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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2006年11月26日 (Sun)
うおーーーっ!!あーーっ!あーーっ!!!(叫)
やっ君!かっこいいよ!っていうか、へそチラ!おへそ!!


(暫くその変をのた打ち回る…・笑)

 ども、いきなりハイテンションでお送りします古谷です。
というのものですね、表紙、発見しました。夢呂さん!そしてたわらさん。情報ありがとうございます!!
そのときの反応が↑なわけですよ。
例によって例のごとく、兄君に妙な目で見られましたが…気にしません!
アカツキさんが描かれる八雲はやっぱりかっこいいです(ぽやん)
というか店で騒いだらイタイ人になるんで(爆)家で心行くまで悶えてようと思います。
あぁ…、でも店でも悶えてるんだろうなぁ…(笑)

表紙がわかったら…今度は裏表紙が気になります(笑)
親父殿かな?私的にはもちろん八晴を期待したいところですが…。

いろんな期待をしつつ
『心霊探偵八雲6 失意の果てに』発売まであと5日!


「5は後藤さんの5だね」
「言うと思った。」
「えー。」
「君の考えていることぐらい分かる。単純だからな。」
「八雲君はいつでも一言余計なの!」
「おーまた痴話げんかか?」
「後藤さんこそ、またトラブルですか?」
「おう。」
「おうって…開き直らないでください。金取りますよ。」



表紙から想像。
痛い&暗いです。




ここにつれてこられてどれぐらいの時間が経ったのか。
ここがどこなのか
誰が私の世話をしてるのか
まったく分からないけれど…。
私は生きている。
五体満足で生きている…。
それだけは…分かる。



八雲君…。
思い出すのはこの人のことばかり…ではないけれど。
明らかに多くでてくるのはこの人。
私がいなくなったと知って…八雲はどうしてるんだろう?
きっとあの人の…優しいあの人のことだから
探してくれてるんだろう…。
それで、開口一番皮肉を言うに決まってる。

八雲……。
逢いたい…

「八雲…君」





それ、が僕には信じられなかった。
嘘だと、思いたかった…。
だが彼女の姿を
僕の右目は写してくれなかった・・・・・・・・・・

走った後のほうがまだましだと思うぐらいに
口の中は乾ききっていた。
「きみ……は…」
擦れる…声。
逆に、握り締めた掌にはじっとりと汗をかいている。
「なんで…そこに居る?」
左目でしかみえない・・・・・・・・彼女に向かって…そう問う。
答えなど分かっているはずなのに
認めたくない自分がここに居る。
『…八雲君』
何度やっても結果は同じ、

右目では見えずに左目で見える…。

つまり彼女は魂だけ・・・の存在になったということ…。

死んだ…ということ…

「……………。」
もう何も見たくなかった。
彼女が…死んだなんて、信じたくなかった。
『八雲君…』
耳慣れた声が聴こえてくる。
「………君は。」
そこに確かに彼女は居る。
笑って…立っている
『八雲君。…』
あの馬鹿みたいに能天気な笑顔で…僕を見つめてる。
不意に揺れるその姿。
炎のようにあっさりと掻き消えそうに…揺れる。
「行かないでくれ。」
擦れながらにもはっきり響いた声。
僕は君から沢山のものをもらった。
僕は君に何一つ与えられていない。
礼のひとつもまだ言ってない。
与えるだけ与えて、
僕からは何ももらわずに君は行くのか?
「…行くな。」
切な願いは届かずに、だんだん薄れていくその姿。
「晴香っ!」
初めて、その名を呼んだ。

