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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2006年06月10日 (Sat)


祝、9000HIT。

さて……仕上げるか…。>10000HITお礼


書くことないなぁ~(爆)


えと、0時ぐらいまでチャットルームに居ます。
それまでに話し相手がいなかったら0時で寝ます。



さて、暗め八雲週間6日目。




告白。



君は…



あなたは…




まだ知らない。


僕の目は君が見えてないという事を




私の顔には酷い傷があるという事を



でも、言わなくてはいけない。


今日で、区切りなのだ。


これを聞いて

君は…



あなたは…





どんな反応をするだろう…?



「退院、おめでとう。」
「ありがとう、ございます。」
「どうもお世話になりました。」
「お大事に。」

車椅子なしでも何とか動ける用になった八雲は…今日退院した。


「ただいま。」
ガチャリと、晴香がドアを開け八雲を部屋の中に導く。
同棲を始めた矢先での事故だった。
「なんだか…久しぶりだな…。」
「うん。そうだね。」
なんとなく、会話が続かない。
「…あ、ゆっくりしてて。何か飲む?」
「荷物の片付けは、僕がするから…。コーヒーを…入れて欲しい。」
「コーヒ-ね。すぐ作るから。」

それぞれの場所で違う事をしながら…2人は同じ事を思っていた。

今日は区切りの日なんだと。

あの事故の区切りの日

これからをどうするか決める日。

全部を話す日。

それで、どうなるかは相手次第。

だが…思いは一緒。

苦しむのなら…一緒に居ないほうがいい。
でも、一緒に居たい



カップに注がれるコーヒー。
テレビを点け意味もなく眺めている八雲の前にそれが運ばれる。
「…ありがとう。」
そう言うと左手でカップを持って一口含む。
「ねぇ」「なぁ」

気まずい沈黙。
テレビのニュースだけが雑音のように聞こえる。

八雲がその沈黙を終わらせるようにテレビを切る。
「私、八雲君に言わなきゃいけないことがあるの。」
声が徐々に掠れる…。
「…奇遇だな、僕も君に言わなくてはならないことがある。」
晴香に向き合うようにしてそう言う八雲。
「君から、話してくれ。」
「…うん。」
こくっと頷いて大きく呼吸する晴香。
「八雲君。手、貸して?」
そう言うと左手を両手で握り、八雲の左手を左頬に触れさせる。
「?」微かに八雲の表情が険しくなる。
傷の部分を八雲の指が撫でる…。
「分かるかな…?傷が…あるんだ。」
「…どこで…?」
「あの、事故で。」
一瞬のうちに八雲の表情が硬くなる。
「見えないの…知ってるよ。」
左手を頬に当てさせたままそう言う晴香。
「写真なら見えるよね?」
そういって、一枚の写真を渡される。
「っ…!?」
黒い…痣

頬に走る傷

首に巻かれた包帯。

「それが、今の私の顔。」
「……」
「…醜いと…思う?」
「思わないっ!そんなこと、思うわけがないだろう!」
ぎゅうっと衝動的に晴香を抱きしめる八雲。



優しい八雲。



「………」



こんな顔だとわかっても



「君は…君だ。」



私を抱きしめてくれる。



「…八雲…君。」




事故の後、最初は皆が気味悪がった。




でも私は包帯で隠す事をしなかった。



八雲に心配かけるだけだもの。



「君は…僕の…晴香だ。」



他の人に…どんな目で見られようと…。



「それは…変わりはしない。」



八雲に心配かけたくなかった。



「僕の…晴香だ。」



ただ、それだけ。



「…ありがとう。」



やっぱり、八雲は…優しい。




「次は、八雲君の番…よ?」
腕の中からそう言う晴香。
「そう…だったな、でも。…知ってるんだろう?」
そう言うと自嘲気味に笑う八雲。
「笑えるよ。君が…見えないんだ。」
「…うん。」
「……見えないんだ…。」
真正面から晴香を見る八雲。
「…ここにいるのは…分かるのに…。」
髪を頭を頬を…撫でる八雲。
「八雲君。」
「見えないのに…何で僕は生きてるんだ…?…」



彼女に対する問いかけじゃない、自分に対する問いかけ



「でも君は言ってくれた…、生きてくれてるだけでいいと…」


「君が見えない。傷の…フォローさえもしてやれない…。」


「それでも、君は、僕を傍にいさせてくれるか?」


「私は、あなたの傍に居たい。」


「八雲君は?…私が傍にいていいの?」


「…傍に…いてほしい」


「じゃぁ、傍に居て?…この家で…一緒に暮らそう?」


「…君が、それを望んでくれるなら。」


そう、すべては


君が


あなたが



それを望んでくれるのなら




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