ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
なんか…すごい勢いで書上げてしまった(苦笑)
もう一人の自分がHP更新しろよ!拍手変えろよ!裏も書けよ!っとなだめていますが…どうなる事やら(笑)
波に乗ったら岸まで行き着かなきゃ止まらない。
波に乗りながらも…普通の八晴も書かなきゃな~っと頭のどこかで冷静に考えてる自分が居ます。
パロ苦手な方も居るでしょうしね…。
で、思いだしたのですが…前UPした盆休み晴香(+八雲)帰省中バカップル風味のお話…続きが消えたんですよねぇ…。(前の記事参照)
だらだらと話してただけでオチはないので…アレはあれで切りたい(笑)
あとね、第八中学。
実習生がやってきた!(仮)っと…例のあれとあれを書きたい。話は頭の中で出来てるんだ…(笑)
やっぱり絵の持つ力は偉大です…。
ってっ………っ!!!
ちょっ!…と、とら…とらじまさんっ!!
愛してますっ!!(何)
書くよ…書くよ…告白目撃…書かせていただきますっ!!
短編で捧げるほどのものにはなりませんが書かせていただきますっ!!
あぁ…落ち着いた(苦笑)
凄い爆弾が投下されました。これほどまでとは…。
すみません、これ書いてるとき(本編と拍手お返事は先に書いてるのをコピスペ)リアルタイムにメールが来たのです…。
あとは見ての通りです。(笑)
とらじまさん、愛してます(真剣)
拍手お返事。
刹那さん。
こんばんは!お久しぶりです~。&お帰りなさい!
真志~。自分で書いて自分でニヤニヤしっぱなしでした。
もう、どうしましょう…っというぐらい。
刹那さんにも気に入っていただけたようで!嬉しいです。
真志はあんまりエロスに走らないんですよね…私にしては珍しく…(爆)
兄妹でもいいから刹那さんちの真志が見たいです~っと叫んでみる。
むしろ…姉弟妹でも…(笑)この力関係好きだ!
最中で起きたら…どうしましょう(爆)
多分真田の腕の中でちっちゃくなってそうです。動くに動けませんし…
真田を起こしてどうこうする度胸はないと思うので(笑)
志乃は妹に欲しいですよねっ!同感です。可愛すぎるんだもの。
真田は怒りそうですが…。
怒りながら俺のモンだといわんばかりに志乃を抱きしめる真田と
抱きしめられてあたふたしてる志乃が見れればそれで満足です。(笑)
可愛いなぁ…(重症)
志乃の呼び方ご意見ありがとうございます!「さん」付けですか。
そういわれれば、真琴さんは「さん」ですよね…八雲(確か)
「志乃」だと晴香が不満言いそうですね(笑)
膨れる晴香も可愛いなぁ…(笑)
拍手ありがとうございました!
夏休み終わるまでに一回はお話したいですね!
22時
続けての拍手&コメントありがとうございます!
他の作品も読んでくださってありがとうございました!
昔の記事をみるとこんなのも書いたなぁっと思うほど、いろいろありすぎて把握しきれてません(苦笑)
新栄学園、そろそろ自粛して普通の八晴を書くようにしようかと思っていますので(笑)
そっちの方もお楽しみいただければと思います。
そして、創作頑張ってくださいね♪原動力は好きだっという思いです!(笑)
次の新栄学園、外伝的小ネタは「志乃の呼び方議論」で行こう(笑)
LINK5 真田 志乃 八雲 晴香(+綾香) 山猫&里佳子 後藤&さくら
いっぱいだ!(笑)盛りだくさんだ!
