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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2006年10月05日 (Thu)
この前騒いでたネクタイの服。
私が着ると、なんかの某喫茶店の姉ちゃんみたい、首から下が。
いや、イメージですけど(笑)

どうも、一生に一度は男装してみたい古谷です(笑)
髪の毛切ったし。やろうと思えば出来そうですが…ねぇ?(爆)

都会なんだから、ハロウィンとかで仮装行列とかしないかな~。
あるとしたら、…ゴスロリか、男装かしたいです。
似合う似合わないは別として(汗)

とまぁ、相変わらず妄想炸裂ななかで(爆)
拍手お返事


連城さん
イチャイチャフォーエバー(何)
ども、こんばんは~(笑)
あぁ、言われます!言われますとも!前々からそれは、否定していましたが生理学勉強してからさらに否定出来るようになりましたよ!(笑)
迷信だって皆分かってるのに、何で言うんでしょうかね?

そしてそれ、聞いた事はあるんですが…分かりません(苦笑)


今日のは暗いです。

まだ寒い3月。明政大学の卒業式が行われた。


一足早い春を告げるような、笑顔、笑顔、笑顔。


珍しくスーツなんか着てた八雲。

私の振袖姿をまじまじ見て
「…君にしては似合ってるじゃないか」
って言った八雲。


別れ際に私に向けてはっきり言った。
「また、明日…な」
ホンの少し、まぶしそうに目を細めて…。
「うん。また明日。」
「…あぁ。」
そう言ってからくるりと背を向ける八雲


それが、八雲が初めてついた嘘…




また明日…って言ったのに…。
その場所に、八雲はいなかった…。

あったのは茶封筒に入った…見慣れた文字で書かれた手紙だけ。



それから、もう3日経とうとしている…

「晴香、ご飯できたわよ」
寝室のドアを開けそう声がかかる。
他でもない、恵子だ。
大学の卒業式に参列してからずっとここに泊まっている。
「………。」
だが、ベッドに寝ている晴香はそれに答えたくなかった。
「晴香?寝てるの?」
恵子の声が近づいてくる。
「…起きてるよ…」
母親にタヌキ寝入りは通用しないのは分かっている。
仕方なく晴香はそう返事をした。
「いい加減、ご飯食べなさい。…もう大分食べてないんだから。」
「欲しくない…」
「欲しくなくても食べるの。」
晴香が包まっている掛け布団を剥いでそう言う恵子。
晴香は、携帯電話と置いて茶封筒を胸に抱えるようにしてベッドの中で丸まっていた。
「……………。」
「ほら。起きなさい。」
晴香の身体を抱き起こしてベッドの上に座らせる。
「……なんで。」
ゆっくり晴香の唇が動く…。
「?」
「…なんで、いなくなっちゃったんだろ…?」
いつものように元気のある声ではない…。
「晴香…。」
「…また明日って言ったのに…っ…。」
ぎゅっと…それらを抱きしめる。
「もっと話したい事あったのに……なんで?」
「…晴香。」
そっと晴香の頭を撫でる恵子。
「なんで?…なんで…なんで?…なんでなの?」
壊れたレコードみたいに同じ言葉を繰り返す。
「…何で黙っていなくなるのよっ…。八雲君の馬鹿っ!」
この3日間食事はもちろん、水分補給もろくにしていない。
なのにまだ、涙が溢れてくる。
「ばか…ばかっ!!」
握り締めた手を枕に叩きつけ、枕に顔を埋めるようにして蹲る。


まだ、同じ時間をすごせると思っていたのに…。
「また明日」はそれの了解だと思っていたのに…。

それを打ち破ったのは他でもないこの手紙。
手紙に書いてあったのは、ただ一言



【 ありがとう 】




消えた理由も書いてなければ、行き先も書いてない。

5文字だけ書かれた便箋。

別れの手紙にしては短すぎるもの。
普通なら、うそ臭いと疑うところだがその短さが逆に不安を煽った。
八雲が書きそうな手紙だ…と。

こんな時、八雲は余計な事を書かずに一番伝えたいことだけを書くような気がした。
いつも、説明が足りてないのが一つの理由。
もう一つは、あれこれ書いて余計な心配を掛けさせたくないから…。
そんな、嫌な想像が沸き起こる。
「晴香。いい加減認めなさいよ」
「……?」
「…八雲君が好きだって。」
「そんなの…とっくに分かってるよ!」
喚くようにそう言う晴香。それに対し、えっと意外そうな声が聞こえてくる。
「…好きだから…こんなにも苦しいんじゃない!」
二度目なのだ…八雲が消えたのは。
「あのときより…ずっと苦しい…」
蹲ったまま服の上から心臓を掴む晴香。
「今回は、探しに行こうとしないの?」
恵子の手が晴香の背中をゆっくり撫でる。
「どんな顔して合えばいいのか…わらない…」
「そんな顔でいいわよ。それで、どれだけ苦しかったか。ちゃんと言えばいいのよ。」
「……」
「八雲君は優しい子だもの。晴香の気持ち、ちゃんと分かってくれると思うわ。」
そういいながら、晴香の身体を起こす。
「とにかく。今日はご飯食べなさい。」
「…うん。」
コクリと頷いてそろそろとベッドから降りる。
それを待っていたかのように固定電話が鳴り始める。
「あら、珍しいわね。お粥作ってあるから、食べてなさいね。」
そういいながらリビングの電話にでる。
「はい。小沢です。…なんだ、お父さんか」
なにか不満そうに言い返されたのかけらけら笑う恵子。
「え?…それほんとなの?」
驚いた声を出す母親を見ながら、テーブルの上のお粥に向き合う晴香。
お茶を一口含むとすーっと…身体をが冷えていくのを感じる。
「うん。…うん……。はいはい、分かったわ。近いうちに戻るから。」
そう言うと、ガチャンと受話器を置く恵子
「…お父さんから?」
晴香とテーブルを挟んで座る恵子。
「そう。お父さんからでね。八雲君が家に来たって言ってたわよ」
「え…?」
レンゲを持つ晴香の手が止まった。
「ひどい怪我してたみたいだから病院に連れて行ったって。」
「それいつ?いつのことっ!?」
テーブルから身を乗り出して恵子に訊ねる。
「今日のお昼ぐらいだって言ってたわね。今病院から帰ってきたって。」
「お母さんっ!」
「明日の朝一ね。」
にこりと笑って晴香を見やる恵子。
「うん。」
「じゃ、しっかり食べなさい。それでしっかり寝なさい。準備はしておくから。」
「……ありがとう。」
椅子に座ってそう言う晴香。そして、粥を口に運ぶ。


また八雲に会える…


あの手紙の意味を八雲本人から聞ける。


そう思うと気分がいくらか軽くなった。

上手に聞けるか分からないけど…。



そして、聞いた後にちゃんと言おう。


あなたが、好きです…と



END


八雲は、何も言わずに決着つけに行きそうな気がします…


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