ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
お久しぶりでッス!
いやー……。
暫く離れてるとアレですね。
八晴萌!再熱です。
やっぱり八雲は皮肉屋じゃなきゃね!!
あぁ!新栄学園が書きたい!!
さて…そんな呟きはいいとして……。
とら姉ちゃんこと、とらじまお姉ちゃんのサイトが50万HITだそうですよ!
もう知ってるよ!ってか遅っ!
ッという声が聞こえて来ますが(汗)
捧げモノには遠いですが!おめでとうございますと言うのが伝われば。
ってわけで、第八中学バレンタイン!
去年のチョコ風呂は…すみません(汗)まだ終わってません。
八雲→意地悪路線
晴香→ツンデレ路線
かな。
…何故かギャグ風味…ビターチョコレート的な(何)
いやー……。
暫く離れてるとアレですね。
八晴萌!再熱です。
やっぱり八雲は皮肉屋じゃなきゃね!!
あぁ!新栄学園が書きたい!!
さて…そんな呟きはいいとして……。
とら姉ちゃんこと、とらじまお姉ちゃんのサイトが50万HITだそうですよ!
もう知ってるよ!ってか遅っ!
ッという声が聞こえて来ますが(汗)
捧げモノには遠いですが!おめでとうございますと言うのが伝われば。
ってわけで、第八中学バレンタイン!
去年のチョコ風呂は…すみません(汗)まだ終わってません。
八雲→意地悪路線
晴香→ツンデレ路線
かな。
…何故かギャグ風味…ビターチョコレート的な(何)
理科準備室に戻って八雲は卓上カレンダーに目をやった。
「そうか…今週は13日の金曜日か…。」
授業後に聞こえた、ジェイソンという単語の意味がようやくわかって八雲は納得した
そして思った。イコール翌日、14日は土曜日。
小学生でも分る単純な計算。
「そうか、土曜日か…。」
口角を吊り上げて、八雲は不敵に笑い理科準備室を後にした。
14日はバレンタイン。
今年、さほどその話を聞かなかったような気がするのは、これが原因だろう。そう八雲は考えた。
14日がバレンタインだというのは知っている。だが、今週の事だとは思っていなかった。
そういえば、手作りどうのこうの…っという話を聞いたきがする。
大方、土曜日だから集って皆で作ろうっと言ったところだろう。
中学校の教師をやっていて思うのは…、女の子の「好き」という思いは凄まじい原動力になるという事
恋する乙女が強いと言ったのは果たして誰だったが…。
去年はその通りだと、ひしひしと感じてぐったりした記憶がある。
今年は昨年のような事態にはならないだろう。
それう思うと気が楽だった。
バレンタインなんて、菓子メーカーの販売戦略の一つに過ぎない
もらうのは、一人からで充分だ。
「斉藤先生…どうされましたか?ご機嫌ですね。」
職員室に入ると、佐々木にそう声をかけられた。
「いいえ、今週はジェイソンだなっと思いまして。」
普段の彼が使わないような敬語に首をかしげながらも、彼は何も言わずに職員室を出て行った。
八雲のその台詞に内心ドッキリしたのは他でもない晴香だった…。
別に…用意してないわけじゃないんだから。
ただ、折角の土曜日だから…今年は作りたいと思ってるだけ。
金曜日に材料を買って帰って作る。
ちゃんと考えてるから、大丈夫。
晴香はなんとなく感じる横からの視線に心の中で「ちゃんと準備してるから!」っと返していた。
ただそれは、無言のやり取りで相手がどこまで分っているのかは謎であったが……。
そんなこんなで金曜日。
やはり恋する乙女は強かった。
「さ、斉藤先生っ!」
基本学校へは持ち込み禁止なのに…よくやる…っと思いながら無下にあしらうわけにも行かず…。
結局数個のチョコレートをもらう羽目になった。
一瞬、土曜日に自宅まで押しかけてくる生徒の姿を想像したが…流石にそれは否定した。
そこまで住所をオープンにしていない。
日直だった晴香は、八雲より遅く学校を出た。珍しく、メールも電話も入っていない。
…ちょっと残念…なんて思ってない。
…思ってない。
自分の中で反芻して晴香は岐路に着いた。
