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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
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2008年03月08日 (Sat)
とらじまさんは救世主だ!(何)


おおっと…思わずフライングしましたが…拍手お返事(笑)

とらじまさん。
お待たせしました(笑)週末です。
そう簡単に晴香はやらん!っという意気込みで、前回はトラブルに巻き込まれてもらいました八雲です。
あと1話で終わりますのでそれまでお付き合いいただければと思います。
楽しみにしてくださって、本当にありがとうございます!
そして、お願いを快く引き受けてくださってありがとうございました!
舞台にいけない私の救世主です!


3日1時
拍手ありがとうございます!
アカツキさんじゃないんですよね…。
誰が書いてもいいけど…アカツキさんじゃないのだけがショックです(アカツキさんの八雲が好きすぎるので・笑)
私的には八雲と下戸はどうしてもつながらない(二次創作せやるのは何でもありですが・苦笑)ので原作設定は苦いもの嫌いで行きます。(何)
詳しくは、7巻ネタのときに書きますので!お楽しみに(笑)
そして週末、八雲は晴香ラブです。(言い切った)
激ラブです。だから甘えたいし我侭も言いたい…っと幼児化します(爆)
私が子供好きなのもあるんでしょうけど幼児化多いです八雲も晴香も(晴香は酒が入ったら特に)
オマケは…不憫な八雲が書きたかったのです(鬼)
本当によく耐えたと思います、その分今回は…いい思いを…(げふんげふん)
どうなったかは読んでからのお楽しみで(笑)
そして…2泊目…は星空のシーンがあるとこですよね?ちゃんと後藤さんも泊まってますよ。
まぁ、あの会話の後はばっちり脳内補正ずみですが(笑)


さてさて、予告どおり。
週末~いよいよチョコ風呂!~です(微妙なネーミングセンス…・苦笑)


一緒にお風呂入っていちゃこらしてますので…。
け、結婚前の男女が一緒に風呂なんてそんなことっ!けしからん!

っというひとはここでストップ。





午後になってすぐのこと…八雲に言わせれば苦痛の時間が終わった。

ポケットに突っ込んでいた携帯を取り出すと新着メールが届いていた。
学生の学校での携帯の使用は禁止しているため(持ち込みは申請により許可している)教師が普段は携帯を使わないの暗黙の了解となっている。
そんな事情があるので八雲はそのままのポケットにしまって、さっさと人気のない場所に行こうと会議室を出た。
そうして、職員室に戻ってきた八雲は携帯を見た。着信元は―斉藤晴香―
「…お姫様か。」
ボソッとそう言いながら八雲はメールを見た。当然、斉藤晴香は小沢晴香である。
携帯を落とした場合のプライバシー保護というのが八雲の言い分…でこういう名前で登録してある。願望も含まれているのは確かだろう。
ちなみに晴香はこれを知らないことを付け加えておく。
 八雲君へ。
 会議お疲れ様でした。
 私の準備できたので、お迎えお願いします。
 お昼ご飯、何か食べたいか考えておいてね、お店ピックアップしておくから。

そんな本文を見て八雲は小さく笑った。
 
 今終わった、すぐ迎えに行く。

八雲はそう返信をして、荷物を纏めた
「よう、斉藤先生。」
熊本が帰ろうとしている八雲に声をかけた。
「お疲れ様でした。」
熊本が口を開く前に八雲はそういって早足で歩き出した。
「…………。」
八雲のそんな態度に熊本は怪訝そうな顔をしていたが
「色男は大変だな。」
意味ありげににやっと笑って八雲の姿を見送った。


