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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2006年11月01日 (Wed)
Trick or treat!ハロウィンです~。



拍手お返事
パールさん
お久しぶりです~
八雲の仮装。一応決めてたんですが、楽さん宅のTOP絵を見て今揺らいでます。うおー。どうしよう(笑)
奈緒と晴香はもう決定してますよ。欲を言えば着せ替え人形状態に指定所ですがね(笑)


さて、八雲の衣装。悩みながらハロウィン話。




Halloween~当日~





「いやぁ。やっぱり奈緒は何を着ても可愛いねぇ。」
居間からそんな声が八雲の耳に入る。察するに、すでに着替えは終わったようだ。
「写真を撮ろうか。晴香ちゃんも一緒に」
そう声がするとシャッターを切る音が2、3度聞こえた。
「晴香ちゃんも、よく似合っててよかったよ。サイズも合ってるようだしね。」
底心、嬉しそうな一心の声。
「一心さん。お願いしてたものはどこに?」
何故一心が晴香のサイズを知ってるのかそれが今の八雲にはとてつもなく気になった。
「あぁ。洗面所だよ」
それを問いただしたい事と、2人がどんな格好をしているのかを見たい願望はある。だが…
「じゃぁ、ちょっと行ってきますね。」
パタパタと廊下を走る音が八雲の耳に届いた。
ふぅっと…ため息を付いて、八雲は鏡に映った自分の姿をまじまじ見た。
なんというか、この衣装を選んだ叔父さんが憎い。
数ある衣装の中でなんでこれを選んだのか!それも問いただしたい。
だが、自分から出て行くのは相当な勇気がいる。
「八雲。そこに居るのは分かってるんだから。早く出てきなさい」
八雲の心の中を見透かしたように一心が声をかける。
「…叔父さん。何でこの衣装にしたんですか?」
「似合うと思ったからに決まってるだろう?」
「……怨みますよ。」
「おぉ、怖い怖い。」
まったく怖がってなさそうにそう言う一心。それと同じぐらいにそろっと襖が開いた。
「わぁっ!八雲お兄ちゃん凄い!」
目をキラキラさせて走り寄ってくる奈緒。
「奈緒…」
苦笑気味に奈緒のタックルを受け止める八雲。
奈緒は可愛らしいオレンジを基調とした衣装を着ていた。
おそらくかぼちゃがモチーフなんだろう。所どころに黒と緑のレースが見える。
いかにも、な衣装だがよく似合っている…と八雲は思った。
贔屓目に見なくても奈緒は可愛い。一心が溺愛してるのも分かる。
「出てきなさい、八雲。」
一心の言葉と、奈緒に手を引かれて八雲は居間へと移動した。
「ほうほう。なかなか…」
八雲の格好を見てにやりと笑う一心。
「………。もうちょっとまともなのはなかったんですか?」
「充分まともじゃないか。ねぇ?奈緒」
「うん!八雲お兄ちゃん。すっごい似合ってる!」
奈緒に言われてはあまり強く反論できないのが痛いところ。
「…………。」
反論の変わりに頭をがりがりかく八雲。かなり不貞腐れている。
そんな八雲の耳にパタパタと足音が聞こえてくる。
それが何の音か分かっている八雲は逃げるのを観念して(というか、奈緒が手を握っていて逃げられない)そちらに顔を向けた。
それと同時にひょっこり、晴香が出てきた。
ウィッチハットをかぶってるところから魔女なんだろう。
黒が基調でリボンやレースにワインレッドや白が使われている。
露出度は少ないのでこれは八雲としてはありがたいのだが…。
スカートの丈が左から右に行くにつれ短くなっていっている。右足においては彼女が普段はかないほどの膝上丈だった。
これはあまり目によろしくない。
が、八雲を渋い顔にしてるのはそれが原因ではない。
「八雲君。可愛いーっ!!」
八雲の観察は晴香のその声で終わりとなった。
妙に目がキラキラしている晴香。
一心はにやりともにこりとも取れる笑顔を浮かべている。
「……………。」
晴香の声が大きいのも手伝ってか先ほどまでの渋い顔はどこへやら、八雲は意外な反応にぽかんとしている。
「すごーい。可愛いー本物みたい~。」
まるで子どものような反応をよこす晴香。
「………。」
「触っていいよね?すごーい!ふさふさ~。」
そういいながら八雲の頭を…正確に言えば頭に付いているものを容赦なく撫でる晴香。
妙にハイテンションの晴香にあっけに取られる八雲。
「あ!尻尾もあるんだ。可愛い~。これならあんまり怖くないね、奈緒ちゃん」
途中から声と共に尚に話しかけてたのか。
「うん!」
と奈緒が満面の笑みで頷いた。
「…ずれるから、いい加減止めろ。」
尚も八雲の頭を撫で続けていた晴香にそう言う八雲
「あ。カチューシャなんだ?大丈夫ずれたら。私が、治してあげるから」
にっこりとどうにも毒気の抜かれる笑顔を向けられる。
「あ、手もすごーい。ちゃんと肉球があるー。」
ふにふにと肉球を触る晴香。
「そもそも、狼男に肉球なんてあるのか?」
そう、八雲のしている仮装は狼男だった。いや、猫人間といった方が正しいのかもしれない。
というのも八雲は狼男と聞いて連想するようなマスクなどはつけておらず、耳と、尻尾と手袋をつけているだけなのだ。あとあるとすれば、若干犬歯が長くなってる程度、まさに猫人間!である。
「…どうにも悪意を感じるんですがね。叔父さん?」
「気のせいだよ八雲。さて、私はそろそろ出かけるとするよ。」
飄々とそう言っていつの間に準備していたのか荷物を持って立ち上がる一心。
「あ。はい。」
「待ち合わせは予定通りの場所で。それじゃぁ、奈緒をお願いします。」
「はい。」
奈緒がとことこと、一心を見送るために玄関へ歩いていく。
「ちょっと待て!」
危うく晴香と一心が作る激流に流されそうになっていた八雲だったがここでようやく自己主張のチャンスが出来た。
奈緒に続こうとした晴香の腕を手袋をしたまま捕まえる。
「?どうしたの?」
「君は一体どういうつもりなんだ?」
苦虫を噛み潰したような表情でもあり、どこか悲しげに感じる表情をして八雲が問う。
「?」
なにが?と言いたげに首をかしげる晴香。帽子が少し傾いた。
「なんで君までコンタクト入れてるんだ!?」
晴香のその赤く染まった目を真正面から見る八雲。
向き合えば同じ方向。つまり晴香は右目に赤いコンタクトを入れていた。
「だって、ハロウィンじゃない。」
「それとこれとどう関係あるんだ!」
「私が、こうしたいの」
八雲の視線をちゃんと受けとめて、晴香がそう言う
「今日は、赤い目出しても大丈夫だよ?仮装だもん」
「…。君は…」
八雲が何かを言おうとして口を噤んだ。
「おそろいだから…ね?大丈夫だよ?」
「………。」
暫く晴香をじっと見つめていた八雲だったが不意に手袋を晴香によこした。
「?」
「……外してくる。」
人間の手で眼球に触れながらそう言う八雲。
「うん。」
にこりと笑って。狼…いや、やはりどう見ても猫の手袋を預かる晴香。