家の近くのスーパーにより、食材を買い込んで家に帰った。
その玄関を開けるまで、部屋に電気がついていることには気がつかなかった。
「お帰り。」
「えっ!?」
誰だって、誰もいないはずの家に、明かりがついているだけで驚くのにその上お帰りと言われた日には…。
閉まったドアに張り付くぐらいは許される気がする。
「……何やってるんだ?」
しかもそれが…恋人で、その彼がエプロンをつけて…菜ばし片手に出てきたとなれば…。
座り込んでも仕方ないだろう。…目が点なのも…仕方ない。
八雲がいつものYシャツ、ジーパン姿に…エプロンをつけて立って居た。
完全オフモードで…眼鏡もなければコンタクトもない。
「おい、大丈夫か?」
ぶっきらぼうながらも八雲はそういい、玄関でへたり込んだ晴香に近寄って顔を覗きこんだ。
「さ、斉藤先生っ!?」
「斉藤、先生?」
ぴくっと…その形のいい眉が動き…眉間に皺がよった。
「さ、い、と、う、せ、ん、せ、い?」
そのままの表情でずいっと顔を近づけてきたのだからたまらない。
「や…八雲君…!」
そう言ってその身体を押しかえした。先生と呼ばれるのは…どうにも嫌らしい。
…いや、斉藤…がまずいのか…なんて事を考えていると八雲の声が振ってきた。
「…やればできるじゃないか。」
ふんっと…鼻で笑って八雲は晴香の荷物を手に取った。買物したものをいれたエコバックを…だ。
「いつまでそうしてる気だ?スーツが汚れるぞ」
そういうとすたすたと歩いていってしまった。
誰のせいよと思いながら…晴香はスカートをはらって家に入った。
「…明日の朝ご飯はスクランブルエッグだな」
晴香を見た八雲の第一声がそれだった。バッグの中から食材を出しているところ…。
見ると、卵が二つ割れていた。
「スクランブルエッグだけに緊急発進(スクランブル)したのか?」
またしても鼻で笑って、その二つをガラスの容器に移す八雲。
八雲はいつも一言多い。
「いいの!明日のケーキの材料にします!」
睨むように八雲を見て晴香はそう言った。
「ケーキね、もちろんチョコ味だな?」
最後に残った板チョコを二枚とも取り出して八雲はエコバッグを畳み始めた。
なんだか、手玉に取られてるようで悔しい。
「…大体、何で八雲君が私の家にいるのよ」
「何でって…随分な挨拶だな。折角夕食作って待ってたのに。」
「うっ…」
思えばいい匂いがする間違いなく、カレーの匂い…そういえば、ルーが残ってた…。
きゅ~っと…お腹が鳴ったのは…多分八雲には聞こえてない。
「く、来るなら来るって…言ってくれれば。」
「それじゃぁサプライズにならないだろ。」
サプライズが目的なら、大成功というコトになる。
「…さて。」
「?」
そんなことを思っていると八雲はこほんっと…わざとらしく咳払いをした。
「ご飯にする?風呂にする?…それとも…食べる?」
最後だけ妙に満面の笑みで言われて……八雲には悪いけど寒気がした。
「ご飯!」
叫ぶようにそう言って晴香は奥の部屋へ逃げるように入っていった。
「…相変わらず。」
面白い反応が帰ってくるな…。
そんなことを思いながら八雲はにやっと笑った。
食卓に並んだのはカレーにサラダ。…っと、インスタントのコーンスープ
ご飯が少量にパスタの上にカレーがかかっている。
「………。」
セッティングされたその料理を晴香は凝視した。
「…なんだ?」
「……変なもの…入れてないでしょうね?」
「例えば?」
リビングで向かいに座った八雲がそう聞き返した。
「…び、媚薬的なものとか…。」
「君は馬鹿か?そんなモノが簡単に手に入ると思うか?」
「……………思いません。」
「なら言うな。」
八雲ならやりかねんという反論は置いておく…多分、食事どころではなくなるから。
「…君がどんなものを想像してるか知らないが…チョコレートだって媚薬といわれてる。そういう意味では、入れたな。」
「は?」
「…隠し味にだよ。チョコレート。…コーヒーでもいいらしいが…時期だしな。」
生徒からもらった一部というのは言わぬが花である。
「………………。」
「いただきます。」