八雲が車を走らせてマンションの前にいくとすでにエントランスの前に晴香が居た。
「……あいつ……」
車に気がついた晴香は止まった車の助手席に乗り込んだ。
「ずっと待ってたのか?」
乗り込んできた晴香を見て八雲はそう言った。
デートと言っていただけのことはあって、スカートにブーツ…そしてこの前、八雲が似合ってると言ったカットソーを着ていた。
ロングコートを着ているがその格好は寒々しい。
しかも一昨日まで雪が振っていたのだ…寒くないわけはない。
「ううん。今出てところ。」
そうは言っても、耳と頬を赤くしたその顔では説得力はない。
「嘘つくな。」
赤くなった頬に触れるとひゃぁっと…突拍子ない声が響いた。
「冷たくなるまで、待ってたくせに。」
その変な声を聞いて笑いながら八雲はそう言った。
「…そんなに、待ち遠しかったのか?」
にやっと笑って八雲がそう聞くと、寒さではないもので晴香は頬が赤くなった。
「…楽しみ…だもん」
もぞもぞと…晴香がそう言うと、また八雲が笑った。
「…午前中は散々、離れてても平気って顔をしてたのに。」
そう言いながら八雲は車を発進させた。
「へ、平気じゃないよ…。」
「散々行けって言ってたくせに。」
相当、嫌だったのか根に持つ八雲。
「もう、終わったこと言わないでよ…」
少し膨れて晴香がそう言った。
「僕の苦痛を汲み取ってくれ。」
交差点で止まった八雲は横目で晴香を見た。
「う………。」
八雲の視線に思わず唸った晴香。そうして左、後、右を矢継ぎ早に見る。
そうして思い切って身を乗り出した。
「………………。」
5秒かけて接吻を終えた晴香は助手席に身を戻した。
「…随分、積極的だな。」
信号が変って平然と走り出した八雲はそう言った。
「…だ、だって…本番は今からなんでしょ?……」
平然としている八雲に対して晴香はかすかに赤面している。
「…まぁ、嬉しいけどね。」
喉で微かに笑って八雲は笑みを浮かべた。
「で?…どこに行くんだ?この近辺じゃまずいんだろう?」
「…うん。…何食べたい?それによるよ?」
それれを聞いた八雲は口元を歪めて声を出した。
「…僕が食べたいのは君」「え!?」
「…の作った料理に決まってるだろ。」
予想通りの反応に八雲は声を出して笑った。対する晴香はまた赤面した。
「もうっ!…からかわないで!」
その反応に八雲はまた笑った。
「…相変わらず…予想を裏切らないね、君は。」
喉で笑い続ける八雲は再び引っかかった信号で晴香に口付けた。
「……!」
「…可愛いよ。…今日は特別…ね」
驚いている晴香の耳元にそう囁いて、八雲は前を向いた。
「な、なになにっ!?八雲君なんかおかしいよ!?」
真っ赤な顔で車の中でドアに方に身を引いた晴香。
「失礼だな。本心だ。」
「まさか、お酒飲んでるんじゃないよね!?」
少しひっくり返った声でそういう晴香。
「まったく、酷いな…。素直に褒めてるのに…」
八雲は晴香の態度に苦笑して溜め気をつきながらそう言った。
「だ、だって…」
「…バレンタイン本番。なんだろ?」
にやっと笑って八雲はそう言った。
「たまには、恋人らしいことをしてもいいだろ。」
「……ありがとう…。」
ぼそっと…小さい声でそう言った晴香。
「それで?…どこに行くんだ?君のピックアップしたお店で一番お勧めはどこだ?」
「え、っと…次は右」
「了解。」
八雲は優しい笑みを浮かべてそう返事をした。



