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ここは「文風月」内、FF置き場です. カテゴリに作品名が入っていないものは「八雲」
2024年05月20日 (Mon)
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2007年11月18日 (Sun)
なにやら、随分おひさしぶりな気がします。古谷です~。

もう、とらじまさん愛してる!(いきなり何)


拍手お返事です!

14日
0時:お返事遅くなりました!
甘甘です!甘いときはとことん甘いです!(黒いときはとことん黒いですけど・汗)
冬は寒いので暖を求めちゃいますよね。
生活の中の動作がこう…ちょっと近づきます。
あの2人はいつもの事&初心八雲~のフレーズに笑いました、確かにそうですね!
少し戸惑いながらくっついてればいい>初心八雲

不眠症の原因になってはいけませんが(汗)
楽しんでいただけ他のであれば嬉しいです。
ほっと、幸せな気分で就寝していただければ!(笑)

たくさんのコメント&拍手、ありがとうございました!


8時
ご指摘ありがとうございます!その通りです(汗)
速効で直して来ました!




さて、晴香←先輩&長文メール



ギャグチックになるかと思って書いたら、そうでもなくなった。




彼女の姿がない…。
それだけで、…落ち着かないのは………。

きっと、彼女に恋してるから。

かなり一方的……だけど。

しかも残りの時間はもう多くない…。

音楽室に向かう途中、同じサークルの3年組を見かけた…。でも、彼女はいない…。
「あ!木村先ぱーい!」
同じパートの中村に呼ばれた、丁度いいか……。
そう思って、歩み寄った。
「小沢は…今日は来ないのか?」
別に不自然な流れじゃなかったはずなのに、なぜか笑われた…。
「今日は忙しいって言って…さっさと帰りましたよ。」
「…そっか…。」
少し、拍子抜けだ……。
そこでふと、疑問がわいた。
こういう情報網は男より女のほうが凄いのは知ってるつもりだったから…聞いてみた。
「…そういえばさ…。」
「はい?」
「小沢って、彼氏いるの?」
数秒のあと、
「きゃはははっ!!!」
っと…大笑いされた…何故だ。
「俺、そんなおかしい事言ったか?」
「だ、だって…あははっ…おっかしい…。」
「嘘っ、先輩気付いてないんですか?」
「しょうがないよ、先輩ってこういうこと鈍そうだもん。」
いくつか癪に障る事があったが、ここは我慢。
っと言っても…この反応からすると。
「いるんだな…彼氏。」
「いますよ。しかも、晴香のほうがぞっこん。」
「ちょっと、亜美。ぞっこんなんて死語よ死語!」
ここでまた、きゃははっ…っと笑った。
「あ、あれですよ。」
中村がそう言って小さく指を指した。
指をさした方を見ると一人の学生がいた。
Yシャツとジーパンで…眠たそうに欠伸をしながら歩いている。
「斉藤八雲…って言うらしいです。彼。」
「相当変わり者らしいですよ。」
「まぁ、見た目がかっこいいのは認めるけど…」
「それにしても、晴香ぞっこんすぎよねぇ?事あるごとに『八雲君』だもん」
3年組の声が聞こえてくる、でも目はあの男から離せない。
斉藤…八雲…か。
「先輩、サークル行きましょ。」
「今日は…卒論の相談に行くのが先だ。」
ありもしない理由を作り上げて、足を進める。
どんな男か…興味があった。あの小沢が、惚れた男が…どんなヤツか…。


にしても…こんな時間にどこに行くんだ?
授業はすでに始まってる時間で…もう半分は終わっているような時間なんだが…。


彼が入ったのは大型の講義室。中を覗くと…多くの生徒がいる。半分ぐらいか。
教授からのよりは遠い、しかもスライドを使った授業なのか、喋りながら忙しく準備を進めていた。
ここなら、まぎれても見つかる心配はないだろう。

教室に滑り込み、彼の姿を探したら、すぐにいた。
入り口から一番近い列の後ろから5番目の席に座っている。
できるだけ、普通を装って彼のすぐ後ろに座る。

一応、テキストらしきものは持ってきていたが開いていない。
コイツ…はなから講義、まともに受ける気がないな。
まぁ、…大遅刻してもけろりとしてるようなヤツだし…。

しかも携帯弄ってるし……。

不真面目にも程がある…気がする。

そんなことを思っていると…教室の電気が消えた。

そして浮き上がる白い画面。携帯電話の画面だった。

そこに見えるのはこんな文字。

「八雲君、授業中にごめん…ケチャップの在庫って、どこ?」

『八雲君』を見て小沢だ…。っと思った。根拠なんてないが…。
兄弟や家族ではないだろう。家族構成なんて知らないが…。

手早く返信を打って行く彼、授業を聞いているそぶりはゼロ、だ。

「気にするな…。ケチャップの在庫は炊飯器の下の戸棚の右側、その中の中段の…マヨネーズの奥だ。自分の家のことぐらい、覚えてろよ。」

ちょっとまて、なんでそんな詳細に知ってるんだ!?

