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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
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2007年09月01日 (Sat)
9月になりましたな…。
追試が………(涙)


拍手お返事

29日17時
ありがとうございます!
質問も、回答も四苦八苦しながら考えたのでそう言っていただけると苦労が報われます(大げさ)
またこんな、クイズ形式のようなものをやりたいと企んでますので(笑)
そのときがきたら(いつになるやら…ですが・苦笑)
またお付き合いくださいませ!

30日2時
おほぅっ…(何)
そうきましたか。(笑)
一応、そう言うので書いてるのはあります…。
クスリありとなしと…どっちがいいですか?(聞くなっ!)
できる限り、ご要望にお答えできるようにがんばりますので(笑)
気長にお待ちいただければと思います。

31日15時
八雲はかじっただけ(キスどまり)の設定です。(笑)
最近は黒いお方が(笑)多く出没してましたので、久しぶりにヘタレなお方を書こうと思ったので。

ヘタレでも、黒くても八雲が好きなんです(笑)


さてさて、ようやく完成。
「葛藤八雲シリーズ」
本当は昨日仕上げたかったのですが…書き出すと長くなってしまいました。

私、葛藤ネタ大好きですので他の話でも(八雲、他ジャンル問わず)出てくる可能性大です。だからそのときは「あぁ、好きだねぇ、コイツ…」っと思ってやってくださいませ(苦笑)

ネタの使いまわしという突っ込みは聞こえない耳となってますので(爆)


書いてる間に感じたのですが…嫌だなぁっと感じる人がいる話かもしれません。
規制をかけるほどではないと思いますが…。
・八雲3巻がどうしてもダメな人。
・潔癖症の人。
・廃人チックはダメな人
・自虐思考がダメな人

は…気分を害される可能性があります。ご注意ください。


ただ、1つだけ。
「最後はハッピーエンド」はお約束できます。

救いのないのは…私がダメですから。



では、o.k.な方はどうぞ!


走る走る…。

どこまで行くの?

逃げる逃げる…。

どんなに遠くに逃げたって…。

逃れられない。


その事実


 