昼食を終えた八雲と晴香は約束どおり買い物をしていた。ちなみに都外である。
「現金なもんだな。」
「え?」
「たかが数日過ぎただけで、割引だ。」
八雲がチョコレートを見ながらそう言った。
「季節モノだから…しょうがないよ。」
「まぁ、いいけど…」
特に興味なさそうに八雲はそう呟いた。
「八雲君は…どれか食べたいのある?」
「………そうだな…。」
眠そうな目で八雲は商品を見ていた。それでも、ちゃんと選んでくれていることは晴香には分っていた。
「……これ。」
八雲は一つの商品を指差した。6個入りの箱。
「これでいいの?」
書いてあるメーカーは晴香の知らないものだったが値段は割引でもそれなりの値段だった。
「あぁ。」
「じゃぁ…これね。」
「君も何か買うか?」
「どうしようかな…。」
「………」
『これ…』
2人同時に同じ商品を指差して…2人は顔を見合わせた。
「…やっぱりな、君が好きそうだと思った。」
そうして…2人一緒に笑った。
「僕の観察力もなかなかだろ?…」
八雲の笑顔に、晴香は思わず見とれてしまった。
そうして思う。やっぱり八雲に惚れている…っと。
「どうした?そんなに見て」
「ううん。なんでもない!」
にっこりと笑った晴香を見て…また八雲も笑った。



「…………ねぇ。八雲君?」
「ん?」
「………そんなに見られてると…やりにくいんだけど…。」
晴香はそう言いながら八雲のほうを向いた。
「大人しくしてろって言ったり…見るなといったり…我侭だぞ。」
八雲はカウンターキッチンごしに晴香を見ていた。
リビングのテーブルに座っていた八雲は不満そうにそう言って立ち上がった。
「……だ、だって……」
「手伝うこともない、見るのもダメ。…じゃあ、どうしろっていうんだ。」
冷蔵庫に寄りかかって八雲はそう問うた。
「…だって…手伝ってもらうのも悪いじゃない…」
「また出た『だって』だ。」
苦笑しながら八雲は晴香の後ろに立った。
「…僕は一瞬だって離れたくないのに。」
八雲はそう言うと後ろから晴香を抱きしめた。
「八雲、君」
鍋をかき混ぜている晴香は手を止めた。
「僕はずっとくっ付いて居たいのに。」
「………。動けないよ?」
「…あそこで見てるのは…僕なりの妥協案なんだ、君も妥協してくれ。」
八雲はそういうと、晴香の頬にキスをした。
「……冷蔵庫にサラダがあるから…ついでくれる?」
「………………。」
「八雲君?」
「もう少し…このままで。」
八雲はそう言うと晴香の腕だけ開放して胴に腕を巻きつけた。
「……もう、しょうがないなぁ。」
晴香はそう笑って別の鍋の蓋を開けた。




湯気が立ち上るバスルームに八雲はいた。お湯を張っている最中である。
いつもと違う、甘い香りがバスルームに充満する。
「意外と薄いんだな…」
八雲が風呂のお湯を手に掬ってそう呟いた。
八雲の要望どおり、チョコレート風呂となった今日のバスタイム。
粉末の入浴剤を入れたそのお湯はチョコというよりはミルクココアのような色である。ちなみに晴香が探してきた入浴剤。
「お風呂入った?」
お湯を止めた八雲の後ろで晴香がそう呟いた。
「あぁ。」
「ねぇ、お湯少なくない?」
「…こんなもんだろ?二人で入るわけだし。」
立ちあがった八雲がそう言った。
「え!?一緒に入るの!?」
晴香の声がバスルームに響いた。反響して少し大きく聞こえる。
「…………………。」
八雲は怪訝そうに顔を歪め…何か言いたそうに一度口を開いたが…また閉じた。
「逆に聞く、一緒に入れない理由でもあるのか?」
次に開いた八雲の口から出た言葉はそんなもの。
「うっ……そういうわけじゃ…。」
「じゃぁ、何も問題ないだろ?」
八雲はそういってバスルームから出た。
「ちょっ…ちょっと八雲君!」
慌てて八雲を追いかける晴香。そうしてリビングのテーブルの上にあるボールを見て固まった
「…何、これ」
「何って…見てのとおり…。チョコレートだよ。溶かしてるけどな。」
八雲は平然とそう言いながらスプーンでチョコレートをつついていた。傍らには包装紙と箱の山がある…。
「……………。」
「…今更。一緒に入らないなんて言うなよ?…」
「だ、だって…。」
「…今更、恥ずかしがるような仲じゃないだろ。それに、離れなくていい時間まで離れるほど…相殺できてると思うなよ。」
「うっ………。」
「恥ずかしいなら…君が先に入ってるか?」
溶けるまで、もう少しかかりそうだし…。
湯煎で溶かしているチョコを見ながら八雲はそう呟いた。
「こっ…心の準備がまだだから八雲君が先でいい!」
叫ぶようなその声を聞いて八雲は小さく喉で笑った。

