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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2007年09月17日 (Mon)

どうも、おひさしぶりです。
金曜日に書いた記事が消えて沈んでました。

追試がおわり、今週から後期講座が始まります~。
ここの更新は週1目標です(苦笑)



拍手お返事
遅くなってしまってすみません!!

8日8時
調子が悪いとのことでしたが、もう大丈夫でしょうか?
それにもかかわらず、毎日来て下さっているとのこと、ありがとうございます!
更新が停滞気味ではございますがこれからもお付き合いくださいませ。


9日0時
お返事ありがとうございます!
そう言っていただけて嬉しい反面、削除したのが申し訳なくなってしまいます。
ご要望にお答えできるように精一杯がんばりますね!
気長に、お待ちいただければ幸いです。

秘密の原石箱より
キスする場所で5題

1.髪を掻きあげおはよう




緊張、していた。

いままでにないぐらい。

それはきっと

2人の関係が大きく変ったから…




逢いたいという思いはあるが…
逢ったら取り乱してしまいそうな気もするけど…。
やっぱり、逢いたい。

「や、やぁ……。」

晴香は映画研究同好会のドアを開けたときにまず、後悔した。
自分の手が震えているのが分かったからに他ならない。
それでもあけてしまった以上閉めるわけにも行かず…ゆっくりドアを開けた。

「君か…。」

代わり映えしない室内に、代わり映えしない人が居た。
晴香は精一杯の笑みを浮かべたつもりだった…が、上手く笑えていない。

緊張している晴香に対して、八雲はというと相変わらず表情が読めない。

「げ、元気?」

「君よりはな。」

八雲はそう言って大あくびをする。がりがりと頭を掻くとシャツから覗く赤い痕
見てしまって後悔した。昨晩の事が鮮明に蘇ってきて、思わず顔が赤くなる。
やっぱり、今日は来ないほうがよかったかも……。

「おい、大丈夫か?」

晴香を現実の世界に引き戻した八雲の声。
晴香にはそれがやけに近くで聞こえた気がして…驚いた。
「え?」

「……あんまり大丈夫じゃなさそうだな…。顔が赤いし…ボーっとしてる。」

そう言うといきなり八雲の手が伸びてきた。頬をするりと撫で額に手を当てる。

「!?や、八雲君っ?」

晴香がうろたえるのを気にも留めず、八雲はもう片方の手を自分の額に当てた。

「なんだ…?熱は、ないみたいだな…。」

「だ、大丈夫だって!どうしてそんなに心配してるのよ?」

「………今朝、寒そうにしてたから…な。」

八雲の口から紡ぎ出される言葉が少し停滞した。
それと同時に晴香もその場面を思い出して、頬を染めた。

「…風邪を…引かせたかと…思ったんだよ」

「大丈夫!大丈夫だよ。元気」

今度は晴香の思い通りに顔が動いてくれた。にっこりと、笑みがこぼれる。

「そうか…ならいいんだ…。」

安心したように八雲がそういって手を自分のもとへ戻した。

「ねぇ、八雲君…ひとつ聞いていい?」

沈黙を作らないように晴香が言葉を続けた。

「なんだ?」

「その……どうして、今朝…帰ったの?」

八雲が顔をゆがめたのを晴香は見逃さなかった…




晴香が目覚めたとき、八雲はベッドに座っていた。
「おはよう…八雲君」
晴香が現状を理解してから、小さい声出そう言うと
「あぁ…おはよう。」
八雲も挨拶を返してくれた。
シーツに包まれていない額に軽くキスをして…八雲は晴香の髪を梳いた。
八雲にゆっくり触れられていると瞼が下がってくる。
「もう少し、眠るといい…疲れてるだろ…。」
大丈夫…っと言おうとしたがそれはできず…目は瞼で塞がれていく。
「おやすみ、晴香。」

