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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
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2007年04月04日 (Wed)
漫画化八雲もいいけど、外伝はまだですかっ!先生っ!!
もう桜、散っちゃいそうです(苦笑)
いやいや、仕上がってるんだからTEAM-YAKUMOの皆さんに頑張ってというべきか…。



拍手お返事

amiさん
お久しぶりです。お返事遅くなりました。
八雲のお仲間増えましたか!羨ましいです!
他の素敵な八雲サイト様を紹介した最後にでも、お仲間に教えてあげてください。
拙サイトではございますが(^^;


さてさて、
starry-tales様からお借りした
【抱きしめる】5のお題
より
5.こうすれば何も見えない

第2



まだ朝は早いがすでに人は忙しく動いている。
空港の待ち合わせの場所だと言うロビーに2人は居た。
紺色のキャリーケースを持っている晴香と少し大きなボストンバックを持っている八雲。
「晴香ー!」
声のしたほうを向くと八雲も知った顔があった。それと、見慣れないと男。
まぁ、八雲が知っている同年代の男性なんてそうそういるものじゃない。
「美樹!」
晴香が立ち上がって手を振る。
ごろごろと、キャリーケースを引きずって来たのは八雲と晴香が出会うきっかけとなったその人だった。
「ごめんごめん、遅くなっちゃった。」
「大丈夫。私たちが早かっただけだし、時間はまだあるから。」
「あ、これ飛行機のチケットね。私たちはその一つ前の席だから。」
渡されたチケットは隣同士を記していた。
一応、一通りの自己紹介を終え、晴香が口を開いた。
「それにしても、どうしたの?久美、いきなりキャンセルなんて」
「それがね~。聞いてよ晴香!久美ったらできちゃったんだって!」
「………。は?」
「子どもよ、子ども!3ヶ月だって」
「……。それで、キャンセル?」
「そうなのよ。」
へぇ…っと、少し乾いた声で晴香が言った。男2人は黙ったままで2人のやり取りを聞いていた。
まだ、喋りだそうとする美樹を遮るようにロビーにアナウンスが流れる。
丁度、乗る便のモノだったので4人は歩き出した。
「そんな子どもみたいにきょろきょろするのは止めてくれ、こっちが恥ずかしい」
隣を歩く晴香にそう言う八雲、美樹たちは少し先を歩いている。
「なによー。いいじゃない、空港なんてめったに来ないんだし。」
「見るなとは言ってないだろ。落ち着けって言ってるんだ。」
「うっ…だって、八雲君歩くの早いじゃない。すぐに通り過ぎちゃうじゃないの。」
「こんな所で買い物しても高いだけだろ」
「…見るだけならタダよ。」
珍しく食い下がらない晴香に八雲はため息を付いた
「向うに着いたら、いくらでも見れるだろう」
「…………。」
そんな八雲の肩に軽く頭突きをした晴香。
「?」
「……向うに着いたら、八雲君と一緒じゃないでしょ?」
ふてたようにそう言う晴香
「一緒がいいの…。」ぼそぼそとそう続いた。
コイツは…僕が終日寝て過すとでも思ってるんだろうか。
八雲はそう思い少しムッとした。と同時に一緒が言いと言ってくれた事に言いようもない喜びを感じた。
「向うで、買い物に付き合ってやる。だからここできょろきょろするな。」
「ほんと!?」
「君に振り回される覚悟はできてるんでな。」
そもそも、この旅行自体が君に振り回されてるしな。
笑いながらそう言う八雲。
「もう、それはきなりだったけど……。でも」
怒るかと思って居た八雲はやけにしおらしい晴香を不審に思った。
「…嬉しいよ。了解してくれて…。」
頬がほんのり朱に染まっている。
「………。馬鹿」
こちらも微かに赤い顔をしている八雲。
もっとも、その赤みは晴香にしか分からないものだったが……。
搭乗口でチケットを見せ、飛行機に乗り込む4人。シートベルトを締め離陸に備える。
「どうした?やけに静かだな?」
飛行機に行くまでの左右透明な道を歩いている間は先ほどと同じようにきょろきょろしていた晴香だったが徐々に無口になってきた。
「別に…」
と返事をする声にも覇気がない。
「…一体どうしたんだ?閉所恐怖症ってわけじゃないだろう?」
「うん…。」
「…高いところが苦手でもないだろう?」
「うん…。」
「飛行機、苦手なのか?」
「苦手って言うか…初めてなの、乗るの」
意外な告白に八雲はきょとんとしていた。
「………。」
「八雲君は?」
「…修学旅行で乗った。」
「そう、なんだ。」
「大丈夫だ。墜落事故なんてそうそうおきるものじゃない。」
「……うん。」
「……。君がそんなんだと僕の調子が狂う。そんなに心配するな。」
その時、離陸を知らせるアナウンスが鳴り響く。
動き出した飛行機に膝の上の手をぎゅっと握り締めた。
「…大丈夫だ。僕がいる。」
その手を包み込む八雲。
「…八雲君」
何が大丈夫なのか分からないが、晴香にとってはその一言が嬉しかった。
「心配するな。」
珍しくにこりと笑う八雲。
「ね…八雲君…。」
「ん?」
「……手、握っていい?」
「あぁ。」
ぎゅっと握られた晴香の手はいつもより小さく見えた。


ふわりと、身体が浮き上がった時。

思わず声を上げ、八雲に抱き付いていた。

「大丈夫だ。」

耳にそう囁かれてくすぐったかったが、顔を上げる勇気はなかった。



だが

数十分後には…


すよすよと、静かな寝息をたてていた……。




続く


飛行機初体験!編
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無題
SINです!

綾さんこんにちは。
自分も晴香さんと同じで飛行機に乗るの初めてで緊張してこわい思いもしましたが友達も一緒にいたから自分は平気でした
晴香さんは八雲がいれば飛行機も平気ですね。八雲に信頼をかなりしているから(笑)
SIN 2007/04/05(Thu)06:16:41 編集
放置すみませんっ(汗)
お久しぶりです。ご無沙汰しております(滝汗)
本当に毎回コメントを頂いてるのに放置ですみませんっ!

飛行機、初めて乗ったとき私もドキドキでした。(小学校5、6年でしたが)
修学旅行の時友人が一人、かなり怖がってたのを思い出して今回の話が出来ました。
これを晴香でしたら絶対可愛いぞ…と(笑)
確かに、信頼できる人と一緒だといくらか安心できますよね。そして安心すると寝てしまうと(笑)

本当に、毎回コメントありがとうございます!
【2007/04/21 17:10】
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