晴香が不信そうな目で見ている中、八雲は率先して口をつけた。
「……今日泊まる、の?」
それを見ながら晴香はとりあえず、一番気になっていることを問うた。
「こんな時間に料理を作るだけでノコノコ帰るとでも?」
…はい、そーですね…。
思ってませんよ、一応聞いただけで…。
誰に言うわけでもなく…晴香は心の中で呟いた。若干、口から漏れていたが…本人は気付いていない。
「嫌か?」
「え?」
「嫌なら帰るけど?」
にやっと笑った顔が鬼に見えた…。
「冗談だ、何があっても。帰ってやらない。」
カレーを口に運びながら八雲はそう言った。
「一飯の恩は一宿で返すわよ…。」
晴香がそういうと八雲は嬉しそうにそうか…っと言って笑った。
…こういう顔…するのは反則だと思う。
「何はともあれ…happy valentin」
「バレンタインは明日でしょ?」
「そうだが…。」
八雲はそう言って言葉を止めた、そうして身を乗り出して…晴香の耳にささやいた。
「甘い甘い、前夜祭だ。」
14日、午前11時……。
オーブンが稼動し始めた音を聞きながら…八雲はベッドの中にいた。
晴香が腕の中から逃げたのは一時間前。
それから覚醒はしているが起き上がってどうこうする気にはなれなかった。
彼女のベッドは気持ちがいい。
素肌に触れるシーツも、身体を包み込む香りも…好きだった。
エプロンを着けた…晴香がベッドへ戻ってきた。
「八雲君、ご飯…カレーでいい?」
「ん~…ご飯より…」
「却下。ちゃんとご飯食べて!もう、だらだらしない!」
そういうと布団を剥ぐ。当たり前といえば当たり前だが…現れたのは裸体。
「何で服着てないのよ!」
「自分でめくっておいてよく言う…。君が全部まとめて洗濯機へ入れたんだろ。」
「…いいからシャワーでも浴びてシャキッとしてきて!」
晴香はそういうとキッチンへ戻っていった。
やれやれ…。
八雲は口の中でそう呟いて…浴室へ向かって歩き出した…。
八雲が風呂へ行ったのを確認して、寝室のカーテンを開けた。
そうしてキッチンへ戻って昼食を作っている最中に…呼び鈴が鳴った。
「はい。」
そう言って玄関を開けると…私服の生徒がそこに居た。
「小沢センセ!」
っと…言われて驚いたあまりに固まってしまった。
「ど、どうしたの?」
「バレンタインだから。先生に」
袋で渡された…総勢7名からのプレゼント。
「あ…ありがとう…。」
っとしか…いいようがなかった…。
嬉しい反面…2人の関係を知られるわけにはいかない。
「感想は学校でね。」
続きの…帰ってちゃんと宿題するのよ?…の言葉の前に爆弾が振ってきた。
「晴香!服。」
「!」
このタイミングで言うか!
顔が引きつらないように必死に笑顔を作るだけで精一杯だった。
「先生…今の。」
「ご、ごめんね。呼んでるから。宿題、忘れないようにね。」
それだけ言うと…ドアを閉めた。
月曜日、気まずい…。
「…はーるーか?…服は?」
にやっと…笑ったのが分る言い方でそう言ったのは…他でもない八雲。
そうして後ろから晴香に抱きついた。服がないと言うだけあって…上半身は何も来ていなかった。
玄関を指差して八雲を睨む晴香だったが、八雲はどこ吹く風。
…だったが、晴香が手を抓ったところで降参というように離れて両手を挙げた。
だが、次の瞬間には晴香は抱きかかえられていた。
「…ちょっ!……」
抵抗する暇もなく、リビングへつれていかれ、ソファーに下ろされた。
「…傑作だ。」
くっくっと笑い声を抑えるように喉で笑って八雲はいった。
「…どういうつもり。」
「…こういうつもり。」
そういうとそのまま晴香に口付けて、ディープキスへ移行する。
「…目を離したらこれだからな。君から目が離せない。」
楽しそうに笑って唇を離した八雲だが、晴香は呼吸するのだけで精一杯。
「っ…なによ、それ。」
「…バレンタインは恋人の日。…僕意外は…見なくていいんだよ。」
不敵に笑って八雲は再び深いキスをした。
ケーキが焼きあがるまで、晴香は解放してもらえなかった…。
END
「そうか…今週は13日の金曜日か…。」