そこに現れるふとした出来心。右手にそれを嵌めてみる。
暫く肉球を突いていた晴香だったが。
「にゃ~。…なんちゃって。」
くりんと指にあたる部分をまげて招き猫のようなポーズをとる。
「…。何してるんだ。」
「やっ!?八雲君っ!?」
見られるだろうなと思っていたが、いざ見られたら気恥ずかしい。
「行くぞ。そろそろ時間だ」
そう言うと居間の電気を消してしまう八雲。
「あ。待ってよ!」
八雲の後に続いて晴香も家を出た。
時刻は丁度6時半だった。




「トリックオアトリート!」
子ども達の片言の英語があちこちから聞こえてくる。
晴香はそんな子ども達の声を聞きながらのんびり歩いていた。
時間はすでに8時を過ぎたところ。
奈緒は一心が迎えに来たため今は八雲と晴香の二人きり。
一心が吸血鬼の格好をして迎えに来たときは一瞬誰だかわからなかった。
「仮装だからね。」
と楽しそうに帽子の下で笑った一心。
そのときの八雲の顔がおかしくて、思い出してまた笑ってしまった。
「…何を笑ってるんだ?」
怪訝そうな顔で訊ねる八雲。
「ううん。なんでもない。」
全然説得力のない言い方だったが、八雲はそれ以上追求しなかった。
歩くたびに八雲の尻尾がゆらゆら、耳がひょこひょこ揺れる。
「その…」
急に八雲が口を開いた。
「なに?」
少しだけ前を歩く八雲の顔を覗きこむ晴香。
「……ありがとう。」
その視線から逃げるようにそっぽを向いてそう呟く八雲。
「え?」
「……。少し、休もう。大分歩き通しだ。」
八雲はそう言うと通りから外れて小さな公園へ入った。
遅れないように晴香も続く。
公園の隅にあるベンチに腰を下ろす八雲、晴香も隣へ落ち着く。
「ねぇ。さっきのありがとうって…?」
八雲が口を開く様子がないので晴香から訊ねる。
「…コンタクトの事、だ」
街灯に照らされて赤く発光するその瞳。
八雲の言うように、今日は2人を奇怪な目で見る人は居なかった。
「大丈夫…だったでしょ?」
にこりと笑う晴香。


ほんとに変わってると思う


だが


それが僕にとって


どれだけの救いになっただろうか。




「あ、奈緒ちゃんにお菓子あげるの忘れてた。」
急に大きな声を出す晴香。
「…持ってきてたのか?」
「うん。…っていうか一心さんの家に置いてきちゃった。」
「どうせ、荷物があるんだ。いいだろ。」
「そうだね…。」
それだけ言ってあ!っと何かを思い出したような声を上げる。
「?どうした?」
晴香の表情の早変わりを見て笑いながら八雲が問う。
「八雲君。Trick or treat!」
にこりと笑ってそう訊ねる晴香。
一瞬きょとんとして…それからにやり…と笑う八雲。
「お菓子は持ってないけどな…。どんなお菓子より、甘いものをやるよ。」
猫の手じゃ頬に手を添えられないため、晴香の身体をベンチの背もたれに押し付けてから、赤い唇に己のそれを押し当てた。
晴香の首に巻いたチョーカーより赤くした頬を見ながらゆっくり目を閉じた。


「Trick or treat…?」


目を開けた晴香に、今度は八雲が今までに聞いた事がないほど甘い声でそう訊ねた。
いつ外したのか、人間の手で晴香の頬を撫でる。


「treat…….」


八雲の頭に腕を回して、今度は晴香から口付けた。





「ご馳走様。甘かった…な。」

「もうっ…。」


顔も瞳も赤い2人がそこに居た。



END


後藤さんと石井さんは…
警備って名目でこれに参加してるといいよ(笑)で、八雲が後日からかわれる…と(笑)
イメージ的に石井さんはミイラ男、後藤さんはフランケンシュタインなんですけどいかが?(笑)



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