君は嬉しそうに微笑んで

消えてしまった。


「っ……。」

じわりと…涙腺が緩むのが分かった。

だが、今は泣いている場合じゃない。

彼女がそこに居たと言う事はこの近くに身体があるはずだ、
早くそれを見つけたい。

そう自分に言い聞かせてごしっと目を擦る。

そして、走り出した。




なんだか不思議な夢を見ていた気がする
どんな夢か…覚えていないけれど。
八雲と出会えたような……そんな気がした。



ぎいぃっと…音を立ててその扉は開いた。
重い重い金属の音を立てながら。


暗い部屋に入ってくる光と、そこから伸びる人影

ようやく、目当てのものを見つけた

誰?
見間違いようもない、彼女の身体

逆光で顔は見えない
抜け殻…となった…身体。

でも…
そう意識すると身体が動かなかった

その赤い左目はは見間違いようもないあの人の目
もう、ここには居ないのだ…と
それを痛感させられるから…

それ自体が光を発しているような…その瞳は…。
それでも、僕は重い身体を引きずるように一歩を踏み出した



「やくも…くん」

――――――っ!

五体満足だけれども私の手足は動かない。
今の…声は…?

自分の手足が自分のものでないような…そんな状態。
僕が生み出した幻聴か?

ねぇ、だから…
「八雲…君」

早く…傍まで来て?
違う。幻聴じゃない。
そう認識するや否や、身体が勝手に動いていた

八雲が走りよってくる。
「無事なのか?」

抱き起こされて…
心臓の、鼓動を確かめた

「…八雲、君」

八雲の問いに答えるつもりでにこりと笑ってみせた。

さっき見た笑顔とそのまま同じものがそこにある

八雲の腕は、温かかった。
生きてる…

随分長い間体温を感じなかったせいか。
確かに生きてる

とても、安らいだ気持ちになれた。
…抜け殻じゃない。ここに居る

ぽとり…と…頬に感じる水滴。
「泣いて…るの?」

泣いて…居る?僕が?
意識した途端その涙は…堰切ったようにあふれ出した

落ちてくる涙の量は増える一方で…
同じ涙でも、さっき堪えた涙とは違う

身体が動かないのがもどかしかった。

これは、うれし涙なのだから…。

「…泣かないで?」

嗚咽に混じって、小さいけれど優しい声が耳に届く

「――か」

今までに聞いた事のないような弱弱しい呟き

愛おしい…とはこんな感情の事を言うんだろうと…不意に思った

「晴香…」
「…ここに、いるよ」


八雲の涙が止まるまでもう少しの時間が必要だった。




「…帰ろう」
八雲はそう言って晴香を抱き上げた。
「ん…。ここ、どこなの?」
「…そんなこと、気にしなくていい。」
それだけ言うと八雲は歩き出した。
「君が…無事で、よかった。」
「探しに来て…くれて、ありがとう。」
ゆっくり笑う晴香を見て八雲にも笑みが戻る。
「……逢いたかった。ずっと、八雲君に逢いたかった。」
そう、呟く晴香を見て八雲はすこし照れくさそうにしながら口を開いた

あぁ、そうか


「帰ったら…君に伝えたい事がある」

あれは幻覚でもなんでもない

「…うん。私も…八雲君に言いたいことが…あるの。」

確かにあの時彼女は魂だけ・・・の存在だったのだ

「聞いて…くれる?」
だが、死んではない

『ねぇ。生霊っていうのがいるのでしょう?
それは生きている人の魂ってことではないの?』


「あぁ。だが、まずは動けるようになってからだ。」

随分昔に交わしたような会話

「うん。」

まさにそれだったんだろう。あれは。

生霊であれ、霊は霊。

本質的な事は同じ…なんだろう



「……気が変わった。」

思いが強いほど見えやすい…か
「……逢いたかった。ずっと、八雲君に逢いたかった。」


「え?」

見る側の意思、意識が関係する…か


八雲が笑うのを晴香は不思議そうな顔で見ていた。

そう、僕も彼女に逢いたかったのだ

「…今、ここで…君に聞いてほしい…事がある」

もし、自惚れが許されるなら…

彼女は僕の望んだ返事をくれるだろう


END


シチェーションは聞かない方向で(笑)
そして八雲が聞いてほしいことも、ご想像にお任せします。








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