里佳子と公香姉さま、美雪姉ちゃんの会話の書き分けが出来る自身がない…(苦笑)
勝村と石井さんも然り。
ってか…本気で山猫の専攻何にしよう…。
特殊メイクORパティシエが有力候補…。
もう一人の自分がHP更新しろよ!拍手変えろよ!裏も書けよ!っとなだめていますが…どうなる事やら(笑)
波に乗ったら岸まで行き着かなきゃ止まらない。
波に乗りながらも…普通の八晴も書かなきゃな~っと頭のどこかで冷静に考えてる自分が居ます。
パロ苦手な方も居るでしょうしね…。
で、思いだしたのですが…前UPした盆休み晴香(+八雲)帰省中バカップル風味のお話…続きが消えたんですよねぇ…。(前の記事参照)
だらだらと話してただけでオチはないので…アレはあれで切りたい(笑)
あとね、第八中学。
実習生がやってきた!(仮)っと…例のあれとあれを書きたい。話は頭の中で出来てるんだ…(笑)
やっぱり絵の持つ力は偉大です…。
ってっ………っ!!!
ちょっ!…と、とら…とらじまさんっ!!
愛してますっ!!(何)
書くよ…書くよ…告白目撃…書かせていただきますっ!!
短編で捧げるほどのものにはなりませんが書かせていただきますっ!!
あぁ…落ち着いた(苦笑)
凄い爆弾が投下されました。これほどまでとは…。
すみません、これ書いてるとき(本編と拍手お返事は先に書いてるのをコピスペ)リアルタイムにメールが来たのです…。
あとは見ての通りです。(笑)
とらじまさん、愛してます(真剣)
拍手お返事。
刹那さん。
こんばんは!お久しぶりです~。&お帰りなさい!
真志~。自分で書いて自分でニヤニヤしっぱなしでした。
もう、どうしましょう…っというぐらい。
刹那さんにも気に入っていただけたようで!嬉しいです。
真志はあんまりエロスに走らないんですよね…私にしては珍しく…(爆)
兄妹でもいいから刹那さんちの真志が見たいです~っと叫んでみる。
むしろ…姉弟妹でも…(笑)この力関係好きだ!
最中で起きたら…どうしましょう(爆)
多分真田の腕の中でちっちゃくなってそうです。動くに動けませんし…
真田を起こしてどうこうする度胸はないと思うので(笑)
志乃は妹に欲しいですよねっ!同感です。可愛すぎるんだもの。
真田は怒りそうですが…。
怒りながら俺のモンだといわんばかりに志乃を抱きしめる真田と
抱きしめられてあたふたしてる志乃が見れればそれで満足です。(笑)
可愛いなぁ…(重症)
志乃の呼び方ご意見ありがとうございます!「さん」付けですか。
そういわれれば、真琴さんは「さん」ですよね…八雲(確か)
「志乃」だと晴香が不満言いそうですね(笑)
膨れる晴香も可愛いなぁ…(笑)
拍手ありがとうございました!
夏休み終わるまでに一回はお話したいですね!
22時
続けての拍手&コメントありがとうございます!
他の作品も読んでくださってありがとうございました!
昔の記事をみるとこんなのも書いたなぁっと思うほど、いろいろありすぎて把握しきれてません(苦笑)
新栄学園、そろそろ自粛して普通の八晴を書くようにしようかと思っていますので(笑)
そっちの方もお楽しみいただければと思います。
そして、創作頑張ってくださいね♪原動力は好きだっという思いです!(笑)
次の新栄学園、外伝的小ネタは「志乃の呼び方議論」で行こう(笑)
LINK5 真田 志乃 八雲 晴香(+綾香) 山猫&里佳子 後藤&さくら
いっぱいだ!(笑)盛りだくさんだ!
里佳子と公香姉さま、美雪姉ちゃんの会話の書き分けが出来る自身がない…(苦笑)
勝村と石井さんも然り。
ってか…本気で山猫の専攻何にしよう…。
特殊メイクORパティシエが有力候補…。
中央棟は学園の正門前に位置している。
この中央棟は真田が普段居るD棟からは遠い位置にある。
しかも中央棟の裏に駐輪場があるときたら…帰るついでに寄るのが妥当だ。
そんなわけで…帰る時間の少し前に、真田は部屋を出た。
就活の紙出して、それからバイト。
そう今からの予定を反芻して、駆け足で人ごみを抜けていく。
中央棟まで来た真田の目に…大学では見慣れないものが飛び込んできた。
車椅子。しかも女。
無意識のうちに駆け足が…早歩きに変わった。落ちそうになっていた帽子を直す。
いたるところにスロープや点字があって…福祉に力を入れている学校だというのは知っていた。
だが…実際にそう言う人を見るのは初めてだった…。
あそこで待っているっということは…エレベーターを待っているんだろう。
好奇心と…その容姿のせいか、いつの間にか目が離せなくなっていた。
女…っというには未熟で少女というのには大人びている。そんな印象を受けた。
見れば見るほど…よく出来た人形のようだった。
そう思う原因はきっと肌が白すぎるからだ。
今時珍しい…肩まで伸びた黒髪とのコントラストのせいか余計に白く見える。
それと表情がない。
うつむき加減で…目も伏せられている。
それだけ、他に表情といえる表情は読み取れない。
一体何を考えてるんだ…?