授業後に聞こえた、ジェイソンという単語の意味がようやくわかって八雲は納得した
そして思った。イコール翌日、14日は土曜日。
小学生でも分る単純な計算。
「そうか、土曜日か…。」
口角を吊り上げて、八雲は不敵に笑い理科準備室を後にした。
14日はバレンタイン。
今年、さほどその話を聞かなかったような気がするのは、これが原因だろう。そう八雲は考えた。
14日がバレンタインだというのは知っている。だが、今週の事だとは思っていなかった。
そういえば、手作りどうのこうの…っという話を聞いたきがする。
大方、土曜日だから集って皆で作ろうっと言ったところだろう。
中学校の教師をやっていて思うのは…、女の子の「好き」という思いは凄まじい原動力になるという事
恋する乙女が強いと言ったのは果たして誰だったが…。
去年はその通りだと、ひしひしと感じてぐったりした記憶がある。
今年は昨年のような事態にはならないだろう。
それう思うと気が楽だった。
バレンタインなんて、菓子メーカーの販売戦略の一つに過ぎない
もらうのは、一人からで充分だ。
「斉藤先生…どうされましたか?ご機嫌ですね。」
職員室に入ると、佐々木にそう声をかけられた。
「いいえ、今週はジェイソンだなっと思いまして。」
普段の彼が使わないような敬語に首をかしげながらも、彼は何も言わずに職員室を出て行った。
八雲のその台詞に内心ドッキリしたのは他でもない晴香だった…。
別に…用意してないわけじゃないんだから。
ただ、折角の土曜日だから…今年は作りたいと思ってるだけ。
金曜日に材料を買って帰って作る。
ちゃんと考えてるから、大丈夫。
晴香はなんとなく感じる横からの視線に心の中で「ちゃんと準備してるから!」っと返していた。
ただそれは、無言のやり取りで相手がどこまで分っているのかは謎であったが……。
そんなこんなで金曜日。
やはり恋する乙女は強かった。
「さ、斉藤先生っ!」
基本学校へは持ち込み禁止なのに…よくやる…っと思いながら無下にあしらうわけにも行かず…。
結局数個のチョコレートをもらう羽目になった。
一瞬、土曜日に自宅まで押しかけてくる生徒の姿を想像したが…流石にそれは否定した。
そこまで住所をオープンにしていない。
日直だった晴香は、八雲より遅く学校を出た。珍しく、メールも電話も入っていない。
…ちょっと残念…なんて思ってない。
…思ってない。
自分の中で反芻して晴香は岐路に着いた。
家の近くのスーパーにより、食材を買い込んで家に帰った。
その玄関を開けるまで、部屋に電気がついていることには気がつかなかった。
「お帰り。」
「えっ!?」
誰だって、誰もいないはずの家に、明かりがついているだけで驚くのにその上お帰りと言われた日には…。
閉まったドアに張り付くぐらいは許される気がする。
「……何やってるんだ?」
しかもそれが…恋人で、その彼がエプロンをつけて…菜ばし片手に出てきたとなれば…。
座り込んでも仕方ないだろう。…目が点なのも…仕方ない。
八雲がいつものYシャツ、ジーパン姿に…エプロンをつけて立って居た。
完全オフモードで…眼鏡もなければコンタクトもない。
「おい、大丈夫か?」
ぶっきらぼうながらも八雲はそういい、玄関でへたり込んだ晴香に近寄って顔を覗きこんだ。
「さ、斉藤先生っ!?」
「斉藤、先生?」
ぴくっと…その形のいい眉が動き…眉間に皺がよった。
「さ、い、と、う、せ、ん、せ、い?」
そのままの表情でずいっと顔を近づけてきたのだからたまらない。
「や…八雲君…!」
そう言ってその身体を押しかえした。先生と呼ばれるのは…どうにも嫌らしい。
…いや、斉藤…がまずいのか…なんて事を考えていると八雲の声が振ってきた。
「…やればできるじゃないか。」
ふんっと…鼻で笑って八雲は晴香の荷物を手に取った。買物したものをいれたエコバックを…だ。
「いつまでそうしてる気だ?スーツが汚れるぞ」
そういうとすたすたと歩いていってしまった。
誰のせいよと思いながら…晴香はスカートをはらって家に入った。
