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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2008年11月30日 (Sun)
特に呟く事はないなぁ…。
あ、コタツにみかんネタ…やり損ねたなぁ…(苦笑)
いやいや…今からか…。
猫グッズ店…ネタ…うぅん……(ぶつぶつ)


拍手御返事

24日
拍手ありがとうございます!
そう、お互いをちゃんと理解しているのです!それで居て一緒にいるのが理想だと思うので、理想の夫婦になってもらいました♪
夫婦になっても晴香は八雲君だと思うし、八雲は君だと思うんですが…。
たまには名前で呼んでもらいました(笑)
コメントありがとうございました!


さて、久々の新栄学園。

LINK10. 教務課'S 志乃 八晴

だんだん表記↑が雑になってくる罠(笑)



「おはようございます。」
お昼前、秋山にそう声がかけられた。
「あぁ…山根さん。おはようございます」
「落し物はここですか?」
彼がそう言って取り出したのは掌に収まるぐらいの銀色の四角いもの。ライターだった。
「えぇ…お預かりします。これを書いていただけますか?」
そう言って秋山は遺失品を書くファイルを取り出した。
「ここにお願いします。」
ペンを差し出すと山根はそれを断って自分のポケットに入れていたボールペンで書き始めた。
「よ…秋山…君。電話。」
振り返らなくても誰かは分った。同じ部署の篠宮だ。
最初の「よ」は普段「嘉清君」とばかり読んでいるからついそう呼んでしまったんだろう。
「あ…それでは。」
「はい。お願いしますね」
それから彼が地下の資料室にいったのか、秋山に確認する時間はなかった。
「はい。教務課の秋山です。」
秋山が出た電話の先は率直の上司の山崎だった。

「さっきの人、誰?」
人の流れが一通り捌けたところで…真紀はそう秋山に声をかけた。
「え?篠宮知らないのか?山根さんだろ?」
「知らないわよ。少なくともこのフロアじゃない」
「でも、よく見るし職員の札かけてただろ…広報課?」
「それなら真琴のところで見たことあるはずでしょ?」
「だな…。…危機管理課とか?」
「それなら、霧島先輩。」
「………。」
考えてみれば大学で知り合ったの女性人が見事に学園内に配属されている。
篠宮は教務課
土方が広報課
井上は司書課
水沢は経理課
で、霧島先輩が警備部。
なんというか…。
どこで何をしても彼女達の情報網に引っ掛かりそうな気がして薄ら寒くなった。
「嘉清君、聞いてる?」
真紀にそう訊ねられるが秋山は答えを持っていなかった。
「そういわれれば……どこの人だろう…」
彼が出て行ったドアを見つめて呟いた……。





「お嬢様、本当に大丈夫ですか?」
大学の構内に着いて…最後の確認というように寛子が声をかけてきた。
「大丈夫です。」
安心させるように微笑んだけれど、実はまだ頭の奥が痛い…。
倒れたあと、すぐに意識は戻ったけれど…散々学校に行く事を止められた。
それをテストが近いからと押し切って…ようやく登校となった。
「ありがとうございます。終わったら連絡します。」
心配そうな寛子に笑いかけて…志乃はそういうとくるりと向きを変えた。
そうして中央棟のエレベーターに向かっていった。
車が走り去る音を聞いて志乃は携帯電話を取り出した。八雲に電話をするためだ。
家で八雲の携帯に電話をしたが出なかった…。
改めて、もう一度電話をかけてみたがやはり反応は同じで落胆する…。
電話番号は聞いたがメールアドレスは聞いていないのが、今になって悔やまれた。

志乃はエレベーターホールで冊子を広げた。
入学時に配られたキャンパスマップが書いてあるものだ。
中央棟の地下。資料室の文字を確認して…エレベーターの下向きボタンを押した……。



空気が…重い。まるで別世界みたい。
少しの息苦しさを感じながらドアを開けて部屋の中に入った…。
天井までの移動式キャビネットがあり一体何がそんなにあるのかというぐらい、ファイルが並んでいた。
志乃がたうのは4段が精々だ。とてもじゃないけど全て調べる事などできない。
それに、書架の間は車椅子が通れるスペースが確保されていなかった。
トイレや教室、図書館などは充分なスペースがあるけれど、ここまではそうは行かないのだろう…。
志乃はため息を付きながら向きを変えるため車椅子を動かした、
「………。」
奥の開けたスペースに…3台のパソコンがあった。
その中の1台、四角形の見慣れたロゴが画面を動いてる…スクリーンセイバー状態だ。
誰かが、ここにいたのか…それとも…一台だけ常にそうしているのかは…分らない。
志乃はパソコンに近付いてマウスを動かした。
スクリーンセイバーは解除されて検索画面が現れた。