足は一定の速度で進んでいた、もう5メートルほどに近付いたが…分らない。
本当に…人形みたいだ…。
後ろに…男が立った。中肉中背の…普通の男。
なんだッ?と思う前に…その口元がにやっと歪んだ。
あいつはヤバイ。
本能がそう告げて…身体がそれに反応した。
ぐらりと揺れる車椅子。華奢な身体
間に合えっ!
そう思いながら腕を伸ばした………。
軽いが、確かに重みがあった。
掌から…震えが伝わってくる。
膝が痛いがそんなことはどうでもいい。
「お前ら…最低だな。」
ふつふつと…湧き上がってくる感情を押し殺して…そう言った。
複数形なのは周りの奴等も同罪だからだ。
弱者を狙うのは、自分が弱いと言っているようなもの。
自分が弱いからそれより弱いものを狙い、優越感に浸る。自分は強いのだと…自己陶酔する。
卑劣で…卑怯だ。
「何だよお前は!」
あぁ…だから…。
この子には…表情がないんだろうか…。
ずっとこんな目にあってきたんだろうか。
微かに強張っただけの表情を見て…
そんなことをもう一人の自分が考えていた……。
「名前なんてどうでもいいだろ。人として、よく平気でんな事ができるな。」
俺は、腸が煮えくり返りそうなほど頭にきてたけど…。
あたしに何ができるんだろう…。
家に帰ってからも…ずっとそのことばかり考えていた。
あなたは近いうちに死にます…なんて…言いたくない。
言ってしまえばそれが現実になってしまいそうな気がする…。
それに、言ったところで信じてもらえない…だろうとは思う。
現に…斉藤さん以外の人は誰も信じてくれていない…。
それでも…。
このままは嫌だ。
変わりたい。何かしたい。
ただ…運命に翻弄されて苦しむだけで終わりたくない。
足掻いてみよう……っと思った。
たとえそれが、無駄な事だったとしても…いい。
すればよかったと後悔することはしたくない。
知っているのに何もしないのは罪だ。
愛の対義語は無関心。
何故かそんな言葉を思いだした。マザー・テレサの言葉だ。
愛がどうのこうの問題じゃない…。
無関心になれる人間になりたくない。
他人だからと切って捨てる人間になりたくない。
あの笑顔を消したくない。
足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて………。
ノックなしにドアが開く音がした。
「志乃。」
その声はパパのもの…ノックせずに入ってくるのはこの人だけだ。
ゆっくり顔を上げた。
「学校へは行っているのか。」
「そんなこと、わざわざ聞きに来たのですか?」
他の人に聞けばわかることではないか。久しぶりの会話がそんなことなのか…
「無遅刻無欠席無早退です。」
「サキとはどうなんだ。」
サキは大学に行くようになってから、家に住み込みで働くようになった女性だ。
口頭で“サキ”だとしか紹介されてないから、それが名前なのか苗字なのか分らない。
それ以上の説明をしてくれないような父親。その程度の存在のあたし
パパが監視としてをつけたのは分っている。そして多分、友達ごっこをすることを望んでいる。
「よくしてもらっています。」
「それだけか。」
「他に何を言ったらいいのですか?」
パパにとってあたしは家の中で大人しく、何もせずに居るのがベストな状態なんだろう。
大学には居るのも反対したし、今でも辞めさせたいと思っているのだ。
あたしは、パパの人形じゃない。
「…今日は仕事、いいのですか?…」
いつも忙しいといって家には帰ってこないのに…。
皮肉を込めてそう言うと顔が歪んだ。
「もういい。」
そう吐き捨てるように言うと…踵を返した。
「…体には気を…。」
言葉の途中でバンッとドアが閉まった。
「………………………。」
所詮…血がつながって居るだけの存在だ。
家に居るほかのどの人も…家族じゃない。
あたしの家族はママだけ…。
心の中が…空っぽなのは…。
一体いつからだろう…。
君を守りたい。
その思いに嘘偽りはない。
