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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年11月15日 (Fri)
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2006年09月30日 (Sat)
「夜のピクニック」!見に行きたいよ~
行きたい~
でもどこに映画館があるのか知らない(爆)


昨日の、「斉藤寝具店で~す」
私的にヒットだったのにウケが悪かった………(苦笑)


さて、
眠いんでさっさとSSに(苦笑)

恋人設定




私の彼氏は

超が付くほど、素直じゃない。

付き合い始めて大分経つけど…

未だに、彼の口から
愛の言葉を囁かれたことはない。
名前も呼んでもらった事がない…

でも

超が付くほど、優しい。

些細なことでも気にかけてくれて

泣きたいときには胸を貸してくれる。

私の我侭に困った顔と皮肉を向けてからだけど、付き合ってくれる。


それで、私は充分

言葉で言ってくれなくても…

その分優しく抱きしめてくれる…

傍にいて、一緒に笑ってられる。

それだけで、充分。

言ってほしくないのかと聞かれればそれはもちろん言ってほしい

でも、多くは望まないだけ。

…あなたと、一緒に居られれば言葉なんて要らない…

なのに…


「?どうしたの」
本日3度目の晴香の問いかけ
「い、いや…なんでもない」
こちらも、本日3度目の八雲の返事。
「?」
「なんでもないといってるだろう。」
少し不機嫌そうにそう言うと本に目を落としてしまう。
「…変なの」
なんでもないなら不機嫌な顔して欲しくないのに…
晴香も手元に視線を落とす。そこにあるのは深い緑色の毛糸球と編み針。
そう、それはつい一昨日から編み始めたマフラーである。
八雲には、まだ早いだろう…と苦笑交じりに言われたが、冬はすぐそこだのんびりしていては出来上がる前に本格的な冬を迎えてしまう。
まだまだほんの7、8センチ程しかできていない、先は長い。
うんと長いマフラーを作って2人で使おうかな…などと考えながら編んでいく晴香はまた…視線を感じた。
ここに居るのは自分を除いてひとりなわけで…。顔を上げると八雲の視線とぶつかる。
バツが悪ように顔を背ける八雲
「…もう、なんなの?」
「……なんでもない。」
ひねくれで塗り固められているが、基本的に八雲は正直者なのだ…嘘は下手である。
そして、素直じゃない八雲はこちらから聞いても絶対に口を割らないだろうと…晴香は思った。
ため息を付いて再びマフラーに向かう。
「…そのままで聞け」
向かった途端そんな声が耳に飛び込んでくる
「へ?」
思わず八雲のほうを見ると
「…そのままで…と言っただろ。」
と、不機嫌そうな声とそれにぴったりの表情の八雲がっこっちを見ていた。
「……なんで?」
「なんででも…だ。」
いつになく焦ったように八雲が言うものだから、晴香は後で理由を聞いてやると胸に決めて、視線を落とした。
「……。」
暫くの沈黙が横たわった後で
「…君が、好きだ。」
と言う言葉がこぼれ出た。
「へっ!?」
当然、そんな事を言うとは思っていなかった晴香は妙な声と顔を上げた。

視線が、八雲とぶつかる。
見たことがないぐらい、赤い顔をした八雲が目を逸らさずに再び口を開く
「…晴香が…好きだ。」

またしても沈黙。
「ど…」
晴香が編み針を置いて立ち上がる。
「どうしたの八雲君?…熱?」
八雲の額にぺたりと手を当てる。
「……。僕を何だと思ってる?」
まだ赤い顔を怪訝そうにゆがめてそう言う八雲。
「だ、だって…今までそんなこと…」
「…だから…だ。」
赤い顔をさらに赤く染めて八雲がそう呟いた。
「……っ!!」
タックルをする勢いで八雲に抱きつく晴香
「!?…いきなりだな」
「だって、だって。始めてだもん。名前呼んでくれたのと「好き」って言ってくれたこと」
「……その…そろそろ。」
「?」
「…そろそろ…」
「そろそろ?」
「その…はっきりさせようと思って」
晴香の頭に手を置いてからそう話しだす八雲
「…何を?」
「…これからのこと。」
「?」
「…大学卒業したらここには住めなくなる。いや、そんなのは口実か…」
少し苦笑しながら八雲がそう言う。
「正直に言う。…もう君と、一時だって離れたくない」
「え?」
初めて聞く、八雲の熱い思い。
「だから…その、君さえよかったら…。」
それだけで晴香には充分だったのに追い討ちをかけるように言葉を紡ぐ。
「一緒に、暮らさないか?」
天にも昇る思いというのは、こういうのを言うんだろうな…っと…晴香は思いながら
「はいっ…」
頷きと共に返事をした。
「……よかった。」
ふぅっと…大きく意気を吐いて八雲が呟くように言う
「…それが言いたいためにさっきの言ったの?」
「それもあるが…。君と暮らすのを考えていたら……。その…言ってなかったと…思って。」
それから、そろりと…晴香を上目使いで見て
「…君は、言ってほしいんだろ?」
「……。それは、言ってくれないよりは、言ってくれた方が嬉しいけど…」
再びぎゅっと八雲を抱きしめる。
「私は…こうやってあなたに包まれてれば…それで充分…だよ。」
「…なんというか…欲がないな…君は。」
「なくなんてない。私だって…ずっと前から一時だって八雲君と離れたくないって…思ってた。」
「…そうか。…」
穏やかに笑みを浮かべて晴香を抱きしめる。
「だから…嬉しい。」
晴香の顔にも笑みがこぼれる。



八雲が荷物をまとめて晴香の部屋に転がり込んだのは
2日後のことである



END


いかん…。
寝てた…。
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