おまえの、本質は 深い闇だ




犯した罪


あの視線が………。


胸をかきむしりたくなるほど、切なかった…。






いつ降り出したのか…


いつからここに立っているのか…。


覚えてなどいない。


そもそもここはどこなのか……。

それすら分からない。


どこかの、山の中だということだけは…わかった。



雨にぬれている身体…

灰色の薄汚れた空から黒い小石が振ってくるように降る雨に体温を奪われていく



他ではある、雨を遮る木々はここにはなかった。



このまま、雨と一緒に土に還ってしまいたい。

でも、

こんな僕など土に還ることさえ許されない気がした…。


罪の意識に苛まれながら…生きて。

過去の過ちに苦しみながら死んでいくのが、僕にはお似合いだ。


音を立てずに笑った。冷笑と、自嘲が混じったそんな笑い。


口の中に入って来た雨を唾と共に吐き出し、今度は低く、声を出して笑った。

なんて、覇気のない声なんだろう…。



死ぬのは簡単だ…。

それも、僕が…

加害者が死ぬのはもっと簡単だ。


だが、一番卑怯で卑劣なやりかた。

一生消えない、傷跡をつけるだけ。



彼女をあのままにはできない。

ドクンっと心臓の音が大きく聞こえた…。

もうこんなに、身体は冷え切ってしまっているのに…。


胸が熱い…



どうしようもなく、お人よしで…

自分が犠牲になることをなんとも思わない…とんでもない彼女のことだから

きっと笑うんだろう…。

大丈夫だと…。



『泣かないで……。八雲君……わたし、…大丈夫、だから』


脳裏に読みがえる、罪の記憶。


閃光的に、繊細に、鮮明に……賤視した映像が…。


「っ……!」

胃袋を握りつぶされるような感覚と共に、嫌な吐き気に襲われた。


「かっ…。」


それに逆らう事はできずに今まで膝がついに折れた。


水の溜った地面に膝が埋り、その勢いで吐いた。

固形物は少ないのがせめてもの救いだが、口の中いっぱいに苦味が広がるまで、吐き続けた。

酸の匂いが雨にかき消されないほど匂ってくる。


過呼吸になっていて、苦しかった。吸っても吸っても足りない。

肺が痛い。

だがそれよりもっと、心臓が痛い。


胸をかきむしってしまいたい衝動に駆られるが、実際できたのは泥だらけの手で、シャツの胸元を握るだけ。


雨とは違う、汗が顎の先から滴り落ちる。

身体はずぶ濡れだった。シャツがペッタリと背中に張り付いている。


無様だな。


目の前の嘔吐物を見て嫌に冷静にそう思った。

これでいい

これが僕にはお似合いなのだ………。



でも、



彼女の苦痛はこんなものじゃない。


足に力を入れ、ゆっくり立ち上がる。


そうして、ふらつく足でゆっくり歩き出す。


それは自分を地獄へと…追い詰める行為に他ならなかった。




僕には、こんな人生しかなかったのかもしれない。

それならそれで、かまわない。


だが、彼女は違う。


僕とは違って、真っ当な人生をおくる権利がある。

どこにでもいる、普通の女性なんだ。

ただ、

ほんの少し僕と親しかっただけ。

ほんの少し僕と時間を共有しただけ。

ほんの少し…僕と係わっただけ…。



まだ間に合う、まだ、彼女は……。


僕の事など忘れて、幸せになる権利がある。



最低な事をしたと………思っている。


人として…。


男として…。


一番、大切だったはずに人に…。



酷いことをした…。




言葉にするとその重みが薄れてしまう気がした…。


恐怖の色を隠せない彼女を…

抵抗しない事をいいことに

自分のしたいように彼女を…


蹂躙した。




どんな理由があるにしろ、許される行為じゃない。


あれが、僕なのにはかわりないのだから…。


父親が犯した罪を、僕も犯したと思うと、不思議と笑いがこみ上げてきた。

所詮、親子。所詮、同じ遺伝子、所詮…呪われた存在。


口から、声が溢れてきた。肉声とは思えない…乾いた、冷たい音。


こんな僕などいなければよかった…。

いっそ、壊れるなら壊れてしまえばいい。

ココロも、カラダもバラバラになってしまえばいい。


でも、それは許されない。


それが…僕への罰だから…


どんな苦しみだって、僕が彼女に与えたものには到底及ばない。


いくらでも、罰ならいくらでも受けよう。


ただ1つ…。

1つだけ…願っていいだろうか?

こんな僕でも…願う事は許されるだろうか。



彼女に、幸せな未来を……っと。




僕などうなってもいい……。


少しの凹凸に躓いて再び地面に膝をつく。


だから、


あいつの幸せだけは奪わないでくれ…。


僕は…なにも望まないから…だから。



指先に力を入れると柔らかくなった土と小さな石が…触れた。




自分が壊れてしまいたいのなら、彼女の幸せを奪えばいい。

彼女の人生を思うなら…彼女の幸せを願えばいい。


壊れてもかまわないと…

何も望まないと言いながら、彼女の幸せを望んでいる。

明らかな、矛盾



交換条件は成り立たない。



どうしたって、僕は彼女を幸せにしてやれないってことか…。


自嘲気味に笑い、再び立ち上がろうと足に力を入れる。




だが、立ち上がる事はできなかった。


「見つけた…」

その言葉と共に…身体を抱きしめられた。

「っ!?」

ビクリと、身体が自分でも驚くほど震えた。背中に感じる体温。

なぜ、


心臓の拍動がはっきり聞こえた。

「探したよ…八雲君。」

聞き間違いようもない、声。

なぜ…


「何を……しに来た…。」

なぜ…僕などを探しに来るんだ…。


再生される、映像。音声。

『私は違う。私は…逃げないよ。』

「帰ろう…八雲君…。」

なぜ僕なんかを、抱きしめるんだ。


全身が熱かった

『や…くも…くん……?』

「一緒に、帰ろう」

『泣かないで……。八雲君……わたし、…大丈夫、だから』

なぜ僕なんかに、帰ろうなんていうんだ!


冷え切ったはずの身体も、顔も、心さえも
得体の知れない熱で全身が熱かった。

「やめろ」

声を荒げたが、彼女の声はまるで動じない。
「やめないよ…。」
それどころか、一層穏やかになっているように感じだ。

「やめろ!」
頼むから、もう僕に優しくなどしないでくれ……。

今一度声を荒げて、腕を振りほどく。

背中を向けたまま言葉を発する。

「もう、僕に係わるな。」

僕は君を…。

この手で傷付けたのだ。


「…………。」
 再び、触れる優しさ。
「っ!?」
「…………。」
何も言わずに…ただ触れている。

その、彼女の優しさは拷問だった。

被害者の彼女が、加害者の僕に会うことがどれだけ苦痛か。
それを押し殺して、僕を抱きしめている彼女がどれだけ恐怖を抱いているか…。

僕のために、君が傷口を広げることなんてない!