八雲は晴香の家から次の目的地へ向かいながらそう考えていた。
それでも…はっきり事情を説明しなかったのは…悪かったと思う。
余計な心配をかけたくない。
それに…怯えさせたくない。
怯えて、ストレスを抱えて生活して欲しくない。
好きだ…っという思いは今は、置いておく。
恋人同士になったのだというのは表向きでいい。
それに囚われると…身動きが出来なくなりそうだから…。
自分の…保身のためでもある…。
雨の日、暗い場所(おそらく路地裏)着衣に乱れあり。
それが志乃が見た死に姿。 人物画に添えられていた文字…。
何を意味するのかはそれだけで充分だった。
身体の底で疼くものがある。
―先にお前がすればいいじゃないか。
―恋人同士になったんだ、何も問題ないだろう?
―そうしたいと思っていたじゃないか…。
煩い。
一喝してそれを押さえ込む。
根本的な解決になってない。
そもそも、それは逃げてるだけじゃないか。
させない
絶対に。
あいつの全てを…守ってみせる。
知らず知らずの内に握り締めた手を…意識してゆっくり離した…。
いきなりで…。
何がなんだか分らないまま過ぎたが…。
冷静になってよくよく考えると…
「私っ…告白されたんだよねっ!?」
それはそれでパニックになる…。
夜、店の手伝いも終わって順番にお風呂へ行こうというとき…。
気を抜いたら急に冷静に今日のことが思い出されてきた。
一人で赤くなったり悶えたりする様は…言ってしまえば変な人である。
それでも、そうしたくなる気持ちは分る。
そんなそぶりを見せなかった人が…アレだけ豹変したのだ…。
「夢じゃないよね…。」
思い出す端々がぼんやりとしていて…夢のようだった。
でも、額と…握られた手には……はっきりと感覚があった。
「八雲君……。」
呟いてみたら…なんだかますます恥ずかしくなって…布団に顔を押し付けた。
明日…どんな顔して合おう…。
「晴香。お風呂開いたよ。」
襖越しにそう声が聞こえてきた。いろいろシュミレーションをしていた晴香は返事が遅れた。
「!?う、うん!」
ついでに言うと声が少し裏返った。
「…どうしたの?」
襖が開いて、綾香が顔を出した。声だけでそれだけで異変に気付いたらしい。
「な、んでもない。」
「晴香…別に言えとは言わないけど…隠し事が下手な事は自覚してなさいよ。」
「……………。」
「お母さんも妙にニヤニヤしてたし…気づいてないのお父さんだけよ。」
「……………。」
「まぁ、それが晴香のいいところなんだけどね」
ふっと優しく綾香は笑った。
「相談事があるならいつでも言ってよ?双子なんだから…。」
「うん…ありがとう、お姉ちゃん。」
ようやく…晴香も笑った。それを見て満足そうに綾香も笑う。笑った顔はそっくりだ。
「どういたしまして。あ、そうそう明日も…私、遅くなるから。」
「…勉強大変なの?」
「そうじゃないけど…レポートやらなくちゃ。お店の事、よろしくね。」
「うん。」
「じゃぁ、おやすみ。」
「おやすみ、お姉ちゃん。」
姉と別れて晴香は風呂へ向かった。
「…………。」
風呂上り…自分の姿が鏡に映った。
「……。Cはあるもん!」
思わず叫んでしまって慌てて口を押さえる。
双子のなのだが…若干綾香のほうがプロポーションがいい。
「晴香ーあがったの?」
「ま、まだ!」
恵子の言葉に晴香は慌てて下着に手を延ばした…。
F棟には主に芸術学部の教授の研究室がある。芸術と言っても様々であるのは言うまでもない。
廊下を歩いていたその男性は、一つの教室に踏み入った。
教室というよりは、工房のような印象を受けるその場所。
「あ、猫センセ。」
その台の一つで作業していた男性がそう声をかけた。にゃ~お…っとふざけて猫の鳴きまねをすると笑われた。
ダミ声でとても可愛い猫の鳴き声ではないが…。
二階から飛び降りてもかすり傷一つなかったというのが本で猫っというあだ名がついた。
猫のクセに可愛い一面がないことから山猫とも呼ばれることもある。
他にもいろいろ伝説を持っているのは有名な話。