「斉藤先生」と「小沢先生」では折れるのは八雲のほうだが…
「八雲」と「晴香」では折れるのは大概晴香のほうである……。



そんなわけで…。
八雲は湯船に身を沈めていた。
その手には先ほどのボールがあり、新しく入ったチョコレートがまだ固形を保っている。
ちなみにバスタブにはタッパーに入ったチョコレートがある。今日で全部使ってしまうつもりらしい。
「僕が逆上せる前に入ってこいよ。」
身体を洗ってる間も、頭を洗っても入ってこなかった晴香に向かってそういう八雲。
脱衣場からうっ…っと小さい呻き声が聞こえた。
そうしてバスルームのドアが開いて晴香が顔を出した。
ドアのスリガラスのような半透明の部分から見るに、服は脱いでるらしい。バスタオルを巻いているが…。
「…早く入って来い。」
「せめて明かり消していい?」
最後の抵抗…っと言わんばかりに晴香はそう言った。
「疚しいことする気満々だな?君は」
「ちっ…ちがう!」
八雲が意地悪くそう言うと晴香は真っ赤になってそれを否定した。
「じゃぁ、早く入って来い。」
その反応に笑いながら八雲はチョコの中から溶けていないアーモンドを掬い出して食べた。
まだ何か言いたそうそうではあったが、晴香は何も言わず…そのまま、バスルームに入ってきた。
やっぱり、バスタオルを巻いている。
「君は僕のうちのタオルをチョコまみれにする気か?」
「は、入る時は取るから!…身体洗うから目閉じてて!」
「…今更?」
「いいから!」
「はいはい…。」
八雲は笑いながら言われたとおり目を閉じた。
「30秒だけな。」
八雲はそう言うと晴香の反論が出る前にカウントダウンを始めた。
次に目を開けた八雲の目に映ったのは。晴香の小さい白い背中と…うらめしそうな晴香の振り返った顔だった。