その声を聞いた後…次に晴香が目覚めた時には八雲は居なかった。
短い書置きを残して………。




「…理由を挙げろというのなら…。」

晴香の視線にため息を付きながら八雲が口を開いた。

「一つは講義があった。」

「講義…。」

あまりに普通な理由。しかも八雲は気にしなさそうな理由。

「だが、そんなのどうでもいい。」

「?」

「もう一つは…その…」

「その…なに?」

「ちゃんとしたかったんだ…。」

ぼそぼそっと八雲が口に出した言葉はやはりイマイチピンと来ない。

「え?」

「だから、その……」

八雲は大きく息を吸い込んでから…晴香を見やった。

「今日は…。…いや…今日も、君の作る夕飯が食べたい。」

いきなりの八雲の言葉にポカンとする晴香…。

「…泊まっても、いいか?君の家に…」

「い、いいけど……。」

晴香のその言葉に八雲は大きく息を吐き出して…肩の力を抜いた。

「……君は、昨日相当緊張したんだな。」

それが、よく分かるよ。
八雲は苦笑しながらそう言った。
八雲のその笑みを見ながら晴香の口から言葉が漏れた。

「……よかった。」
「?」
「…強引だったかなって…ずっと心配してた、の」
「心配?」
「八雲君は…優しいから…私を傷付けまいとしてしただけじゃないかなって…。」
「……………。」
「怒った?」
「………。これは、もっと後で言おうとおもってたんだけど…君がそんなふうに考えてるんなら仕方ない」
「え?」
仕方ない、の言葉に晴香の脳裏に悪い予感が過ぎる。
「君には…感謝してる、あの時間の存在を…知らせてくれた」
「あの…時間って?」
「…どれでもいい、君が僕と一緒に居てくれた時間だ…それが…たまらなく…大事なものに思えたんだ…。」
「………。」
「だから、さっき言ったみたいな心配は無用だ…それに…その時間…をもっと増やしたいと…思ってる。だから…」
言葉が急にこもりだした。八雲が照れている証拠。
「…一緒に…暮らしたい。君と…」
「八雲…君」
「朝起きて、真っ先に君を見たい…夜寝るとき、君を見ながら…寝たいんだ…」
八雲の顔が赤く染まる。
「…私も…同じ思い、だよ」
こちらも頬が赤いが優しい笑みを浮かべて答える晴香。


この日から…

二つの声が家に響く

「行ってきます」「いってらっしゃい」「ただいま」「お帰り」が玄関に響くようになった

「頂きます」が二つで会話が弾む食事となった

テレビをみて、笑う声が二つになった…


そして、

「おやすみ。晴香」
「おやすみなさい。八雲君」

額には眠りのキスを…

夢の中まで共有したいと思う気持ちを込めて…




「おはよ。八雲君」
「あぁ、おはよう…晴香」

額には目覚めのキスを…

また今日も、多くの時間を共有できる喜びをかみしめて…





END


額→挨拶


6日の翌日という裏設定(笑)



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よく言った、八雲♪
綾さんこんばんにゃです。
言いましたね!えらいぞ八雲!思わず「よっしゃ!」と叫んでしまって家族にヒかれました…(^_^;)
晴香の心配の為所、ちょっとずれてません?あのシチュエーションで寝てる間に帰られたら私なら立ち直れない…まあ、八雲が晴香Love♪なのは当然のことだからいいんでしょうか?いいんでしょう!(←自己完結)
可愛い二人をいつもありがとうございます!週一更新が目標なんて…期待して待ってますから!(←鬼再び)

にゃる 2007/09/17(Mon)22:25:15 編集
Re:よく言った、八雲♪
こんばんにょ~。(定着)
いつもコメント、ありがとうございます♪
ついに(?)八雲が言いました(笑)
晴香の心配どころは…確かにちょっとずれてますね(苦笑)
ほら、あれですよ。私の好きなマイナス思考の結果です(爆)
八雲が晴香が大好きなのと同じぐらい晴香も八雲が大好きなので相手を責めるより自分に非があったんじゃないかと考えてしまうのですよ!
く…可愛いやつめ(爆)
八雲が立ち去った理由の一番大きいのは…多分、寝込みを襲いそうになったからだと思います!(本人絶対言わなさそうですが・笑)
それで若干自己嫌悪に陥ったりしてるといいな(鬼)

この件、最初は本文に入ってたんですがカットされて今裏設定として発表です(笑)

「期待してる」のコメントを見るたびにニヤニヤがとまりません(笑)
期待してください!っと宣言できないのが痛いところですが…頑張りますね!!

【2007/09/21 00:07】
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