一癖も二癖もあるある意味有名な先生であるが…殆どの生徒は彼の本名を知らないだろう。
「教授殿はいるか?」
「先生は篭ってますよ。相変わらず」
そう言うと奥のドアを指差した。
「だろうな…。」
そう言うとすたすたとそちらに向かった。
「何しにきたの。今忙しいんだけど。」
ドアが開くなりそう声がした。
部屋の奥…黒のエプロンを着けた美女が居た。健康的に日焼けしているような横顔が見える。
顔さえ向けようとしないが訪問者が誰かは分っているんだろう。
「注文してたもんがあるだろ。」
「あんたね、いい加減ツケ払いなさいよ。」
作業していた木槌をそのままブン投げた。避けるまでもなく…木槌は外れて壁に当たって落ちた。
「お前が時間作ったらたっぷり払ってやるよ。」
にやっと笑いながら飛んで来た木槌を戻してやる。
「よく言うわよ。そっちが気紛れな猫のクセに」
ふん…っと鼻で笑いながらも木槌をもらう。
「これか?」
隅の机に乗っている四角い黒のケースを見つけて彼は空けた。
綺麗に並んで光沢を放っている。3×7の21本。
「1つだけ、ニセモノ。わかる?」
それ分ったら持って行っていいわよ。
っと…言うのが早かったか一本投げ込まれるのが早かったか…。
「いい腕してるよ。お前は」
パタンと蓋を閉めて、山猫はそのまま部屋を出て行った。
悔しいが…正解だった。
「後藤さん、夕飯買ってきました。」
学園に点在する警備室に…一人の女性が入って来た。
肩まである髪をヘアクリップで止めていた、その首筋にはうっすら汗をかいていた。外がどれだけ暑いかわかる。
「おう、さくら。ご苦労さん」
部屋に居てモニターを見ながら書類を書いていた男性がそう言った。
「どうなりました?」
「夜間の警備と、昼間の巡視を増やす事になった。」
「…そうですか。」
痴漢、窃盗、盗撮、恐喝、宗教団体の勧誘等……。
平和そうに見える学園でも水面下にはそんな問題を抱えている。
現に今日、図書館での盗撮被害が報告された。
「警察沙汰になるのも、時間の問題だな。」
「………。」
自分が学生の頃はそんなことがあるとは思わなかった…。出来ればそうなって欲しくはない。
「大学生にもなって…善し悪しの区別もつかないなんて…情けない。」
「最近の若いのは皆そんなもんだ。それより、飯にしよう。」
「はい。」
コンビニの袋を開けて弁当を取り出す、後藤。
さくらはお茶は備え付けの冷蔵庫に入っているお茶を出して使っていたコップにそれぞれ注ぐ…。
ラジオから流れてくる連続窃盗事件、今朝起きた駅での傷害事件、指定暴力団の家宅捜索。
そんな暗いニュースをBGMに…適当な会話をしながら弁当を突いた。
LINK5…
この中央棟は真田が普段居るD棟からは遠い位置にある。
しかも中央棟の裏に駐輪場があるときたら…帰るついでに寄るのが妥当だ。
そんなわけで…帰る時間の少し前に、真田は部屋を出た。
就活の紙出して、それからバイト。
そう今からの予定を反芻して、駆け足で人ごみを抜けていく。
中央棟まで来た真田の目に…大学では見慣れないものが飛び込んできた。
車椅子。しかも女。
無意識のうちに駆け足が…早歩きに変わった。落ちそうになっていた帽子を直す。
いたるところにスロープや点字があって…福祉に力を入れている学校だというのは知っていた。
だが…実際にそう言う人を見るのは初めてだった…。
あそこで待っているっということは…エレベーターを待っているんだろう。
好奇心と…その容姿のせいか、いつの間にか目が離せなくなっていた。
女…っというには未熟で少女というのには大人びている。そんな印象を受けた。
見れば見るほど…よく出来た人形のようだった。
そう思う原因はきっと肌が白すぎるからだ。
今時珍しい…肩まで伸びた黒髪とのコントラストのせいか余計に白く見える。
それと表情がない。
うつむき加減で…目も伏せられている。
それだけ、他に表情といえる表情は読み取れない。
一体何を考えてるんだ…?