「風呂入るから、目閉じてて!」
一通り洗った晴香が首だけ振り向いてそう言った。
八雲は相変わらず、チョコレートを溶かしていた。ちなみにまた新しいのか投入されている。
「…気にしない」
「私が気にするの」
「いいから!」
そう言うと八雲の顔にバスタオルを押し付ける。反論が出る前に晴香は浴槽に入ろうとした。
いや、実際入ったのだが…。
「きゃぁっ!?」
急いで入ったのが悪かった…。
晴香が足を入れた場所に八雲の足があった。そのため、バランスを崩して身体が後ろに傾く。
思わず目を閉じた晴香だったが…いつまでたっても痛みはない。
かわりに、熱いぐらいに背中が暖かかった。
「………横暴なこと、するからだ。」
耳元でそんな声が聞こえてきた。一気に身体が熱くなる。
目を開けると…やっぱり八雲の顔がすぐそこにあった。後ろから抱きしめられてるような状態…になっていた。
「うっ…。ご、ごめんっ」
緊張しているのか…なんなのかよく分らないが晴香は小さくなった。
「バスタオルも結局チョコまみれだし。」
湯船に沈もうとしていたタオルを引っ張り上げて八雲は絞った。
「ご、ごめん…」
再びそう謝って、八雲のそばから離れようとする晴香。
「ダメだ。」
当然、そんなことを八雲が許すわけはなかった。抱きしめて離さない。
「せ、狭いでしょ?」
「気にするな」
八雲はそう言いながら片手で湯船に浮いているボールを引き寄せた。そうしてスプーンで混ぜ始める。
一緒に入るのを気にしてません…っと言うように。平然としている。
そんな八雲を見ていると…なんだか自分が馬鹿らしくなってきた晴香はそのお湯を両手で掬った。
その色はまさしくミルクココア…である。茶色の濁りのあるお湯。
「すごい、甘い匂い…だね。」
少し、平常心を取りもどした晴香は差しさわりのないそんな話題を八雲に振った。
「保温・血流促進・美肌効果などが期待できます…だとさ」
バスタブに置きっぱなしになっていた入浴剤の袋に書いてある文字を八雲は読み上げた。そうしてそれを晴香に差し出す。
「チョコっていうよりは…ココアだよね」
「…カカオ…って言った方が正しそうだな。…ほら」
八雲が言葉の途中で、晴香にチョコを差し出した。タッパーに入っているまだ溶かしてないモノを。
この状態で晴香を抱きしめていないが、晴香は逃げようとしなかった。その代わりに向かい合うように腰をひねった。
「あーん…。」
…八雲の口から、信じられない言葉が出てきて…晴香は思わずぽかんとしてしまった。
その隙に八雲は口の中にチョコを押し込んだ。
「教師らしからぬ…間抜けな顔だぞ。」
そう言って笑いながら八雲も一つチョコを口に入れた。
「甘いね…。」
「チョコだからな。」
八雲は笑いながら…スプーンでその溶けたチョコレートを掬い、湯船に垂らした。
「全部、お風呂に入れるの?」
晴香が湯船に溶けていくチョコを見ながらそう問うた。
「食べるか?」
八雲が…ボールの中からアーモンドを見つけて救い上げた。指で。
「……。」
「食べないか?」
返事の変わりに晴香は八雲の指にかぶり付いた。そうしてアーモンドを食べる。
「……おいしい?」
指についたチョコを舐めながら八雲はそう問うた。
風呂に入っていても八雲の肌は相変わらず白く…。
肌の白さとその瞳、そして舌の赤さがあまりにも…強烈だった。
「?どうした?」
八雲のそんな言葉に晴香は我に返った。
「な、なんでもない。」
相変わらずその赤い瞳で見つめられるとどきどきしてしまう。
そんな晴香の思いを知ってかしらずか八雲はまたボールからチョコを指で掬って舐めた。
その無意識に出す色気をやめてほしいと…今ほど切にながったことはなかった。
「美肌効果ね…。」
晴香が手放したことで湯船に浮いていた入浴剤の袋を摘み上げて八雲は言った。
「な、なに?」
「…そんなに、警戒するなよ。どうせ食べないんだ。」
そう言うと八雲はそのボールの中に手を突っ込んでその手で晴香の頬にぺたりと触れた。
「な、なになになに!?」
「チョコパックってのも…あるそうじゃないか…。今日寄った、雑貨屋で見た。」
そう言いながらその手で次は顎を撫ぜた。
「そ、それは…あるかもしれないけどっ」
「…けど、なんだ?」
再び指でチョコを掬って…顎から喉に伝って触れて行く、ついでに首にもべたりとつけた。
「八雲君!」
晴香は、咎めるように強くその名前を呼んだ。
「…怒らないでくれ…もうしないから。」
苦笑しながら…八雲はそう言った。そうしてチュッと軽くその唇に触れた。
「……………。素直だから許したげる。」
珍しい…事ではあるが…妙に意地悪になられても対処に困るため、素直にそう言った晴香。
「ありがとう。」
くすっと笑って八雲は再び晴香にキスをした。
「ってっ…何、してるの!」
あの八雲が…キスだけで終わるわけはない。
「君が嫌がってるから…落としてるだけだろ。」
楽しそうに笑いながら八雲は頬につけたチョコを舐め取っていた。
「お、落とすってっ…!」
反論が激しくなる前に、八雲はぺろりと…首につけたチョコを舐めた。
「っ…!」
ぴくんっと小さく身体がはねる晴香をみて…その想像通りの反応に八雲は喉で笑った。
「おいしいよ。」
耳にそう囁いて八雲は満足げに笑った。
「………。お返し。」
そう、八雲の耳に聞こえてきてぺたりと頬に何かが触れた。そうして耳のほうに向かって動いた。
「猫みたい。」
先ほどの八雲と同じように…指にチョコをつけた晴香がそういって笑った。
「…いたずらするなんて感心できないな?」
そう言いながらもその声は笑っている八雲。晴香の手を捕まえて残っているチョコを舐めた。
「お返しなんだから、大人しくされててよ。」
晴香はそう言うと八雲の頬に…猫のひげのようにつけたチョコに舌を這わせた。
そうして、目に入ってきたのは八雲の左肩についた赤い痕。
「…君が付けたんだぞ?」
それに気づいた八雲がそういってきた。確かに付けた記憶がある。
「……。ここのも、君が付けたんだぞ?」
そう言うと、少しお湯から身体を出して左胸についたキスマークを見せる。
八雲は笑いながらそう言い、対する晴香は顔が一段と熱くなった。顔だけじゃない頭がぼぅっとしてきた…。
「なんか…逆上せたかも…。」
頭がくらくらする…
そう、小さい声で呟く晴香。その肩を八雲は支えた。
「逆上せたというか…酔ったんだろ。」
「よ…?」
「…夕飯の時も飲んだし…これもウィスキーボンボンだしな。」
「え?」
「中学生が…ウィスキーなんて、ませてるよな。」
苦笑しながら八雲は晴香を抱き上げた。そうして、湯船から立ち上がる。
「ちょっ…」
はずかしいとか、そんな反論は出せなかった。
頭がくらくらするのと…明るいところで見る八雲の身体とで…顔が熱かった。
バスタブに晴香を座らせて…八雲は口移して晴香に水を飲ませた。
「大丈夫か?」
「う……。」
大丈夫とも、大丈夫じゃないともいえないまま…晴香は唸った。
「……晴香。」
心配そうにその顔を覗き込んでいた八雲だったが…数秒の後には晴香に口付けていた。
さっきしたような軽いものではない…キス。