「…明日の朝ご飯はスクランブルエッグだな」
晴香を見た八雲の第一声がそれだった。バッグの中から食材を出しているところ…。
見ると、卵が二つ割れていた。
「スクランブルエッグだけに緊急発進(スクランブル)したのか?」
またしても鼻で笑って、その二つをガラスの容器に移す八雲。
八雲はいつも一言多い。
「いいの!明日のケーキの材料にします!」
睨むように八雲を見て晴香はそう言った。
「ケーキね、もちろんチョコ味だな?」
最後に残った板チョコを二枚とも取り出して八雲はエコバッグを畳み始めた。
なんだか、手玉に取られてるようで悔しい。
「…大体、何で八雲君が私の家にいるのよ」
「何でって…随分な挨拶だな。折角夕食作って待ってたのに。」
「うっ…」
思えばいい匂いがする間違いなく、カレーの匂い…そういえば、ルーが残ってた…。
きゅ~っと…お腹が鳴ったのは…多分八雲には聞こえてない。
「く、来るなら来るって…言ってくれれば。」
「それじゃぁサプライズにならないだろ。」
サプライズが目的なら、大成功というコトになる。
「…さて。」
「?」
そんなことを思っていると八雲はこほんっと…わざとらしく咳払いをした。
「ご飯にする?風呂にする?…それとも…食べる?」
最後だけ妙に満面の笑みで言われて……八雲には悪いけど寒気がした。
「ご飯!」
叫ぶようにそう言って晴香は奥の部屋へ逃げるように入っていった。
「…相変わらず。」
面白い反応が帰ってくるな…。
そんなことを思いながら八雲はにやっと笑った。
食卓に並んだのはカレーにサラダ。…っと、インスタントのコーンスープ
ご飯が少量にパスタの上にカレーがかかっている。
「………。」
セッティングされたその料理を晴香は凝視した。
「…なんだ?」
「……変なもの…入れてないでしょうね?」
「例えば?」
リビングで向かいに座った八雲がそう聞き返した。
「…び、媚薬的なものとか…。」
「君は馬鹿か?そんなモノが簡単に手に入ると思うか?」
「……………思いません。」
「なら言うな。」
八雲ならやりかねんという反論は置いておく…多分、食事どころではなくなるから。
「…君がどんなものを想像してるか知らないが…チョコレートだって媚薬といわれてる。そういう意味では、入れたな。」
「は?」
「…隠し味にだよ。チョコレート。…コーヒーでもいいらしいが…時期だしな。」
生徒からもらった一部というのは言わぬが花である。
「………………。」
「いただきます。」
晴香が不信そうな目で見ている中、八雲は率先して口をつけた。
「……今日泊まる、の?」
それを見ながら晴香はとりあえず、一番気になっていることを問うた。
「こんな時間に料理を作るだけでノコノコ帰るとでも?」
…はい、そーですね…。
思ってませんよ、一応聞いただけで…。
誰に言うわけでもなく…晴香は心の中で呟いた。若干、口から漏れていたが…本人は気付いていない。
「嫌か?」
「え?」
「嫌なら帰るけど?」
にやっと笑った顔が鬼に見えた…。
「冗談だ、何があっても。帰ってやらない。」
カレーを口に運びながら八雲はそう言った。
「一飯の恩は一宿で返すわよ…。」
晴香がそういうと八雲は嬉しそうにそうか…っと言って笑った。
…こういう顔…するのは反則だと思う。
「何はともあれ…happy valentin」
「バレンタインは明日でしょ?」
「そうだが…。」
八雲はそう言って言葉を止めた、そうして身を乗り出して…晴香の耳にささやいた。
「甘い甘い、前夜祭だ。」
14日、午前11時……。
オーブンが稼動し始めた音を聞きながら…八雲はベッドの中にいた。
晴香が腕の中から逃げたのは一時間前。
それから覚醒はしているが起き上がってどうこうする気にはなれなかった。
彼女のベッドは気持ちがいい。
素肌に触れるシーツも、身体を包み込む香りも…好きだった。
エプロンを着けた…晴香がベッドへ戻ってきた。
「八雲君、ご飯…カレーでいい?」
「ん~…ご飯より…」
「却下。ちゃんとご飯食べて!もう、だらだらしない!」
