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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2007年09月20日 (Thu)
う…。

前置きが長くなった…>SS
っという事で二部構成。

今回はそうでもないですが…
次回(予定)はサド注意です(苦笑)

「キスする場所で5題」は甘いので続けてきましたが…最後の最後に黒いのが来ました(爆)




秘密の原石箱より
キスする場所で5題

2.ここまでが限度

一応恋人同士(でもあんまり進んでない・笑)



「やぁ。」


原因があるとすればただ一つ。
タイミングが…悪かった。


久しぶりの隠れ家訪問をした晴香は出鼻をくじかれた。
出会いがしらの八雲の嫌味を跳ね飛ばすぐらいに上機嫌だったのに、期待はずれに返事はない。
が、八雲の姿はそこにある。
皮肉が飛び出す口は微かに開かれているだけ…
瞳は瞼によって覆い隠されている…

そう、八雲は昼寝の…真っ最中だった。

スースーというなんとも気持ちよさそうな寝息が聞こえる。近くまで行くが、起きる気配はない。
久しぶりに見た八雲は…なぜか少しかっこよく見えた(眠ってるにもかかわらず…だ)
やっぱり、記憶の中の八雲と実際に見る八雲じゃ違う…。
逢えた事が嬉しくて…思わず笑みがこぼれる。

折角来たのだから、話がしたいというのが乙女心。
それに、午睡を続けるには大分時間が過ぎている。

「八雲君。おきて。」

そう言って、晴香は八雲の肩を揺らした。
眉間にピクリと皺がよる…。が起きる気配はない。

「八雲君」

「ぅ…ん…」

空気が口から吐き出されるときに聞こえた音。

それが妙に色っぽくて晴香は思わずどきりとしてしまった。
意識してしまったらその身体に目を奪われてしまう。
無駄な肉が一つもついていない首に…浮き出ている鎖骨。
悔しいけれど、綺麗だった。

ちなみに言うと、ただいま2人は恐ろしく健全なお付き合い中。
それらの発展は…残念ながらない。

ふぅっと、呼吸を整えてから…晴香はもう一度八雲の名前を呼んだ。

もそっと身体を動かして八雲の瞼が開かれる。

「おはよう。八雲君」
「……………………。」
ボーっとした表情の八雲。こんな八雲を見るのは始めてかも知れない。
「起きた…?」
「…………。」
晴香の問いに答えず八雲の瞼は再びゆるゆると下がっていく。
「ちょ、ちょっと、寝ないでよ!」
晴香が慌ててそう言うと、八雲の瞳が晴香のほうを向く。
「なんだ…」
目をごしっと擦りもう一度晴香を見る。
「君か…」
「君か…じゃないでしょ。いつまで寝てるつもりだったの?」
「起きるまで。」
平然とそう言って、八雲は冷蔵庫からお茶を出して口をつけた。
「で?」
八雲がペットボトルのフタを閉めながら声を発した。
「?」
「何の用だ。…僕の昼寝を妨害するぐらい重要な用事なんだろうな?」
「……………。」
心なしか、八雲の目じりが上がっている。
口調も少しとげとげしい…。

要は不機嫌…である。


だが、晴香は怯まなかった。珍しく。
「私にとっては重要よ。八雲君にとっては違うかもしれないけど。」
「何だ?」
いつもの定位置に座って八雲は問うた。一応、興味はあるらしい。
「いろいろ話たかったの。一昨日から逢ってないでしょ?」
「…………。」
晴香の言葉に八雲は口を閉ざした…
次には、瞼さえ閉じてしまった。
完全に寝る体勢。
「ちょっと!寝ないでよ!」
「僕は眠いんだ…」
片目だけ開けて晴香を見る八雲。欠伸をして、本気で寝るつもりだ。
「私は話したいのよ?」
「別に今じゃなくても良いだろう!?」
「ダメ!今日逃したらまた暫く話せないんだから!」
「…………。」
「明日はバイトがあるし…。」
「メールで話してるだろ。」
毎晩。っと付け加えるが晴香は引かない。
「メールと実際は違うの」
思いの壁を感じながらも晴香はそう言う。
「……そうだな」
少しの沈黙のあと、八雲が口を開いた。
「君がキスしてくれるなら…起きてもいい。」
時々こんなことを八雲は吹っ掛けてくる。にやりと笑って、意地悪そうな笑みを浮かべて……。
「起きてもいいじゃなくて、起きるって約束して。」
巧妙な言葉のトリックに晴香は騙されなかった。前に一度引っ掛かった時から大分学習した。
「………。分かったよ。君がキスしてくれるんなら、君の望どおりにしようじゃないか。」
聞き分けのない駄々っ子にいうようにそう言って八雲は目を閉じた。
一応、エチケットとして心得てくれてるのか、それとも眠りの体勢に入ったのかは判断しかねる。
そんな事はどうでもいい晴香は八雲の頬に手を添えて唇を重ねた。
触れるだけの軽いキス。
それでも、八雲に逢うのが久しぶりで…
八雲に触れるのも久しぶりで嬉しかった。
「おはよう。」
それも手伝って、満面の笑みで晴香はそう言った。
対する八雲は少しだけ苦笑を浮かべて

「まったく、君には著しく睡眠時間を奪われてるよ」
っと呟いた。

この言葉の意図を完全に理解できるのは…彼だけだった……。



続く。
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黒…?
ど~もです、綾さん♪
八雲ったら夢の中で不埒なことを…?!うひょ~♪(←喜ぶな)この先の展開が読めるような読めないような…もしかして、晴香は頂かれ…モゴモゴ(←自主規制)
いや、それにしても、私ってばお邪魔しすぎ?!コメント残しすぎですか(汗)まあ、そうだと言われても遠慮はしないんですけどね!(←開き直り)続き、楽しみにしてま~す♪
にゃる 2007/09/20(Thu)09:02:07 編集
Re:黒…?
こんばんにょ~!

「私の頭の中をにゃるさんに読まれてる!!」
ってのが、コメントを読ませていただいたときの第一声でした(爆)
げふんげふん…(何)
改めまして、新作のたびのコメントありがとうございます!うれしいですよ~。

読み返して思ったのですが、最後の一文がなにやら意味深ですな!(書いた時はそうは思わなかったんですが…)
今回はいろいろ、ご想像にお任せしますという事で(爆)

今後の展開ですが、最終的には頂かr…ごほん、お楽しみという事で!(笑)
そして黒いのは…これからです。
私が、書きたいシーンから書いてそれに行くまでを後から書くので…前ふりが長くなってしまう事が多々あります(苦笑)
なので…次は書きたいシーンに入れます。現時点で、黒くてセクハラ気味です(苦笑)

週末に更新できるとおもうので!それまで待っててくださいね♪

【2007/09/21 00:09】
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