忍者ブログ
2024.05│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月19日 (Sun)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2008年03月19日 (Wed)

突発。

いままで興味の欠片もなかったカップリングが急に来た。


八雲アンソロジー企画がある

八雲ってことは、どんなCPでもアリだよなぁ…

八晴は一番多いよなぁ…。


っという流れで思いついた。


一心×明美先生





こんな幸せを…

ずっと望んでいた…








「…さん。」



「いっ…んさん。」




「一心さん。」





「起きてください、一心さん。」



その声に反応するように、一心は目を覚ました。

「あぁ…明美ちゃん…」

顔を覗き込んでいるのは…他でもない明美であった。

「奈緒を寝かしつけて…一緒に寝てるなんて、一心さん子どもみたいですよ。」

クスクスと笑うその笑顔につられるようにして一心も笑った。
そうして傍らの奈緒を見る。
すやすやと幸せそうに眠るその顔を見ると自然と頬が緩む。

「寝かせておいてあげたかったんですけど…3時から出かけるんでしょう?」

明美はそう言って壁の時計を見た、まだ2時になったところである…が。

「お茶入れますから、起きてくださいね。」

にこりと笑って…明美は立ち上がった、そうして台所へ消えていく。

一心は奈緒を起こさないように身体を起こし…その髪を撫でた。

そうして、風邪を引かないように布団をかけて居間へといった…。

「どうぞ、一心さん」

ことり…と湯飲みが置かれた。傍にはお茶請けの饅頭が置かれていた。

「あぁ…ありがとう。」

にこりと笑って一心はそのお茶を一口啜った。緑茶の独特の味が口に広がる。

「美味しいよ。明美ちゃん」

嬉しそうにそう言う一心だったがその返事は対照的な声だった。

「一心さん。その…明美ちゃん…っていうの、止めてもらえませんか?」

深刻そうな声で明美はそう言った。

「おや、どうして?」

「と、年下のなのは…事実ですけど。何だかいつまでも子ども扱いされてるような気がして…。」

最後の方はぼそぼそと…恥ずかしそうに明美はそう言った。

「…それをいうなら…明美ちゃん、だって。いつまで私のことを“さん”付けで呼ぶんだい?」

「え?」

思わぬ反撃に明美は一心を見た。
見られた一心は…照れくさそうに頬を掻きながら…口を開いた。

「…もう、夫婦なんだから…“さん”付けは…他人行儀やしないかい?」

「それは…そう、かも…しれません…けど。」

今までずっと、その呼び方だったのだ…急に変えるのは難しい。

「……少し、練習してみようかね?」

一心はそう言うとこほん…っと小さく咳払いをした…。
そうして…深呼吸をして明美のほうをまっすぐ見た。

「…明美。」




………………。



茹蛸が二つ出来上がった。


「照れくさい…ものだね。慣れてない名前で呼ぶ…というのは…」

「でも、嬉しい…です。」

ぽつぽつとそう言った一心に対して追い討ちをかけるように明美がそう言ったものだから…
また赤くなった。

「夫婦喧嘩は犬も食わない…って言うけど…昼間からよくやるな。」

そんな声が割ってきた。皮肉交じりの声に該当するのは一人しか居ない。

「や、八雲君!?」
「や、八雲。いたのかね。」

「居ちゃ悪いか?…」

同時にそう言ってくる夫婦に対して、八雲は頭をがりがり掻いて…玄関に足を向けた。

「出かけてくる。」
「どこにだい?」
「どこだっていいだろ!」
「八雲君、どうして不機嫌なの?」
「……なんでもない!」
「…明美ちゃんを取られたからって妬くんじゃないよ。」
「なっ…そんなんじゃない!」
八雲は吐き捨てるようにそう言って、玄関に消えてしまった。
「八雲は相変わらずだねぇ…。」
溜息混じりにそう言って…一心は明美に向き直った。

「少しづつ…慣らしていこうか。明美ちゃん。」

「……はい。一心…さん」

照れくさそうに笑う明美。



「一心さん」


彼女の笑顔が、眩しい…


「一心さん!」






視界に飛び込んできたのは…覗き込んでいる顔。


「……あぁ、晴香ちゃん…。」


…夢か。

「大丈夫ですか?疲れてるように見えますけど…。」
「こんな所で寝てたら風邪引きますよ。叔父さん。」
矢継ぎ早に飛んでくる言葉に現実へ引き戻されていく。
「出かけてきますよ。叔父さん。奈緒は寝てますので。」
「おや、デートかね?」
「違います!」
「そんなに照れなくてもいいのに。全く八雲は素直じゃないね。」
「だから、違うって言ってるでしょう?…君もいつまでぼさっとしてるんだ、行くぞ。」
「あ、まってよ。八雲君!」
「君を待ってたら日が暮れる。」
「ちょっと!どういう意味よ。」
「言葉通りだ。」

八雲が笑うのが見えた。

あの子も…あんなふうに笑えるようになった…。


明美ちゃん。

見てくれているかい?

君が望んだささやかな幸せは

ここにある…。


END



PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
六巻を読み終わった頃のことを思い出しました。あったかもしれない幸せ。切ないですね。
沌夕 2008/03/23(Sun)15:14:59 編集
Re:無題
沌夕さん

私の中では八雲のCPとして考えたことがなかったこの二人。
急に、ささやかな幸せを書きたくなって一気に書き上げました。
原作では二度と見られない光景を、見れるのは二次創作の特権(笑)だと思っています。
切ないながらも、暖かい気持ちに…なってもらえれば幸いです。
2人はほのぼののイメージですしね(笑)
コメント、ありがとうございました!
【2008/03/26 23:29】
ご迷惑おかけしました・・・
昨日は、大変失礼しました。 
いやいやぁ、Gooで調べたら一発でしたっっ!! 
お手数かけてたりしたらすみません・・・。
蛍夏 2008/03/21(Fri)20:43:06 編集
Re:ご迷惑おかけしました・・・
蛍香さん

す、すみません。
コメントいただいてるのに気付かなくて先にメール送ってしまいました(汗)
私が下手な説明をするよりは正確な情報が得られたのではないかと思うので、よかったです(笑)



【2008/03/26 23:16】
←No.404No.403No.402No.401No.400No.399No.398No.397No.396No.395No.394
ブログ内検索