右上に検索ボックスと『検索したい文献を選んでください』の文字。


手始めに検索ボックスで真田省吾と入れて検索をかける。
…検索結果は該当なしだった。

『検索したい文献を選んでください』

その下の文字にざっと目を通して目的の学生名簿の文字を見つけて…躊躇わずそれをクリックした。

『パスワードを入力してください。』

「……………。」
3度その文字を読み直してようやく理解した。人探しは、そう簡単には行かない。

だが考えてみればそれは至極当たり前のこと。
むしろ、パスワードさえ無かったらこの学園のセキュリティ担当者に異議申し立てしなければならないところだ。
…パソコンで管理するというのも、あまりいいとは思えないが…。
「ダークネス」
自分のものではない声がして…一瞬にして体が硬直する。
「パスワードだ」
慌てて振り向くと長身の男性がそこにいた。
「どなた…ですか…。」
間抜けだと思いながらそんな言葉が第一声だった。
「しがない通行人です。」
そう言ってコツンッと…靴を鳴らしながら部屋の中に入って来た。

『俺が女だったら、見知らぬ男と一緒は嫌だなって、思ったからさ。最近、物騒だし。』

昨日聞いた声が脳裏に蘇ってき、一瞬にして…嫌悪感が全身を支配した。
今朝見た夢を思い出す。普通の女性でも男性に力ずくで押さえられたら抵抗できない。

あたしは……。

「その…しがない通行人さんが何を?」
大丈夫、声は震えていない。気を確り持ってっと…自分にいい聞かせてその人の顔を見る。
「あなたこそ、足が悪いのにこんなところで何を?」
爽やかな笑顔だったが…鳥肌がゾクッと立った。もうだめだ。
「調べ物です。もう、終わったので失礼します。」
「お気をつけて。」
視線から逃げるように志乃はハンドリムを動かした。早く離れたい思いで…動かした。
すれ違ったとき…その男性がピクリと反応したことに志乃は気付かなかった。



エレベーターに1人で乗り込んで…はじめて安堵した…。
今まで逢った人の中にあんな人は居なかった
悪意を向けてくる人はいた。哀れみや、軽蔑の視線にも慣れている。
それでも…あの不快な視線は初めてだった。
何かは考えたくはない…。
腕の鳥肌はまだ引かないけれど…決して皆が優しいわけではないけれど…。
今は人ごみの中にいたかった。



晴香は映画研究同好会のまえで…2、3度深呼吸をした。
深呼吸をしても…今一歩の勇気が出ず…固まってしまっている状態だった。
ちなみに、入ろうとしたのはさっきので3回目。
次こそは…っ。
晴香は自分にそう言い聞かせて…ドアに手を掛けてから深呼吸をして…
「やぁ!」
精一杯の笑顔(少し引きつったかもしれないけど…)でドアを開けた。
いつもいる位置に八雲はいた。本を片手に眠たそう。
「……。君か」
あ、あれ?なんか八雲がおとなしい…。いつもの皮肉が飛んでこない。
「よく来たな。まぁ座れよ」
態度違うっ…。
思わず顔が引きつってしまったが…慌ててそれを直して勧められるがままに座った。
急に手に持っているお弁当が重く感じられた。
「何か用か?」
探るような視線ではない…普通のまなざしで見つめられてそういわれた。
調子が、狂うっ…。もっとこう、八雲君らしい反応してよ…っと
晴香は思わずにはいられなかった。
どんな顔して合えばいいのかわからなかったから…お弁当を持ってきたのに。
そこに行くまでにパンクしそうだった。
「うん。…その。お昼、食べた?」
「…もう、そんな時間か?」
八雲は時計代わりの携帯を取り出して…一瞬怪訝そうな顔をした。
電源が切られていた。
大方、目覚ましアラームをとめる時に強く押しすぎたんだろうっということで片付けた。
「食べてないよね…。」
「あぁ…まぁ、売店でパンでも……」
八雲の台詞の途中で晴香は黙ってお弁当を出した。
本当はジャーン!と言って出そうと思って居たのに、そんな軽く言えなくなった。
「?何だこれ」
「お、お弁当。」
「こんなに食べるのか?」
「ち、ち、違う!二人分なの」
「二人…?」
「うん…。」
「一人目は君として、二人目は誰だ?」
人差し指で晴香をさして八雲は止まった。
「…鈍感っ!八雲君に決まってるじゃない!」
「僕?」
「そうよ。」
真っ赤な顔して晴香がそういうと…八雲が立ち上がった。
「ち…ちょっと!どこいくの?」
「折角、天気が良いんだ…外で食べよう」
「え…?」
「何だ…?君は食べられない弁当を作ってきたのか?」
「違うわよ!」
少なくとも全部味見はした、大丈夫…なはず。
「ならいい。」
八雲は鼻で少し笑って…弁当を掴んだ。
「行くぞ。」
八雲がそういいながら…部屋を出ようと歩き出す。
「ありがとう…。」
「え?」
「ほら、行くぞ!」
聞き間違えじゃない。…八雲の顔が少し赤くなってる…。
「うん!」
満面の笑みを浮かべて晴香は八雲に続いた。
「どこいくの?」
「とっておきの場所教えてやる。」

夕方から雨の天気予報とは裏腹な…夏の日差しが溢れる廊下を2人は歩いていった。



LINK……。

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