ここは「文風月」内、FF置き場です.
カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
☆
ゆっくり、入浴を終えて…寝間着に着替える。
おやすみなさいを、言いたくて…少しの間、部屋の前で待っていたけれど…
やってくる気配はなくて…ため息をついて、部屋のドアを開けた。
うっすらと月の光がさし込む、自分の部屋。
見えるのはいつもと同じ、自分の部屋だった。
何もなかったかのような、いつも通りの部屋。
ベッドの横に車椅子をつけて…ベッドに座った。
ふぅっと…落ち着けるために深く息を吐く。
いつもの変わらない部屋。
…ここまで何も変わらないと…今までの数時間はなんだのかと思ってしまう。
ベッドに仰向けになり…天井を見つめる。ふぅ…っと息を吐きだす。
なんだか、とても疲れた気がする……。
気がついたら…朝だった。
いつもより少し早く起きてしまった。
なんだか…よく眠れたのか、寝不足なのか、よくわからない。
ゆっくり、寝間着から普段着に着替える。
そのあと、朝の洗顔を終えて部屋に戻ってきた。
窓を開けて…外の空気を部屋の中に入れる。
今日も暑くなりそうな天気だった。
外を眺めていると…ドアがノックされる音がして我に返った。
ハンドリムを操作して、ドアを開けると…そこに真田がいた。
その顔…少し、心配そうな顔を見ると…昨日のことが夢ではなかったと改めて思い知らされて…顔が熱くなった。
思わず俯いてしまう。
「おはよ」
「…おはようございます」
顔を上げることができずに…俯いたままそういう。
「ゆうべ、ちゃんと眠れたか?」
「…はい。一応」
眠れたは眠れたけれど…やはり、身体の気だるさが残る。
「そっか、なら良かった」
「…真田君は?」
「完徹」
「完徹!?」
聞えてきた…単語に思わず、顔をあげてしまった。苦笑いしている彼と目があった。
「色々やったけど全然ダメでさ。気分転換を兼ねて、真っ暗な中自転車で買い物に行ったんだぜ」
真っ暗な中…自転車で買い物…
聞えてきた単語に唖然としてしまった。
「? コンビニにですか?」
「いや」
聞きなれない店の名前に…首をかしげた。
近場にあるお店ではないのは確かだった。
「どんなお店なんですか?」
「二十四時間営業のディスカウントストア。食べ物・飲み物・服・雑貨・ブランド品、大抵のもんは売ってる。ないのは生鮮食品くらいか」
「それじゃ睡眠薬を買いに?」
眠れないと言っているので、そうなんだろうと思った。
「ゴム」
ゴムっと言われて輪ゴムが頭に浮かんだけれど…昨日教えてもらったそれが頭の中に出てきた。
耳まで熱くなるのがわかる、顔を合わせられなくて…視線が泳ぐ。
「おれはいつでもオッケーだから」
改めて準備ができていると…宣言された、気がする。
それはそれで…また不安が頭を擡げる。
「……本当に…あたしでいいんですか?」
何度聞いても不安は拭えない。
「志乃がいい。志乃以外いらない。…いや、正確には…」
「…?」
少し口ごもったのを不思議に思いながら…彼を見上げた。
「忍耐力を総動員して我慢しなきゃなんねぇほど志乃だけが欲しい」
「!」
「焦んなくていいぜ。おれと同じ気持ちになったら教えてくれ」
「…はい」
直球な言葉に…小さいながらも、了承の返事をした。
本当に…優しい人だと思った。
だから、好きになったのかなっとも思う…。
「先に行ってる。顔の赤みが治まってから来いよ。でないと山縣さんと公香が心配するから」
「はい」
「じゃ後で」
手を振って、歩き出した彼の背中を見送って…ドアを閉めた。
息を吐き出して…手で顔を仰ぎ、風を送り…暫く待つ。
部屋のドレッサーで顔の赤みが収まったのを確認して…ドアを開けた。
「おはようございます。」
「あぁ。おはよう。」
ソファに座っている山縣にそう、声を開けて…キッチンへ向かう。
「おはよう。志乃ちゃん。」
「おはよう志乃。」
「おはようございます。公香さん、真田君」
キッチンで朝ご飯をつくっている公香とコーヒーを入れている
「志乃ちゃんが来たから、真田は向こうに行ってなさい、邪魔よ。」
「へいへい。コーヒーが入ったら行くぜ。」
そんなやりとりをしながら…朝ごはんを入れるいつものお皿を出す。
いつもと変わらない…朝の風景だった…。