「いいか?」

八雲の声は妙に甘く…浴室に響いた……。




続く

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無題
甘い!甘すぎる!そしてセクシーすぎる!まさにオトナの味ですね。次が楽しみです。
沌夕 2008/03/09(Sun)22:17:58 編集
Re:無題
沌夕さん
こんばんは!お返事遅くなりました(汗)
チョコ風呂をすると決めた時から甘く甘く行こうと決めてましたので!
更に八雲の色気を書きたいと企んでたので、コメントにニヤニヤです。
まさにオトナの味。のコメントに上手いことを言うなぁ…っと思いました。
的を射たコメントをありがとうございました!
【2008/03/16 20:40】
これは
最終的に裏にアップされるとか?!
期待していいのかな~♪(笑)。
チョコレート風呂…色んな意味で甘すぎる八雲と晴香のお話にKOされそうな予感です。
悦子 2008/03/08(Sat)20:16:35 編集
Re:これは
悦子さん。
今晩は!お返事遅くなりました(汗)
時期外れなお返事になってしまい、すみません。
チョコ風呂と翌日との間のお話は最終的には裏へのUPを目指してます。
今、頑張って書いてますのでっ!(笑)
前半が割りと酷な状況だったので、当日はひたすら甘くしようと考えてましたので
そう言っていただけて嬉しいです。
いろんな意味で甘甘です(笑)
コメント、ありがとうございました!
【2008/03/16 19:52】
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