足は一定の速度で進んでいた、もう5メートルほどに近付いたが…分らない。
本当に…人形みたいだ…。
後ろに…男が立った。中肉中背の…普通の男。
なんだッ?と思う前に…その口元がにやっと歪んだ。
あいつはヤバイ。
本能がそう告げて…身体がそれに反応した。
ぐらりと揺れる車椅子。華奢な身体
間に合えっ!
そう思いながら腕を伸ばした………。
軽いが、確かに重みがあった。
掌から…震えが伝わってくる。
膝が痛いがそんなことはどうでもいい。
「お前ら…最低だな。」
ふつふつと…湧き上がってくる感情を押し殺して…そう言った。
複数形なのは周りの奴等も同罪だからだ。
弱者を狙うのは、自分が弱いと言っているようなもの。
自分が弱いからそれより弱いものを狙い、優越感に浸る。自分は強いのだと…自己陶酔する。
卑劣で…卑怯だ。
「何だよお前は!」
あぁ…だから…。
この子には…表情がないんだろうか…。
ずっとこんな目にあってきたんだろうか。
微かに強張っただけの表情を見て…
そんなことをもう一人の自分が考えていた……。
「名前なんてどうでもいいだろ。人として、よく平気でんな事ができるな。」
俺は、腸が煮えくり返りそうなほど頭にきてたけど…。
あたしに何ができるんだろう…。
家に帰ってからも…ずっとそのことばかり考えていた。
あなたは近いうちに死にます…なんて…言いたくない。
言ってしまえばそれが現実になってしまいそうな気がする…。
それに、言ったところで信じてもらえない…だろうとは思う。
現に…斉藤さん以外の人は誰も信じてくれていない…。
それでも…。
このままは嫌だ。
変わりたい。何かしたい。
ただ…運命に翻弄されて苦しむだけで終わりたくない。
足掻いてみよう……っと思った。
たとえそれが、無駄な事だったとしても…いい。
すればよかったと後悔することはしたくない。
知っているのに何もしないのは罪だ。
愛の対義語は無関心。
何故かそんな言葉を思いだした。マザー・テレサの言葉だ。
愛がどうのこうの問題じゃない…。
無関心になれる人間になりたくない。
他人だからと切って捨てる人間になりたくない。
あの笑顔を消したくない。
足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて………。
ノックなしにドアが開く音がした。
「志乃。」
その声はパパのもの…ノックせずに入ってくるのはこの人だけだ。
ゆっくり顔を上げた。
「学校へは行っているのか。」
「そんなこと、わざわざ聞きに来たのですか?」
他の人に聞けばわかることではないか。久しぶりの会話がそんなことなのか…
「無遅刻無欠席無早退です。」
「サキとはどうなんだ。」
サキは大学に行くようになってから、家に住み込みで働くようになった女性だ。
口頭で“サキ”だとしか紹介されてないから、それが名前なのか苗字なのか分らない。
それ以上の説明をしてくれないような父親。その程度の存在のあたし
パパが監視としてをつけたのは分っている。そして多分、友達ごっこをすることを望んでいる。
「よくしてもらっています。」
「それだけか。」
「他に何を言ったらいいのですか?」
パパにとってあたしは家の中で大人しく、何もせずに居るのがベストな状態なんだろう。
大学には居るのも反対したし、今でも辞めさせたいと思っているのだ。
あたしは、パパの人形じゃない。
「…今日は仕事、いいのですか?…」
いつも忙しいといって家には帰ってこないのに…。
皮肉を込めてそう言うと顔が歪んだ。
「もういい。」
そう吐き捨てるように言うと…踵を返した。