END
ゆっくり、入浴を終えて…寝間着に着替える。
おやすみなさいを、言いたくて…少しの間、部屋の前で待っていたけれど…
やってくる気配はなくて…ため息をついて、部屋のドアを開けた。
うっすらと月の光がさし込む、自分の部屋。
見えるのはいつもと同じ、自分の部屋だった。
何もなかったかのような、いつも通りの部屋。
ベッドの横に車椅子をつけて…ベッドに座った。
ふぅっと…落ち着けるために深く息を吐く。
いつもの変わらない部屋。
…ここまで何も変わらないと…今までの数時間はなんだのかと思ってしまう。
ベッドに仰向けになり…天井を見つめる。ふぅ…っと息を吐きだす。
なんだか、とても疲れた気がする……。
気がついたら…朝だった。
いつもより少し早く起きてしまった。
なんだか…よく眠れたのか、寝不足なのか、よくわからない。
ゆっくり、寝間着から普段着に着替える。
そのあと、朝の洗顔を終えて部屋に戻ってきた。
窓を開けて…外の空気を部屋の中に入れる。
今日も暑くなりそうな天気だった。
外を眺めていると…ドアがノックされる音がして我に返った。
ハンドリムを操作して、ドアを開けると…そこに真田がいた。
その顔…少し、心配そうな顔を見ると…昨日のことが夢ではなかったと改めて思い知らされて…顔が熱くなった。
思わず俯いてしまう。
「おはよ」
「…おはようございます」
顔を上げることができずに…俯いたままそういう。
「ゆうべ、ちゃんと眠れたか?」
「…はい。一応」
眠れたは眠れたけれど…やはり、身体の気だるさが残る。
「そっか、なら良かった」
「…真田君は?」
「完徹」
「完徹!?」
聞えてきた…単語に思わず、顔をあげてしまった。苦笑いしている彼と目があった。
「色々やったけど全然ダメでさ。気分転換を兼ねて、真っ暗な中自転車で買い物に行ったんだぜ」
真っ暗な中…自転車で買い物…
聞えてきた単語に唖然としてしまった。
「? コンビニにですか?」
「いや」
聞きなれない店の名前に…首をかしげた。
近場にあるお店ではないのは確かだった。
「どんなお店なんですか?」
「二十四時間営業のディスカウントストア。食べ物・飲み物・服・雑貨・ブランド品、大抵のもんは売ってる。ないのは生鮮食品くらいか」
「それじゃ睡眠薬を買いに?」
眠れないと言っているので、そうなんだろうと思った。
「ゴム」
ゴムっと言われて輪ゴムが頭に浮かんだけれど…昨日教えてもらったそれが頭の中に出てきた。
耳まで熱くなるのがわかる、顔を合わせられなくて…視線が泳ぐ。
「おれはいつでもオッケーだから」
改めて準備ができていると…宣言された、気がする。
それはそれで…また不安が頭を擡げる。
「……本当に…あたしでいいんですか?」
何度聞いても不安は拭えない。
「志乃がいい。志乃以外いらない。…いや、正確には…」
「…?」
少し口ごもったのを不思議に思いながら…彼を見上げた。
「忍耐力を総動員して我慢しなきゃなんねぇほど志乃だけが欲しい」
「!」
「焦んなくていいぜ。おれと同じ気持ちになったら教えてくれ」
「…はい」
直球な言葉に…小さいながらも、了承の返事をした。
本当に…優しい人だと思った。
だから、好きになったのかなっとも思う…。
「先に行ってる。顔の赤みが治まってから来いよ。でないと山縣さんと公香が心配するから」
「はい」
「じゃ後で」
手を振って、歩き出した彼の背中を見送って…ドアを閉めた。
息を吐き出して…手で顔を仰ぎ、風を送り…暫く待つ。
部屋のドレッサーで顔の赤みが収まったのを確認して…ドアを開けた。
「おはようございます。」
「あぁ。おはよう。」
ソファに座っている山縣にそう、声を開けて…キッチンへ向かう。
「おはよう。志乃ちゃん。」
「おはよう志乃。」
「おはようございます。公香さん、真田君」
キッチンで朝ご飯をつくっている公香とコーヒーを入れている
「志乃ちゃんが来たから、真田は向こうに行ってなさい、邪魔よ。」
「へいへい。コーヒーが入ったら行くぜ。」
そんなやりとりをしながら…朝ごはんを入れるいつものお皿を出す。
いつもと変わらない…朝の風景だった…。
END
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