ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
甘の間にパロを挟む(笑)
前回の続きも書きますよ。
LINK3 八雲&志乃 晴香&高岸 綾香&美雪 真田&公香&山縣
短編です。女子が多い…(笑)
そろそろいろいろ絡まってきますよ~(笑)
八雲は一人暮らしをしている。学校指定の寮で。
ニュースを見ながら朝ごはんを摘む…。
流れてきたニュースを見て…思わずファイルを取り出した。
イラストとの合致
…二人目…だった。
晴香まで…あと四人…。
その日の午後…。
空き時間を映画研究同好会ですごしていた八雲のもとに来客があった。
ノックとともに…か細い声が聞こえてきた…。
「斉藤さん……。」
「…中西さん…ですか」
車椅子とともに志乃が入って来た…その表情は沈んでいる…。
志乃はそのまま、所定の位置についた。八雲が立ち上がってドアを閉めにいく。
「二人目ですね」
八雲はそういいながら機械的にそのイラストを別のファイルに移した。
それがどういうコトかは考えるな…っと脳が言っている。
「………はい…。」
「…夢は間違いなく順番通りみたいですね…期間は長くて1、2週間…ってところか…」
「早い人は…翌日…っというのもありました…。」
「…そうですか…。」
そこで会話が止まった…。
「すみません…」
「?」
「あたし…斉藤さんに酷なこと…させてますよね…。」
「今更。」
八雲は微かに鼻で笑った。それを分った上で依頼を持ちかけたんじゃないのかアナタは。
そう思ったが口には出さなかった。
「ごめんなさい……」
「……………。」
「何も出来ないのに…どうして…夢を見るの……」
八雲に言ったのではないだろうでも聞こえた。
「……嫌なのか?…夢を見るの。」
「だって!あたしは何も…できない。一人で立って歩く事すらできない…のに」
どうして…っと…呟いた。
「…見えるのには理由がある…。っと…言われた。」
「え?」
「…僕のおじさんに…だ。」
「………。」
「理由なんて初めはわからない…そんなものだよ。」
「斉藤さん…は…強いんですね」
「さぁ…どうかな。」
曖昧に笑って……八雲は切り替えた。
「新しいの…持ってきたんでしょう?見ます。」
「…はい…。」
志乃はそう頷いて…またファイルから紙を取り出した。
それを手に取る八雲…黙り込んでしまう。
「…………。」
知り合いが、どうしてこうも…関わってくるのか…。
内心、そう思わずには居られなかった………。
「斉藤さんは…理由を見つけましたか…?」
帰り際…志乃はそう問うた。
「まだ…模索中だよ。」
八雲は…はにかんだような…笑顔を見せた。
「いつか…誰か救える日が来ます。」
それはそう、遠くない…。っと思いたい…。
それは自分の心の中にしまって志乃を見送った。
「では、講義ここまでにします。」
教室にそう声が響いた。教育学部の授業である。
教壇に立っているのは女性の教師、見て分るほどお腹が大きい。
「みなさん、知っていると思いますが…出産のためで暫くお休みします。」
いよいよなんだなぁ…
っと…そんなことを思いながら晴香は教師の話を聞いていた。
尊敬するっと言っても過言ではない、高岸の話を………。
「高岸先生!荷物持ちます。」
荷物をまとめて…肩に掛けた晴香は教壇にいる彼女に声をかけた。
「ありがとう、小沢さん。」
椅子に座って一息ついている。人一人お腹の中に入っているのだから疲れるのも当然だ。
黒板を消していた他の生徒も混じって一緒に歩き出す。向かうのは研究室だ。
「体重どれ具合増えましたか?」
「8~9kg。」
「性別は分ったんですか?」
「分るけど…。あの人がね…生まれてからの楽しみにしたいって…。」
へ~っと、声が上がる。あの人とは旦那さんことであるのは周知。
「名前は決まったんですか?」
「あの人がいろいろ考えてるけどまだよ。」
「先生はどんな名前がいいんですか?」
「悠久の「悠」っていう漢字が好きだから…入れたいなって思ってる。」
それはあの人に伝えてあるから。そういって高岸は微笑んだ。
あぁ…幸せそうだなぁ…。
晴香はそう思わずにはいられなかった。全身で幸せを感じる。
「ゆうやとか。」
「え~ゆうきでしょ。」
「ゆうかちゃんとか」
他の生徒がそんな話をしているのを晴香は聞いていた。
「はるかでもいいんじゃない?」
「シンプルにゆうでも。」
その会話を高岸は微笑みながら聞いていた。