「…体には気を…。」
言葉の途中でバンッとドアが閉まった。
「………………………。」
所詮…血がつながって居るだけの存在だ。
家に居るほかのどの人も…家族じゃない。
あたしの家族はママだけ…。
心の中が…空っぽなのは…。
一体いつからだろう…。
君を守りたい。
その思いに嘘偽りはない。
八雲は晴香の家から次の目的地へ向かいながらそう考えていた。
それでも…はっきり事情を説明しなかったのは…悪かったと思う。
余計な心配をかけたくない。
それに…怯えさせたくない。
怯えて、ストレスを抱えて生活して欲しくない。
好きだ…っという思いは今は、置いておく。
恋人同士になったのだというのは表向きでいい。
それに囚われると…身動きが出来なくなりそうだから…。
自分の…保身のためでもある…。
雨の日、暗い場所(おそらく路地裏)着衣に乱れあり。
それが志乃が見た死に姿。 人物画に添えられていた文字…。
何を意味するのかはそれだけで充分だった。
身体の底で疼くものがある。
―先にお前がすればいいじゃないか。
―恋人同士になったんだ、何も問題ないだろう?
―そうしたいと思っていたじゃないか…。
煩い。
一喝してそれを押さえ込む。
根本的な解決になってない。
そもそも、それは逃げてるだけじゃないか。
させない
絶対に。
あいつの全てを…守ってみせる。
知らず知らずの内に握り締めた手を…意識してゆっくり離した…。
いきなりで…。
何がなんだか分らないまま過ぎたが…。
冷静になってよくよく考えると…
「私っ…告白されたんだよねっ!?」
それはそれでパニックになる…。
夜、店の手伝いも終わって順番にお風呂へ行こうというとき…。
気を抜いたら急に冷静に今日のことが思い出されてきた。
一人で赤くなったり悶えたりする様は…言ってしまえば変な人である。
それでも、そうしたくなる気持ちは分る。
そんなそぶりを見せなかった人が…アレだけ豹変したのだ…。
「夢じゃないよね…。」
思い出す端々がぼんやりとしていて…夢のようだった。
でも、額と…握られた手には……はっきりと感覚があった。
「八雲君……。」
呟いてみたら…なんだかますます恥ずかしくなって…布団に顔を押し付けた。
明日…どんな顔して合おう…。
「晴香。お風呂開いたよ。」
襖越しにそう声が聞こえてきた。いろいろシュミレーションをしていた晴香は返事が遅れた。
「!?う、うん!」
ついでに言うと声が少し裏返った。
「…どうしたの?」
襖が開いて、綾香が顔を出した。声だけでそれだけで異変に気付いたらしい。
「な、んでもない。」
「晴香…別に言えとは言わないけど…隠し事が下手な事は自覚してなさいよ。」
「……………。」
「お母さんも妙にニヤニヤしてたし…気づいてないのお父さんだけよ。」
「……………。」
「まぁ、それが晴香のいいところなんだけどね」
ふっと優しく綾香は笑った。
「相談事があるならいつでも言ってよ?双子なんだから…。」
「うん…ありがとう、お姉ちゃん。」
ようやく…晴香も笑った。それを見て満足そうに綾香も笑う。笑った顔はそっくりだ。
「どういたしまして。あ、そうそう明日も…私、遅くなるから。」
「…勉強大変なの?」
「そうじゃないけど…レポートやらなくちゃ。お店の事、よろしくね。」
「うん。」
「じゃぁ、おやすみ。」
「おやすみ、お姉ちゃん。」
姉と別れて晴香は風呂へ向かった。
「…………。」
風呂上り…自分の姿が鏡に映った。
「……。Cはあるもん!」
思わず叫んでしまって慌てて口を押さえる。
双子のなのだが…若干綾香のほうがプロポーションがいい。