「止めろっ!」


彼女は、そんな根性悪ではないから純粋に僕を心配している…。

今度はその解いた腕の右手だけは離さずに握り締めた。

それを僕は知っているから、苦しかった。

細い、手首だった……。

「八雲君。」

小さな声だったが、はっきりと名前を呼ばれた…。

その声が、息遣いが脳を麻痺させるようだった。

その声が、心を潤すようだった。じわりと胸が熱くなる

好きだったその呼び方、その声…。


もう一度、呼んでほしいという衝動に駆られるが…


僕にもう、その権利はない。

喉が痛かった。風邪をひいた時みたいだ…

「二度と、僕に、近寄るな。」

それに鞭打って、言葉を区切り、はっきり音を発する。掴んだ右の手首をぐっと握る。

「痛いよ。八雲君…。」

後ろから、切なげな声が聞こえてきた。


それでいいんだ。

だから、そんな声を出さないでくれ…

僕は君のそんな声すら聞いていい立場にない。
僕には怒声や罵声が相応しいのだ。



「そんな、八雲君の姿を見るのは…痛いよ。心が…。」

「っ!」

この言葉は僕の入ってはいけないスイッチを入れてしまった。

掴んでいた右手を引っ張りあげ、そのまま左手で押さえ込む。
ばしゃんっと、水溜りに左手を突っ込む。開いている、右手は左手て押さえ込んだ。

「…………。」

初めて、彼女の顔を見た。

現状が理解できないような…すこしぽかんとしている顔。

『や…くも…くん……?』

布の悲鳴の後の…台詞の顔とダブり思わず歯を食いしばった。

彼女の着ている白のシャツに泥がしみこんでいる。
よく見れば、僕のシャツ。

「八雲君。」

そして、そこから覗く肌には記憶に新しい痕。

再び映像が、再生される。シャットアウトしたくても、できない。


「八雲君…」

ぎりっと歯を噛み締めると髪の毛から雫が落ち、彼女の皮膚を伝って濁水の中に流れ込んだ。

「君は、僕が君に何をしたかわかってるのか?」

自分でも驚くぐらいスムーズに言葉がでた。

「分かってるわ。」

「それで、なぜこうノコノコ僕を探しになど来るんだ!僕は君を…」

その一言をいうのに…今更ながら戸惑った。

最も忌み嫌う言葉。



だが、事実なのだ。

一番認めたくなかった事実。

「僕は君を…犯したんだぞ。」

辛い

直後に、夢であればと思った。
苦しい

だが、どんなに思ってもこれは現実。
痛い

その証拠が目の前にいる。
痛い


「君は僕に強姦されたんだぞ。」

声がかすれた…。

「自由、声を、奪って…君を弄んだ。自分のしたいように」

胸が…つぶれてしまいそうだった。

これも、僕への罰だというのか……。

「最低だろう!…詰れよ、罵れ、蔑めよ!憎めよ、怨め、忌み嫌えよ!僕は所詮こういう男だ。」

ゆっくり動いたのは頭。左右にゆっくり振れる。
「私は…」

対照的にゆっくり聞こえてくる声。
その声が、辛かった。

「そうは、思ってないよ」

笑った…。

その笑顔が苦しかった。

かわらない、優しい笑顔が僕に向けられる。

なぜ。

なぜなんだ。


「今、自分がどういう状態にあるか、いくら鈍い君でも分かってるな?」

なぜ僕なんかに


「分かってるよ、八雲君。」

笑いかけてくれるんだ。

こんな、罪人の僕に………。

「もう一度、同じ目に逢いたいのか?」

「いいよ」

信じられない言葉が耳に入る。

「八雲君が、したいな「止めろっ!!」

荒い声で、それを遮る。

同じ過ちなど繰り返せない。


「本当に、八雲君が…私を抱きたいのなら、それでいい。」「止めろといってるだろ!」

手首を地面に押し付ける力を強める。

「何で泣いたの?」

「っ!」

彼女の声をもう聞くまいとした矢先、そんな声が耳を掠めた。

言うな


「ねぇ、八雲君」

…言うな


「嫌、だったんだよね?」

あれは僕の意思なんだ。


「苦しかったんだよね。」

君のせいなんかじゃない


「だから、泣いてたんだよね。」

僕の意思なんだ!


「辛かったんだよね」

君を抱きたいと思ったこともある。


「私は、八雲君がしたいならそれでいい。…」

結局僕もあれを望んでいたんだ。


「私、八雲君が好きだから…。どんな八雲君でも、受け入れるから…。」

だから…

辛かったなんて…苦しかったなんて


「だから、辛そうに抱かないで…。」

やめてくれ…


「私は…本当の八雲君を見たい。だから…泣きながらなんて…嫌だよ。」

都合の言い訳にしかならない。

加害者の僕が


「八雲君を愛してるから。何されても…平気だよ。」

言っていい言葉じゃないっ!!


「だから…。だからね」


「笑って?」


身体の下で力なく彼女が笑った。

「……………。」

だめだ…


「笑顔で、いて?…私、八雲君の笑顔大好きだよ。」

ダメだ…


「つらそうな、顔…しないで?」

駄目だっ!!


