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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2007年12月24日 (Mon)
メリクリ~ですな。(←変換したらめり庫裡っとでた・笑)

ネタ上げる気は全くなかったんですが(待て)浮かんだので投下。
明日で完結します。

他の様とは違った感じのクリスマス八晴になると思います。変な…いやいや…独特のクリスマスネタ…になる予定。(あくまで予定)

WEB拍手のお返事は後日いたします。すみません。
酒が回ってるこの状態じゃまともにコメントできそうにないので(苦笑)


では!

恋人

クリスマス。

「ね、八雲君。来週の月曜日、空いてる?振り替え休日なんだけど」
空いてる?もなにも…その日はクリスマスイブだろ。
そう言おうとして、やめた。
なにもプランを立ててなかったから。
「八雲君?」
「…あぁ、空いてる。」
代わりに出てきたのはそんなそっけない言葉。
「じゃぁ、そのまま空けててね。」

嬉しそうに笑った晴香の顔と同じものが…今ここにある。

「いらっしゃい、寒かったでしょ?上がって。」
そういって八雲の手を掴む晴香。時刻は午前10時少し前。
「八雲君の手、冷たい。」
そう言うと晴香はは~…っと八雲の手に息を吹きかけた。
当の八雲はというと…そんなことをされたのは初めてで…固まってしまっていた。
「暖かいもの入れるねココアにする?あ、それともコーヒーのほうがいい?」
「コーヒーで…」
八雲は辛うじてそう返事をして…引かれるままに家の中に入っていった。

何度か来たことのある晴香の家…
八雲は言われるままにリビングのテーブルの前にいた。
そこにあるのは…見慣れない山。
DVDだと分かるのに暫くかかった。
「どうしたの?座って?」
トレーにカップを二つ載せた晴香がやってきてそう言った。
そうして、八雲の視線の先にあるものに気付く。
「ほら、八雲君見たいって言ってたでしょ?」
山の一番下にあったDVDケースを取り出して…両手で挟んでパッケージを見せる晴香。
確かに、他愛無い会話の合間にそんなことを言った気がするが…
それを覚えていたことと、今ここにそれがあることに二重に八雲は驚いていた。
見れば、そこにあるのは聞き覚えのある…八雲か晴香が見たいっと言っていたものばかりだった。
「レンタルしてきたんだよ。一緒に見よう?」
にっこり笑うと晴香はそのまま、テレビに近づいてデッキを弄りだした。
八雲は晴香の行動が読めずに…一瞬だけ眉間に皺を寄せた。
「座っていいのに…」
準備を終えてもまだ立っている八雲を見て晴香は笑った。
ソファーにもたれるようにして2人は床に座った。
足が寒いから…っといって晴香が持ってきたブランケットに2人でひざ掛けにして。
カーテンを閉めて部屋を暗くして映画館気分を出してた
テーブルの上にココアとコーヒーのカップが1つずつ。
それで指先を温めながら
映画鑑賞会は始まった。


1本見終わった後で昼食をがてらの休憩をとったが、その間の会話は映画の感想で持ち切りだった。
午後からは再び映画鑑賞会が始まったのであった。

午後一で見たのは晴香が見たいといっていた映画。
感動できるとちらほら噂で聞いていたのでそうなるだろうと思っていたが…
案の定クライマックスシーンで晴香が泣き出してしまった。
「大丈夫か?」
無粋だとは思いつつも…そう声をかけずにはいられなかった。
恋人をやってても…泣き顔にだけは慣れるものじゃない。
「う、うん…大丈、夫」
そんな、涙声で言われても説得力はゼロである。
八雲はハンカチを出して晴香に手渡し…その肩に手を回した。
「まったく…君とは映画館にいけないな。」
八雲のいきなりの行動に、晴香の涙は一瞬止まった。
「…映画館じゃ…こんな事できないからな。」
そう言うと、そのまま腕に力を入れて晴香を抱き寄せた。
「八雲…君。」
「…泣いていいぞ。」
八雲君、ずるい…。
晴香は心の中でそう思った。
こんな事をされたら我慢しようと思っていた涙がまた溢れてきてしまう。
「だ、大丈夫。」
顔を上げて、八雲を見る晴香。
「…いいから。」
そういわれて頭をぐっと胸に押し付けられた。
「泣いたって、笑うやつもいなし…呆れる奴もいない。」
心配するな…っと八雲の声。
「う…ん。」
素直にそう言うと晴香は八雲の胸に顔を埋めた。
八雲の匂いに包まれながら…結局、映画が終わるまでそのままだった。
顔だけ動かして…見れるところは見たが…。見直しが必要なぐらいしか見れていない。
体勢がちょっときついのはお互い様だったから何も言わなかった。

次の映画になって…数分で晴香は船をこぎ始めた。
そうして、開始30分も経たないうちに昼寝を始めてしまった。
泣き疲れて寝るなんて…子どもみたいだな。
八雲はそう思いながら、自分のコートを晴香にかけた。
「ん……」
っと声が聞こえたかと思うと…肩に頭が乗ってきた。
「…しょうがないな。」
小さく声に出してそう言った八雲は、そのまま晴香の身体を倒し始めた。
少しだけ離れ、…頭が自分の太腿に来るように調節しながら…晴香を横にした。
「……おやすみ」
その寝顔があまりにも可愛くて…無邪気で…八雲の顔にも思わず笑みが浮かんだ。
だがしかしそれは少しの間だけで…すぐに何かを考える顔となった。
未だに、八雲には今日の晴香の行動が理解できずにいた。
去年のクリスマスは…1日街で過した。そう、普通の恋人達のように。
ウインドショッピングが殆どだったが、気に入ったものを買って、カフェでお茶して、夜には綺麗なイルミネーションを見ながら2人で歩いた。
当然今年も、そうだろと…八雲は思っていた。
行き先の主導権は晴香に渡すつもりだったが…一応。目ぼしいところはチェックしていた。
予定を狂わすには充分だった。
「…僕に気を使わなくいてもいいのに…」
昨年の晴香は本当に楽しそうだった。晴香が喜ぶなら、それでいいと八雲は思っていた。
それがコレだ。
「…退屈…させてるんだよな…きっと。」
眠っている晴香の髪を指で梳いて八雲は呟いた。
「………………。」
今からでも遅くない、晴香が起きたら外に連れ出そう。
八雲はそう思った。
映画はようやく…半分を過ぎていた……。


続く
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本当ですね
珍しいX'masの過ごし方ですね。
でも、晴香さんが、八雲氏に気を使っているとは、ちょっと違う気がしました。
何となく、二人で穏やかに過ごしたいと思ったのかなと、感じました。
続き楽しみです。
お身体には、気を付けてこの冬をお過ごし下さい。
では、乱文失礼しました。
クレーン 2007/12/24(Mon)23:01:41 編集
Re:本当ですね
クレーンさん。

こんばんは!
我が家の八雲は若干心配性というか…マイナス思考というか…自虐的というか………。(汗)
そういうタチが多いので、ついつい今回みたいに考えてしまうんです。
もう、続きを読まれたので分かると思いますが(お返事遅くなってしまってすみません・汗)
半分正解、半分外れですね(笑)

いろいろ考えながら読んでくださってありがとうございます!
&コメントありがとうございました!
【2007/12/28 23:08】
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