「晴香ーあがったの?」
「ま、まだ!」
恵子の言葉に晴香は慌てて下着に手を延ばした…。
F棟には主に芸術学部の教授の研究室がある。芸術と言っても様々であるのは言うまでもない。
廊下を歩いていたその男性は、一つの教室に踏み入った。
教室というよりは、工房のような印象を受けるその場所。
「あ、猫センセ。」
その台の一つで作業していた男性がそう声をかけた。にゃ~お…っとふざけて猫の鳴きまねをすると笑われた。
ダミ声でとても可愛い猫の鳴き声ではないが…。
二階から飛び降りてもかすり傷一つなかったというのが本で猫っというあだ名がついた。
猫のクセに可愛い一面がないことから山猫とも呼ばれることもある。
他にもいろいろ伝説を持っているのは有名な話。
一癖も二癖もあるある意味有名な先生であるが…殆どの生徒は彼の本名を知らないだろう。
「教授殿はいるか?」
「先生は篭ってますよ。相変わらず」
そう言うと奥のドアを指差した。
「だろうな…。」
そう言うとすたすたとそちらに向かった。
「何しにきたの。今忙しいんだけど。」
ドアが開くなりそう声がした。
部屋の奥…黒のエプロンを着けた美女が居た。健康的に日焼けしているような横顔が見える。
顔さえ向けようとしないが訪問者が誰かは分っているんだろう。
「注文してたもんがあるだろ。」
「あんたね、いい加減ツケ払いなさいよ。」
作業していた木槌をそのままブン投げた。避けるまでもなく…木槌は外れて壁に当たって落ちた。
「お前が時間作ったらたっぷり払ってやるよ。」
にやっと笑いながら飛んで来た木槌を戻してやる。
「よく言うわよ。そっちが気紛れな猫のクセに」
ふん…っと鼻で笑いながらも木槌をもらう。
「これか?」
隅の机に乗っている四角い黒のケースを見つけて彼は空けた。
綺麗に並んで光沢を放っている。3×7の21本。
「1つだけ、ニセモノ。わかる?」
それ分ったら持って行っていいわよ。
っと…言うのが早かったか一本投げ込まれるのが早かったか…。
「いい腕してるよ。お前は」
パタンと蓋を閉めて、山猫はそのまま部屋を出て行った。
悔しいが…正解だった。
「後藤さん、夕飯買ってきました。」
学園に点在する警備室に…一人の女性が入って来た。
肩まである髪をヘアクリップで止めていた、その首筋にはうっすら汗をかいていた。外がどれだけ暑いかわかる。
「おう、さくら。ご苦労さん」
部屋に居てモニターを見ながら書類を書いていた男性がそう言った。
「どうなりました?」
「夜間の警備と、昼間の巡視を増やす事になった。」
「…そうですか。」
痴漢、窃盗、盗撮、恐喝、宗教団体の勧誘等……。
平和そうに見える学園でも水面下にはそんな問題を抱えている。
現に今日、図書館での盗撮被害が報告された。
「警察沙汰になるのも、時間の問題だな。」
「………。」
自分が学生の頃はそんなことがあるとは思わなかった…。出来ればそうなって欲しくはない。
「大学生にもなって…善し悪しの区別もつかないなんて…情けない。」
「最近の若いのは皆そんなもんだ。それより、飯にしよう。」
「はい。」
コンビニの袋を開けて弁当を取り出す、後藤。
さくらはお茶は備え付けの冷蔵庫に入っているお茶を出して使っていたコップにそれぞれ注ぐ…。
ラジオから流れてくる連続窃盗事件、今朝起きた駅での傷害事件、指定暴力団の家宅捜索。
そんな暗いニュースをBGMに…適当な会話をしながら弁当を突いた。
LINK5…
PR
この記事にコメントする
カテゴリー
最古記事
(04/21)
(04/22)
(04/22)
(04/22)
(04/22)
ブログ内検索