥かしくなるような台詞を平気で言うのが恋人、もとい新婚の怖いところである。
「とにかく、その前から八雲君の色に染まってたの」
くすくす笑いながら晴香がそう言った。
「何でそんなに断言するんだ?」
ふと、疑問に思った事を晴香に問う八雲。途端、晴香の顔が赤く染まった。
「………。ベタ惚れだからに決まってるでしょ。」
帰ってきた返事がこれだった。
「結婚しても、八雲君が好きな気持ち…高まらないんだもん。結婚する前から、ずっと100%」
「120%中?」
にやりと、意地悪く笑う八雲。
「もうっ!八雲君っ!100%中に決まってるでしょ!」
くっくっと声を押し殺して笑う八雲に対し、晴香は怒りと照れから赤い顔で膨れている。
「君はまだまだ、何も分かってないな。」
笑いながら八雲がそう呟く。
「?どういうこと??」
「数字で表そうとする所なんかは、特にな。」
笑いを収め、八雲がそう話す。
「僕が君を好きな気持ちは、数字なんかじゃ表せないんだ。ゼロが何個ついても足りないな。」
スクッと笑い、晴香の耳にそっと囁いた。
「君への気持ちは道具や数字で表す事なんて出来ないんだ。出来るのは、行動だけ。だ」
にやっと笑った八雲に対し、晴香の頬は赤く染まっていた。
END
白いアジサイを通学中に見つけ、何で白?赤か青じゃないの??っと思ったのが最初。
一昨日見たら、青になってました、その白かったアジサイ。
私は、田舎育ちなんで植物にはそこそこ強い(笑)んですが…一般的にはどうなんでしょうかね?
…小学校の理科でやるかな?
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