ちょと遊びに行って知ってるレベルじゃないぞ!?

い…いや…、いやいやっ!

きっと荷物もちで買物似一緒にいったんだ、それである場所も…

「晩ご飯…どうしようか…。何かリクエストある?」

……………………。

「君が作ってくれるものならなんでもいい…っというか…もう、作り始めてるんじゃないのか?…ケチャップの場所聞いてきたんだったら…。」

…………………………………………………。

「あ…あれはあれ、これはこれ。…でも、何でもいいなら適当に作っとくね」

小沢…じゃない?
そうだ、きっとそうだ!小沢はこんな…

こんな……。

「あぁ、頼む。明日はサークルで…遅くなるんだよな。迎えがいるか?」

明日は…音あわせがあって…

いやいや、サークルなら今日もある!

「…うん。…きてくれる?」
「勿論だ。」

なんだこの、当たり前だといわんばかりの会話は!

しかも…小沢が「きてくれる?」なんて…。そんな可愛く聞かないっ!

俺が知ってる小沢は…そうだ。

小沢じゃない!これは小沢じゃないぞ!!

「あ、じゃあ…たまには外食しない?…行ってみたいお店があるの。…イタリアンなんだけど…いい?」

イタリアン?小沢が好きなのは和食だろ。学食で…いつも食べてるのは和食だ。

「そこまで決めてたら…僕に拒否権はないだろう?」

「…いやならいいわよっ!…別にっ!……八雲君が好きな和食でも…いいけど。」


「怒るなよ。…冗談だろ。…どこでもつきあうよ。晴香。」

…………………………。

「……………ずるい。」

くっと…小さく喉がなった。…笑った、のか?

「なにが?…」

「…意地悪。ね。…私がそうやって言われるの弱いの知ってて使う。」

「戦略勝ちだ…そろそろ授業が終わるから、大人しく家で待っててくれよ。」

……………………………………………………………………………。

家で?大人しく!?

「…寄り道して帰ってきたら、承知ないから!」

寄り道!?

「するわけないだろ。君が待っててくれるのに」

…………………………………………………………………………………………
…………………………………………。


はっ……。

まずい、一瞬別次元に送り込まれた。

なんだこの……新婚のような会話は…。


………新婚……?

っというか……まさか…まさか。

同棲!?

あの小沢が?この男と!?

いやいや、落ち着け、落ち着け俺。今はテンパってるだけだ。
落ち着け、俺。



あ、終鈴だ。
もう…か、早いな。電気がついて生徒が動き出して教室内がざわつく。


「それで?」

「え?」

………………………………………………………。

「何かご用ですか?僕に」

振り返ったっ!!

「……。小沢と付き合ってるってのは本当か?」

あのやり取りから、答えは明白なのに聞いてしまう…のは何故だ。

「そうですよ。…何か問題でも?」

威圧するような視線。

「いや…。別に…。」

それに押し殺されるなんて情けないぞ、俺。くっ……。

「心配しなくても、あんなワガママなヤツ、そうそう大人しく僕のいうことなんてききはしませんし…」
「ワガママ?小沢が!?」
吹奏楽の中では積極的ではないし、知る限りそんなの要素は微塵もないそんな晴香をわがままだと言われるのは腑に落ちない。
彼女はとてもいい子だ。練習にもちゃんと来るし…。
「…あなたの前ではそうじゃなかったとしても、僕の前ではそうですよ。子供みたいにタダ捏ねる事だってあります。…」

