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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2025年03月10日 (Mon)
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2008年08月21日 (Thu)
続けてパロを投下する(笑)
だって…好きなんだもん!新栄学園。

いろいろ一人で、無駄に伏線張ます。
ふふ~楽しい(ニヤリ)


拍手お返事。

刹那さん
了解です!少々お待ちくださいね!
もう、その映像がぽっと出てくるんですよね~。はっぴ真田と困ってる志乃(笑)
何だかんだで一番こき使われてるのは真田っぽいですよね。
公香は意図的に、志乃は天然で(爆)

コメントのない方も、拍手ありがとうございます!
……お礼作品変えられなくてすみません(汗)


さて
LINK4 晴香&(×)八雲(+恵子) 志乃&真田

カップル成立&出会いました!

後者が多いのは…まぁかんべんしてください(笑)

小沢晴香は高岸の研究室から、そのまま八雲のいる映画研究同好会へ向かった。
「やぁ。」
晴香は映画研究同好会のドアを開け相変わらずの位置に相変わらずの人が居た…
「…なんだ、君か」
そうして相変わらずの言葉。それが嬉しいのだから、相当…惚れてるんだろうなぁっと思う。
「も~またそれ?」
晴香は笑いながら…椅子に座った。
「………?」
座ったのはいいが…不思議そうに周りを見回した。
「どうした?」
「ん…なんか香水の匂いがする気がから…」
「…香水?」
反芻して…思いだした。ついさっきまで志乃が居たのだ多分それだろう。
「誰かいたの?」
「まぁね。」
女の勘というべきか…その会話だけで、それが女性だというのは想像に難くなかった。
晴香は胸の中のもやもやを感じながらもそれが何かわからなかった。
「で?今日は何の様だ?」
「様はないけど…何してるかなぁって。」
会いたかったなんていったら何を言われるか分からない。
「…君は……」
暇だな…っといいたそうに鼻で笑う。
「そういえば、この前の電話なんだったの?」
喫茶店でかかって来たいきなりの変な電話だった。
「あぁ…君にちょっと話があって…。」
「何?」
軽くそう聞き返した晴香だったが、八雲の渋い顔に驚いた。
「…どうしたの?そんな変な事?」
「ついでみたいに言いたくないんだが…」
眉間に皺をよせてさらに渋る。
「何よ、言ってよ。」
晴香の問いに…八雲は一息入れて言葉を発した。
「僕と付き合わないか?」
「…………え?」
八雲の言った意味が…理解できなかった。
っというか、まさか八雲の口から…その言葉が出てくるとは思わなかった。
でも正面の八雲の表情は真剣そのものの表情。からかっているとは思えない。
「無理にとはいわないけど…君に彼氏が居ないなら考えて欲しい」
「あの…えっと………。」
「試しに1ヶ月でいいから…付き合ってくれないか?」
「ちょ…ちょっと待って…。待って…」
ごめん、混乱して…。
晴香は頬と口を押さえて…固まってしまった。
「えぇっと…」
「分った、じゃぁYESかNOかで答えてくれ。」
いいな?っという八雲の問いにコクコクと頷いた。
「君には彼がいるか?」
ぶんぶんっと横に振る。
「…僕の事死ぬほど嫌いか?」
これもまたぶんぶんと頭を振る。
「そうか…。あとは、君の気持ち次第なんだが…」
言葉を区切って…晴香の目を見た。
「付き合ってくれないか?」
「いいの…?」
「…今の話聞いていたか?」
八雲が…怒ったように眉間に皺を寄せて晴香を見た。
「うん…。」
こくりっと頷いて…小さくそう言った。
「…それは、聞いていたのうんなのか?それとも返事のうんなのか?」
「返事、だよ」
今度ははっきり晴香は声をあげた。
「よかった。」
ふっと…表情を緩めて…八雲はそういった。安心したような穏やかな表情。
「今から…どうする?」
「あ…うん…。そろそろ…帰らなきゃ…。」
晴香は時計を見てそう言った。晴香が立ち上がると八雲も立ち上がる。
「……送ってく。」
「え?」
「…そんなに不思議がるな。いいだろ。」
不満そうに八雲がそう言って…彼も片手に鞄を持った。
「あ、八雲君鞄持ってるんだ」
「当たり前だろう。」
八雲はそう言って晴香の隣まできた。
ふわっと…前髪が動いた気がした。額に触れたのは…一体何。
視界に見えるのは肌色と白。シャツと首から鎖骨にかけて…。
っていうことは……。
キスされてる…!?
離れてから…それを理解した…。
「…顔が真っ赤だぞ?」
面白そうに…八雲はそう言った。
「だっ…なんで、いきなりっ…。」
「いいだろう。ほら行くぞ。」
「まっ…待って!」
慌てて八雲を追うと…八雲はドアをあけて待っていた。
「そんなに急がなくても…置いていかない。」
微かに笑って…晴香の手を握った。
「!?」
晴香の驚いたのには気が付いたのだろうがそのまま…歩き出した。
微かに晴香が手を握り返してきた。