そういうと布団を剥ぐ。当たり前といえば当たり前だが…現れたのは裸体。
「何で服着てないのよ!」
「自分でめくっておいてよく言う…。君が全部まとめて洗濯機へ入れたんだろ。」
「…いいからシャワーでも浴びてシャキッとしてきて!」
晴香はそういうとキッチンへ戻っていった。
やれやれ…。
八雲は口の中でそう呟いて…浴室へ向かって歩き出した…。
八雲が風呂へ行ったのを確認して、寝室のカーテンを開けた。
そうしてキッチンへ戻って昼食を作っている最中に…呼び鈴が鳴った。
「はい。」
そう言って玄関を開けると…私服の生徒がそこに居た。
「小沢センセ!」
っと…言われて驚いたあまりに固まってしまった。
「ど、どうしたの?」
「バレンタインだから。先生に」
袋で渡された…総勢7名からのプレゼント。
「あ…ありがとう…。」
っとしか…いいようがなかった…。
嬉しい反面…2人の関係を知られるわけにはいかない。
「感想は学校でね。」
続きの…帰ってちゃんと宿題するのよ?…の言葉の前に爆弾が振ってきた。
「晴香!服。」
「!」
このタイミングで言うか!
顔が引きつらないように必死に笑顔を作るだけで精一杯だった。
「先生…今の。」
「ご、ごめんね。呼んでるから。宿題、忘れないようにね。」
それだけ言うと…ドアを閉めた。
月曜日、気まずい…。
「…はーるーか?…服は?」
にやっと…笑ったのが分る言い方でそう言ったのは…他でもない八雲。
そうして後ろから晴香に抱きついた。服がないと言うだけあって…上半身は何も来ていなかった。
玄関を指差して八雲を睨む晴香だったが、八雲はどこ吹く風。
…だったが、晴香が手を抓ったところで降参というように離れて両手を挙げた。
だが、次の瞬間には晴香は抱きかかえられていた。
「…ちょっ!……」
抵抗する暇もなく、リビングへつれていかれ、ソファーに下ろされた。
「…傑作だ。」
くっくっと笑い声を抑えるように喉で笑って八雲はいった。
「…どういうつもり。」
「…こういうつもり。」
そういうとそのまま晴香に口付けて、ディープキスへ移行する。
「…目を離したらこれだからな。君から目が離せない。」
楽しそうに笑って唇を離した八雲だが、晴香は呼吸するのだけで精一杯。
「っ…なによ、それ。」
「…バレンタインは恋人の日。…僕意外は…見なくていいんだよ。」
不敵に笑って八雲は再び深いキスをした。
ケーキが焼きあがるまで、晴香は解放してもらえなかった…。
END
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Re:お久しぶり!
SINさん。お久しぶりです!お元気でしたか?
お忙しいのは私も一緒で前回来ていただいたときより、殆ど作品が増えていないんじゃないかという状態です…(汗)
今年のバレンタインは、なにやら妙な感じで…激甘!っというわけではなかったのですが…八雲が八雲らしかったかなぁっと思っています
。
黒様が出てこない分甘いといえばそうかもしれませんね(笑い)
それでは。
次いらっしゃるときには少しは増えてるようにがんばりますね。
Re:はじめまして
瑠歌さん。
始めまして、ようこそいらっしゃいました~。
2年続けてバレンタインネタが第八中学なんですけれど(苦笑)喜んでいただけたようで嬉しいです。
次回…かけるとしたら卒業式か~ホワイトデーか~ですかね。
書けない可能性の方が…高いのでなんともいえないのですが(汗)
次回更新を気長にお待ちいただければと思います。
コメント、ありがとうございました!
始めまして、ようこそいらっしゃいました~。
2年続けてバレンタインネタが第八中学なんですけれど(苦笑)喜んでいただけたようで嬉しいです。
次回…かけるとしたら卒業式か~ホワイトデーか~ですかね。
書けない可能性の方が…高いのでなんともいえないのですが(汗)
次回更新を気長にお待ちいただければと思います。
コメント、ありがとうございました!
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