「先生、幸せそうですね。」
それを見て…晴香はそう言った。
「…惚気に聞こえるかもしれないけど…幸せだもの。」
本等に…幸せそうに、微笑んだ。
同姓の目から見てもとっても綺麗な笑顔だった…。
いいなぁ…ッというのが正直な感想。
旦那さんと一緒に頑張ってるのが分るし、何より凄く大事にされているのが分る。
私もあんなふうに…誰かと幸せになれならいいな…。
そして、その誰かの位置に八雲がいる。
恋人にもなっていないのに…そう思うのは先走りすぎだろうか…。
それでも…今はそうとしか思えない…。
八雲に会いに行こう。
そう思いながら晴香は友達と別れた。
「綾香ちゃん。」
嫌な声。綾香は本能的にそう切って捨てた。誰か分るほどに聞きなれた声だった。
A棟の医学部の研究室が並ぶ場所、新井の研究室の前に綾香は居た。
催促された本を返しに着たが…新井が外出中だったので暫く待つ事にしたのだ。
こういうものはちゃんと手渡しで返さなければダメだ。
「新井先生なら今、お留守よ。」
自分に用事があると分かっているが、嫌味を込めてそう言う。
「あ、俺。綾香ちゃんに用事があるから。先生はどうでもいいんだよね。」
アンタみたいな奴が、新井先生を評価する権利なんて無い。
内心そう切り返しながら作り笑顔を見せる。
「何か様、中原さん?」
「最近忙しそうだね~。たまには息抜きに行かない?」
本人は意識していないんだろうが…女から見れば下心が丸見えだ。その顔をこっちに向けるな…っと思う。
自分がかっこいいと思うのは自由だが、綾香の好みではない。
「…そんなに暇じゃないから。テストも近いし。」
「綾香ちゃんは秀才だから勉強なんてしなくてもいいじゃん。」
いい加減うっとおしいのに気が付かないのかしらね。空気が読めない男は嫌われるわよ。
「だからと言って、勉強しなくていい理由にはならないでしょう?…」
「じゃぁ、いつならいいかな?開けとくよ。」
「そうね…当分は忙しいわね。」
「またまた~。晴香ちゃんとお茶する時間はあるんでしょ?その時間を俺に頂戴よ。」
お前は何様よ。そう叫びそうになったのを噛み殺す。
「あのねぇ…晴香は家族よ。アナタは赤の他人。共有する時間が違うわ」
「そんな言い方、酷くない?赤の他人って。」
「赤の他人でしょう?それ以外のなんだって言うの?」
「ツレない事言うなぁ…一緒に遊んだ仲じゃん。」
するっと…寄って来た。それ以上近付くな…っと叫びたくなる。
それに、勘違いもいいところだ。あなたとは実習の話し合いで会っただけじゃないか。しかも、ほかに三人も一緒に居た。
実習が遊びだというのなら、それを夢にしてきた私には屈辱に他ならない。
「それが用事…?そんな馬鹿らしいこと言う暇があったらあなたも勉強でもしたら?」
普段はやんわり断るのだが…今日はしつこさが勝った。
「折角誘ってやったのにその態度かよ!」
切れやすい男って最低。上から目線な男はもっと最低。これだから嫌なのよ…。
「…私は新井先生に御用があるの。あなたが勝手に来て好き勝手に喋ってるだけでしょう?」
「な…なんだとっ!」
顔色がかわったので綾香は咄嗟に身の危険を察知した。思わず体を引く。
手が伸びてきたがその手は綾香に届くことは無かった。
「煩い!」
研究室の隣の部屋から声が響いてきた。そうして…バンッとドアをはり開けて一人の女性が出てきた。
「どこの誰が…この研究室の前で口論してるのかしら?」
ロングの髪で…美人なのは認めるが不機嫌そうに眉根を寄せているので半減か…。
腕組みをして右手には何か銀色のものを持っていた。
「……七瀬…さん。」
普段、院生と呼んでいるので咄嗟に苗字が出てこなかった。
「どこで何しようが勝手だけど…私の邪魔だけはしないでくれる?」
美人が怒ると怖い…っというのを思い知らされる。
「これ以上騒ぐなら、そうね……。」
中原の体を上から下まで…視線をめぐらせる。
「…マウスの脳だけじゃ限界があるのよねぇ。」
左指で顎を叩いて…薄く笑った。
「情報量が詰まって無くても解剖学的には脳は脳だもの…感情があるのは人間だけだし…どうしても人体標本が欲しいのよねぇ…。」
よく分らないような彼女の話だったが…。今、気付いた右手に持っているのはメスだ。
「…………。」
それ気付いたのか…中原がさっと引いた。
「じゃぁ、新井先生によろしくね~」
そう言って走り去っていった。
「下衆ね。」
誰の台詞かはあえて言わないでおこう。