「ここ…君の家か?」
晴香の案内で家に行った八雲は…思わず問い返してしまった。
「うん…。家、お蕎麦やさんなの。」
おざわっという…文字が確かに見えるが…。
純和風のお店。ちょっと格式が高そうに見える…お店だった。
「家は裏のほうにあるの。…」
「そうか、じゃぁここまでで…いいか?」
「うん…。ありがとう。」
でも、どうして送ってくれたの?
晴香は無邪気にそう聞いた…。
「…最近物騒だろ?……それで、君を守りたいって思ったんだよ。」
ぶっきらぼうにそう言って…八雲は手を離した。
「だから…一人でふらふらするなよ。…君だって女性なんだから…。」
いきなりこの豹変振りは何!?そう思うが口には出せない晴香。
「うん…気をつける…。」
「じゃぁ…また明日…。」
「うん。またね。」
「…見送りはいいから…家に入れ。」
八雲はそう言って晴香を促した。
名残惜しそうに…八雲を見ながら、バイバイ…っといってドアを閉めた。

それを見て八雲は一息ついて…ゆっくり歩き出した。


玄関で…高鳴る心臓を押さえていると…奥から母である恵子が出てきた。
「お帰り、晴香。かっこいい彼氏じゃない」
「えぇっ!?何で分ったの!?」
にやりっと…笑う顔は…少女のような笑顔だった。
「晴香は素直でいい子なんだけど…素直すぎるのよね~。」
その言葉でようやく笑顔の意味を理解した。
「お、お母さん!鎌かけたの!?」
それには答えずにからから笑う恵子。
「お父さんには黙ってるから安心しなさい。」
にんやり笑って…そう言う母には…やっぱり勝てない。
「お、お姉ちゃんは?」
「まだよ。今日は遅くなるって電話があったわ。」
「そうなんだ…じゃぁ。お店の手伝い私だけ?」
「そうなるわね。」
一息ついたら、手伝いよろしくね。
恵子はそう言ってお店のほうに戻っていった……。
一息…ついたらついたで身動きが取れそうにないので…
晴香は早々に、店の従業員となった……。








中西志乃は中央棟にいた。
入学して、ようやくこの広い大学の配置は分かったがやはり馴染みの薄い場所へ行くのは緊張する。
志乃はゆっくり車椅子を動かした。
目指す場所は5階の学生課であるエレベーターを待った。

車椅子でも通える大学だからこの学校を選んだ。
高校には行けなかったが、このまま家に籠もっていても仕方ない。
自分ができることを探したい、やりたい事をしてみたい。そんな思いで…入学した大学だった。
自分ができる事なんて限られている事は分かる。それでも、探したかった。

斉藤さんに話を持ちかけたのは誰かに話を聞いて欲しかったから。
誰かに…苦しみを分担して欲しかったのかもしれない…。
結局、あたしは弱い……。
ぎゅっと…両手を握り締めた。
間違ったことをしている気がする。


ざわざわと…周りの騒音が酷くなり始めた。
この棟は食堂が三階までを占めているため人が多い。
そんなざわめきの中…クスクスと笑い声が聞こえた。
過敏になっているとは思う、でも大概それは外れていない。
いくら福祉施設が整っている場所でも、そこに通う全ての人がそうとは限らない。
嫌がらせには入学してから何度かあった。
これだけは仕方ない、あたしの足は車椅子なのだから。
その、思考を中断させるなように体を押された。
ブレーキをかけていた車椅子はそのまま前に前につんのめるように傾いた。
あっと思っても、もう遅いそのまま重力へ引かれて…倒れた。



