ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
印刷室で今日の午後に使う資料の印刷をしている晴香。
「おい。」
…こんなぶっきらぼうに話しかけてくるのはこの広き学校言えど彼一人。
「何ですか。斉藤先生。」
振り向くと案の定、白衣を着て大学時代から変わらない眠そうな眼をしている、八雲がそこにいた。
年は一緒だが、中学校教師としては八雲のほうが先輩になる。
「放課後、理科の準備室に。手伝って欲しいことがある。」
「………はい。」
ここでいいえといえないのが、晴香の甘いところである。
満足そうに笑い、八雲はすたすたと職員室へと戻っていった。
放課後、生徒たちは部活にせいを出しているころ…。
理科室の中から声が聞こえてくる。
「こんなところじゃ駄目だよ。」
「…そんなこと関係ない。」
「関係ないって…。そんな…」
いきなりドアが開き、電気がつけられる。
「こら、こんなところで何をやってる。」
「さ、斉藤先生!?」
学生2人が赤くなってこっちを見ている。
「人を好きになるのはいいが、時と場合を考えろ、少なくともここはラブホテルじゃない。」
生徒相手に何を言っているのだ八雲は…。後ろにいる晴香のほうが赤くなってしまう。
「わかったら。さっさと帰るんだ」
「は、はい。」
いそいそと立ち上がり教室を出ようとする。
「お、小沢先生…。」
「…いいから、早く帰りなさい。」
何も見てないからというジェスチャーをして2人を送り出す。
「やれやれ、近頃の中学生は何を考えてるんだか。」
2人の背中を見ながらポツリと呟く八雲。
「斉藤先生?」
「電気消してこい。」
そういうと理科準備室に入っていってしまう八雲、言われたとおり電気を消して晴香も後を追う。
準備室に入ると八雲はビーカーでお湯を沸かしていた。
「コーヒーでいいな?」
「まさか…それ飲むの?」
「心配するな、新調したやつだ。」
「変なもの入れないでよ?」
「蔗糖しか入れてない」
「蔗糖?」
「そんなことも知らないのか?糖の1つで、砂糖の原料だ」
「そんなこと知りません!」
砂糖なら砂糖と素直に言えばいいのに!
「で、何の用ですか。斉藤先生。手伝って欲しい事があるんでしょう?」
「今は斉藤先生じゃないだろう?」
にやっと笑う八雲。
「…八雲君。」
斉藤先生と呼ぶのになれてしまっているから名前で呼ぶのが少し照れくさい。
「こっちにこい。」
そういうと強引に引っ張られ抱きしめられる
「や…雲君?」
「……久しぶりだ。」
「…そうだね」
晴香も八雲を抱きしめる。
(中略。)
ガシャンとコップを倒してしまう。少し残っていたコーヒーがあたりに飛び散る。
「あ!ご、ごめん!大丈夫?」
「…心配ない。重要な書類はないしな。」
冷静に八雲は雑巾で机と床を拭いていく。
「あ…白衣」
八雲の白衣の裾にコーヒーの茶色が飛び散っていた。
「ごめん、コーヒーついちゃったから洗うね」
「そうだな。頼む」
そういうと白衣を脱ぐ下は相変わらずワイシャツ。八雲から白衣を受け取る。
「ねぇ、今日、家来れる?」
「…なんだ?さっきのに刺激でもされたか?」
「っ……そんなんじゃない!」
「そうか?顔が赤いぞ?」にやっと笑う
「……もう。バカ!」
「帰るぞ。」
結局用事なんてない。晴香と逢いたかっただけなのだ。
オフィスラブ~
人目を盗んでこっそり密会(笑)
今日はこのままお泊りして翌日、生徒に「斉藤先生と小沢先生同じ匂いがする~」
とか言われるといい(笑)
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