「優しくするな!僕なんかに。僕なんかに優しくするなっ!!」

また、


「八雲、君」

過ちを犯して…しまう。


「僕はっ…僕は!!あいつの息子で!誰一人として、幸せにできなくて!誰よりも深い闇を持ってて!」

もう何も考えられない。

口だけが、別の生き物のように動く。

「呪われた存在で!…君を…強姦した男だぞ!?僕は!!」

「私の、八雲君よ。」

強い口調でそう、聞こえてきた。

「っ!?」

「私の、大好きな…八雲君よ?」

まっすぐな瞳が僕を射抜く。視線が絡めとられたように…目がそらせない。

「それ以外の、誰でもないわ。」

なぜ、なぜだ、なぜなんだ!?


「なん、で…。」



「なんで、そんなことを…言うんだ。」



「君が僕に言う言葉はそんな言葉じゃない。怒声や罵声を浴びせるのが普通だぞ!?」


「私のこと『ズレてる』ってよく言ってたじゃない。」


写真のように切り取られた一場面。

たわいのないことで話し合って、笑いあった時間

随分懐かしく…感じた。


「言えよ。嫌いだって!憎いって!!…言え!言えよっ…」

戻れるのなら…。

あの時間に戻りたい………。

「僕に向けられる言葉はそんなので充分なんだ!言えよっ!!」

だが僕に………。


もうそれは許されない…。


「言って…くれよ」

分からない…


「ねぇ、八雲君」

君の事が分からない…。


「どうして自分から傷つこうとするの?」

どうしたらいいのか分からない


「どうして、自分から幸せを遠ざけるの?」

どうしたら、君にとって…一番いい結末なんだ…


「私が、信用できない?…私じゃ、あなたの全てを受け入れるって言っても無理なの?」

ああなった以上…。


「僕は…っ」

僕から遠ざけることが…。


「八雲君。私はね…あなたの傍で生きて行きたい。あなたと一緒に生きて行きたい…」

君の幸せだと思っていたのに…


「それじゃぁ、ダメ?」



「なんで…。そんなことを…言うんだ。」

「理由は…言ったわ」

押さえていた手に指が触れた。

「八雲君が、大好きだから。もう、苦しんで欲しくないから…。」

………どうして君は


僕の手を包み込もうとするように…

こんな僕にそんな言葉を投げかけてくれるんだ…


「誰よりも、あなたを愛してる。から」

腕を折り、地面に肘がつく。

もう、力が入らなかった。

「どうして……。」

こぼれた言葉

「八雲、君。」

背中に温かみを感じる。

雨に打たれてすっかり冷え切ってしまった身体に…。

「僕はどうすれば、いいんだ…」

束縛していた手を拳に変え地面に叩きつけると濁水が飛び跳ねた。

「どうしたら君は、幸せなんだ!」

もう、体裁や建前なんてどうでもいい。


僕が知りたいのはただ1つ…


「僕は…どうしたら君を幸せにできるんだっ!!」


喉の奥から声を絞り出した。


ただそれだけを望んでる。


それは……。

誰よりも彼女が好きだから…。


「私の幸せは…」

ぎゅっと、抱きしめられる感覚。

「あなたと、一緒にいることよ…八雲君。」

一番聴きたかった言葉。
一番聴きたくなかった言葉。

「離れるのが優しさっていうのなら、私はそんなのいらない。」

ずっと、


「どんなに辛くったって…八雲君と一緒にいられるなら…平気だよ。」

ずっと、誰かに必要とされたかった…。


「だから…。」

人間として…。


「泣くのを、我慢しないで?…そんなつらそうな顔、嫌だよ。」
頬に触れた指先が…優しかった。

個人として…


「泣いても…いいじゃない。」
その指がゆるゆると肌を這う。

一人の、男として…。


「八雲君にだって、幸せになる権利があるんだから。」
雫が滴る髪の毛を払う。

「ね?」

そうして、再び視界の外に指は消えていった。

「私は逃げたり、しないよ…。ここに、居るから」

肩に重みを感じた次には、唇が…塞がれていた。

柔らかい…


衝動的にその身体を抱きしめ、上半身を起こす。

唇を離すと…目の前に、笑った顔があった


「―――。」

名前を読んだのに、かすれて声が出なかった。

「ここにいるよ。」

分かってる…


「私は、ここにいるよ………。」

こんな僕の傍にいてくれる…。


「晴香…」

君が、僕の傍にいることが幸せだといってくれた。

これ以上の…幸せはない。

「君が、好きだ。」

泣くまいと…


「誰よりも…」

僕に泣く権利などないと必死に押さえ込んでいた涙が……。


「愛してる…。」

目じりから零れ落ちた。


「私も…」

指が、目じりの涙を拭ってくれた。

「愛してる…よ」

再び、柔らかい唇が触れた…。


もう涙は止まらなかった。


「ごめんっ…ごめん……。」

「大丈夫。大丈夫だよ、八雲君。」


あやすような声が心地よかった。




もう少しだけ…


雨よふり続いて…




END
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