いや、倒れるはずだった。


膝に乗せていた鞄は落ちたが、身体に痛みはない。変わりに感じたのは熱い……という事。
「お前ら…最低だな。」
声が降ってきた。吐き捨てるような…声。
熱いのは身体だった。誰かに抱きとめられた…とようやく頭が理解した。
肩から首にかけて…が視界にある。銀のネックレスが光ったのを…ぼんやりとみていた。
喧騒が静まる。どくん、どくん…っと脈打つのは誰の心臓の音だろう。
「何だよお前は!」
「名前なんてどうでもいいだろ。人として、よく平気でんな事ができるな。」
両方、声で男性だというコトは分った…。でも、知り合いの声とは違う。
「大丈夫か?」
肩を支えられて身体を戻してもらう。そうして、今まで自分が固まっていた事に気付いた。
「は…はい。」
声がかすれた…。
はじめて顔を見た。彫りの深いはっきりした顔つき。
帽子の下のその顔…
「!」
背中を氷が滑り落ちるような…感覚がはっきりあった。
そうして冷水を浴びたときのように…全身が強張って息苦しくなる。

今日、見た夢の人…


その死に顔がフラッシュバックする。

機械の中にまぎれているもの。

カントダウン。

直前まで元気に笑っていた人

爆風

一瞬の内に…モノになる。

人形の…モノに。


喉が張り付いてしまったかのように…。声が出ない。息が苦しい


何故、なぜ…。

そんなにあたしを…無力だと笑いたいの。

何も出来ずに死ぬ様を見ろというの?

どうして……。


「向こうにエレベーターあるから行こう。」
静まり返った中で…そんな声。そうして車椅子が動き始める。

後ろでまた喧騒が聞こえてきた…。

「大丈夫か?」
そう声を掛けられて…ようやく現実に戻ることが出来た。心配そうに志乃の顔を覗きこんでいる。
また映像が再生されるけれど、無理矢理振り払う。
「…はい。」
まだ声が擦れているが…志乃は返事をした。いったとおり目の前にはエレベーターがあった。
「ありがとうございました……」
いつの間に置かれたのか…元通りに膝の上に鞄があった。
「いいって、いいって…何階?」
「5階ですけど…もう大丈夫です…。」
志乃がそう言うと、男性は屈託のない顔で笑った。
「俺も同じ場所だ。」
そう言うのと同時に…エレベーターが着いた。
彼はエレベーターに一緒に乗り込もうとして…やめた。
「俺、階段で登るから…荷物持って上がってくれる?」
「え?……いいです…けど。」
何故?と言う問いはできなかった。それより先に鞄を差し出された受け取ったから。
「サンキュー。じゃあ、5階で。」
男性はそう言って、横の階段を駆け上がりはじめた。
パタパタという靴の音を聞きながら志乃はエレベーターのパネルを操作した。
膝に鞄が二つ。一つは自分の、一つは彼の。古いけど、大事にされている鞄だという事が分る。
でもそんな事を考えている余裕はなかった。
なんとか気持ちを落ち着かせようとして何度も深呼吸をしていた。
まだ、心臓は普通には戻っていない……。
5階です。っというアナウンスがなったので開いた扉からフロアに出た。
5階は事務関係の部署が一括にあるフロアである。