「ありがとうございます。」
「………。礼をいわれるような事はないわ。新井先生は暫く帰らないわよ。」
「じゃぁ、これ返していただけます?」
っと言って小脇に抱えていた本を差し出した。
「…。ようやく返したわね。」
その本を見て、片手で受け取った。
「遅れました。また空いたら貸してください。」
「空いたらね。」
その言い方では当分ではなさそうだ。
「…って言うかなんでメス…。」
疑問に思っていたことを口に出す綾香。
「模造品よ。」
ふんっと…鼻で笑って研究室の隣に消えていた。
「なんで模造品のメスなんてもってるのよ」
「芸術学部の奴にもらったのよ。」
なんのために…っとは聞かない。聞かないほうが身のためな気がする…。
倉庫のような場所がある。正確に言えば産業学部工業科のD棟の一室だ。
「真田。」
「…………。」
「真田!」
「…………。」
「さぁなぁだぁっ!」
後頭部にがつんっと…衝撃があった。
「ってぇっ!」
初めて声を発する。当たった後頭部を抱えて後ろを振り返る。
「公香!なにすんだよ。」
階段の上にいる女性にそう向かって叫ぶのは真田省吾、3年である。
「呼ばれたら返事をするのが常識でしょ!」
対する彼女は院生である。
「呼んでないだろ。」
「呼んだわよ!」
「聞こえななかったぞ。」
「もう老化?」
ふんっと鼻で笑う。
「熱中してただけだ。何か様か?」
「…あんたねぇ。時間になったら呼べって言ったのはどこの誰よ」
「げっ…今何時?」
「15分前~。さっさと着替えたら?」
そう言うと踵を返した。
「やばっ……あぁもう!中途半端なのに!」
真田はそんなこと叫びながら…一室だけあるシャワー室へ向かった。
汗だくで、とても人前に出れる状態ではなかった…。
「山縣さん!今日はバイトだから。」
作業着ではなく普通の…今時の若者らしい格好で再び真田は公香の前に出てきた。
「俺も遅くなる。」
「了解。じゃ!」
そういうと駆け足で出て行った。
「まったく…忙しないね…。」
「熱中したら止まらない奴だからな…。」
不思議な関係だが…大学生と大学院生そして教授である。
LINK…。
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ふおお~っ←?
こんにちは綾さん、碧風ですm(_ _)m
なんだかストーリーにどきどきですw
やっくんと志乃ちゃんの素直な会話(?)だと思えば・・
ラストで真田君!公香の「さぁなぁだぁっ!」に何故かものすごくツボりました!
ああ、楽しいこのコンビ!
そんな感じで読ませて頂きました♪
なんだかストーリーにどきどきですw
やっくんと志乃ちゃんの素直な会話(?)だと思えば・・
ラストで真田君!公香の「さぁなぁだぁっ!」に何故かものすごくツボりました!
ああ、楽しいこのコンビ!
そんな感じで読ませて頂きました♪
Re:ふおお~っ←?
碧風さん。
お久しぶりです!お返事遅くなりました(汗)
いろいろ絡まってきましたので!今からどんどんドキドキになります
っというか…そう言う話が書きたいなぁっと思っています。…のほうが正しいですね(笑)
八雲と志乃は抱え込んでるものがある同士、通じることがあるんだと思います。
全体的に暗い話が多くなったので最後だけでも明るくしようっと思ってああいう形になりました。
公香と真田は従姉弟のような関係だと思ってます。(笑)
姉弟よりは近くなく…他人にしては仲がよすぎる感じです。
遠慮なくどつきあえる関係の、このコンビはいいですよね!私も好きです。
ではでは!コメントありがとうございました!
お久しぶりです!お返事遅くなりました(汗)
いろいろ絡まってきましたので!今からどんどんドキドキになります
っというか…そう言う話が書きたいなぁっと思っています。…のほうが正しいですね(笑)
八雲と志乃は抱え込んでるものがある同士、通じることがあるんだと思います。
全体的に暗い話が多くなったので最後だけでも明るくしようっと思ってああいう形になりました。
公香と真田は従姉弟のような関係だと思ってます。(笑)
姉弟よりは近くなく…他人にしては仲がよすぎる感じです。
遠慮なくどつきあえる関係の、このコンビはいいですよね!私も好きです。
ではでは!コメントありがとうございました!
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