リズミカルな足音が階段に響く。音が近付いてきた。

階段からやってきた男性は志乃を見つけて笑った。
「やっぱ、エレベーターのほうが早いな。」
はぁ、っと…軽く息を吐いた。それだけで呼吸は乱れていない。
足が動くっていいな…っと思わずには居られなかった。
「サンキュー。楽だった。」
そういいながら志乃から鞄を受け取った。
「どうして…?」
「?」
「どうして…一緒に乗らなかったんですか?」
「え?…だって、密室じゃん。」
「あ…。」
「俺が女だったら、見知らぬ男と一緒は嫌だなって、思ったからさ。」
最近、物騒だし。
さも当たり前っというようにそう付け足した。
「…ありがとうございます。」
志乃はペコリっと頭を下げた。そんなことは思ってなかったが…気遣いはありがたい。
「何課?」
「教務課です…。」
「隣だな。俺は就職課だから。」
そういうと教務課の前まで志乃を移動させた。
「じゃ、ちょっと行ってくる。」
鞄の中から一枚の紙を出しながらそう声をかけた。
チラッと…名前が見えた。真田省吾っという名前が…。
「08AM3135の中西です。矢嶋先生のファイルを受け取りに来ました」
その後姿を少しだけ見た後で…志乃はそう言った。
「はい。ちょっと待ってください。」
女性の職員そういって棚の中のファイルを漁りだした。
「中西さん。学校生活で不便はありませんか?」
暫くして…ファイルを持って来てくれた女性がそう問うた。
志乃にはこのハスキーボイスは聞き覚えがあった。確か篠宮という名前だった気がする…。
「はい、大丈夫です。」
ファイルを受け取るときに首からかけている名札を見てそれが確信に変わった。
「何か不便があったらいつでも言ってくださいね。」
営業スマイルともいえるだろうが…優しく微笑んで篠宮はそう言った。
「はい。ありがとうございます。」
志乃は一礼して邪魔にならない位置に車椅子を動かした。
そうして、もらったファイルの中身を見た。
予想以上にいい評価をもらえていたことで…思わず笑みがこぼれた。
「笑った顔のほうが、いいな。」
「!」
慌ててファイルから顔を上げるとさっきの男性がそこに居た。
「そんなに驚く事ないだろ。車椅子押していい?」
「い、いえ…一人で大丈夫です。」
「そっか。じゃ行こうか。」
志乃がそう言うとあっさり男性は引いた。
「中西っていうんだな。名前」
「はい。」
なぜ…っと思ったが声が聞こえたのだろう。隣同士の課なのだから。
「下の名前は?」
「志乃です中西志乃。」
「志乃、か。かわいい名前だな…あんたにぴったりだ」
かぁっと…頬が熱くなるのが分った。今までそんなことを…さらりと言う人には出あった事がない。
それに気付いていないのだろうか…言葉を続ける。
「俺は真田省吾っていうんだ。」
「真田…さん。」
この名前は忘れるわけにはいかない…っと思いいながら口の中で反芻する。さっきみた名前とも合致している。
「そっ。志乃ちゃんは今からどうする?」
エレベーターのエントランスに着いたところで真田は問うた。
返事より先に…すぐにドアが開いた。エレベーターは動いてないらしい。
「一緒に乗ってください、気にしないで。」
「分かった。」
頷いて、真田もエレベーターに乗った。
「1階でいい?志乃ちゃん」
「はい…。あの…志乃ちゃんはやめてください。」
「?」
「子供扱いされてるみたいで…嫌です。」
そう言うと笑い声が聞こえてきた。志乃には何故笑うのか分らなかった。
不思議で…見上げていると笑いが止まった。
「悪い。じゃあ、志乃、でいい?」
「はい。」
「志乃は…何年?」
「1年です。」
1階です。っというアナウンスがなった。
「じゃぁ、まだ19か、俺は3年。」
そんな会話をしながらエレベーターから降りる。
そうして先に下りた志乃は駐車場がある正面玄関のほうへ向かった。
「もう帰るの?」
「はい…迎えが来てくれますから。」
「ふぅん…。」
真田はそう言ったが…大して興味がなさそうである。
「じゃぁ、俺バイト入ってるから。もういくわ。」
「あ…はい。」
ありがとうございました。
ぺこり…と頭を下げる志乃、上げた顔に映ったのは満面の笑顔の真田だった
「またな。」
「はい、また…。」
なぜか、さようならとは言いたくなかった。
他に言う事はたくさんあるはずなのに…そのときは言葉が出てこなかった…。

駐輪場のほうへ向かっていく真田の後姿を見送った…。


彼の笑顔が頭から離れない。
それと重なる無残な死に姿…。

自分に何ができるのか…その課題が重くのしかかった…。


「お嬢様?」
その声で…志乃は我に帰った…。



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