嘘だろ!?小沢は………。

………………。

「とにかく、あの性格だからいろいろ心配してるんでしょうけど、心配には及びません。」

何故子の男はこんなにぺらぺら喋るんだろう……。

てっきり無口でぶっきらぼうな男だと思ってたのに。

「……。信頼してるんだろうな…君の事。」

どうも。っと言って小さく笑った。

悔しいけれど…。
俺が知らない小沢がいるのは確かだった。

所詮サークルの先輩後輩でしかない…んだな。俺と小沢は

「あれと上手くやってける人間はそうそういませんよ。僕、意外には、ね。」

……………………。

「どこのどなたか知りませんが…あれと僕との間を裂こうなんて考えない方が賢明ですよ。」

ってか、あれ呼ばわりするな。小沢を。

「磁石のS極とN極は…くっついたらなかなか離れないでしょ?」

何故か楽しそうに笑う。

「出会ってしまったのが最後ですよ。」

「…口出しするつもりはない…。ただ…その、気になって…。」

途中から、口ごもる自分が悔しい。…なんだこの、圧迫感というか…圧力は。


「心配には及びません。…順調そのものですよ。」

「……。」

「まぁ、…いいですけど……。」

彼はそう言って、教科書片手に立ち上がった。

「あ……。」

口から漏れた間抜けな声。

「失礼しますよ。…待ってる奴がいますので…」

そういうとすたすた歩いていってしまう。返事を聞く気は皆無だ。

「……。」



のろけを聞かされた…っと分かったのは暫くしてから…。



「わがまま…か。」

そんなそぶりは見せない小沢。
でも、彼氏(なんだか悔しいが認めざるおえない)はそうだという…。

「無理、してんのかな………。」
ずっと無理し続けてたんだろうか…っとふと思った。

多分、あれに見せてる態度が本当で…俺が知ってる小沢は…本当の小沢じゃない。

…………。

悔しいな。

サークルで一緒だったのに…無理させてた事に気付かなかった事に。

いろいろ面倒見てたのに、結局小沢との関係に発展はない。

そしておそらく、これからもない。





くそっ……




泣くな俺。







翌日。



「あ!木村先輩。…」
一番に声をかけてきたのが小沢だった。

くそっ…俺って単純。めちゃくちゃ嬉しい。

「…小沢。練習サボってないだろうな?」

「ちゃんとやってます。それより、Sですよ。」

……………………。
「は?」

「え?携帯ですよ。携帯。」

いや、そんな笑顔で言われても…。

「八雲君の携帯ですよ。…ずっと見てたから…機種教えてやれって……。」

「……。」

メールの盗み見は…バレてた…っという事か…。





「先輩単純よね。卒論なんて嘘ついて…」
「そこが可愛いんだけど、木村先輩って。」
「まぁ、晴香も罪な女よね~。先輩のアタックにまったく気付いていないんだから…。」
「晴香って、天然だし?仕方ないわよ。」
「木村先輩は相手が悪かったよね~。晴香は気にも留めてくれないし…彼氏はあれだし。」
「だよね~。あれに勝てるのってそうそういないよね~。」
「………近年まれに見る、バカップルだもんね、あの二人」
「おしどり夫婦ぐらいにしときなよ。」
「そうそう晴香に言ったら『夫婦じゃないっ!』って全力で否定されそうだし。」
「初心よねぇ~。そこが可愛いんだけど。」



前日、木村と別れた吹奏楽部3年組みがそんな会話をしていた………。
が、彼がそれを知る術はない……。


END


長文メール&元彼(片思い)

のリクを頂いて書きました!


う~ん…相変わらず長文メールが長文じゃない(苦笑)


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無題
こんな風にさり気なく二人の強い愛情が伝わってくるのが好きです。誰にも引き離せない!
マダム沌夕 2007/11/19(Mon)11:41:23 編集
Re:無題
マダム沌夕さん

初コメント、ありがとうございます。古谷です。

他者から見た二人っと言うのを書いたのは初めてですが…
さりげない動作や発言から、相手を思う思いが滲み出てるのっていいですよね。
メールっと言う本来二人だけの世界でのやり取りもそれに然り。
八雲は半ば嫌がらせ(苦笑)で木村君に見えるようにしてますが
晴香の方は八雲だけが見てると思って書いてるのでダイレクトに伝わってきますよね。

おっしゃるとおり、もう誰にも引き離せない。っと思います、この2人は。

またのコメント、お待ちしておりますね。
【2007/11/20 15:03】
のろけだっっwww
やばいですょ~ニヤニヤしっぱなしでした(笑) 八雲が他の人にのろけるなんてめずらしい…!!
あんなメールのやりとり見せられたら勝ち目ゼロですよね~(汗) なんか当たる前に砕けちゃった感じで少し木村先輩が可哀相な気がしなくもないかな~なんて☆ バカップル最高!!!
すぅ。 2007/11/19(Mon)02:29:31 編集
Re:のろけだっっwww

すぅ。さん、こんにちは!コメントありがとうございます♪

確かに、八雲が他の人に惚気るのは珍しいですよね~。
でも、自慢したい&虫退治の一石二鳥ならしそうな気がするんです!
メール打ちながら絶対、木村君の反応を見ては楽しんでたと思うんですよね!
普通、後ろの席からメールって見にくいものですしね。
確信犯&ノロケじゃ勝ち目はありませんよね~(ごめん、木村君)
それどころか、戦いの場に上がらせてもらえてない気がします(笑)

木村君は少々可哀想ですが(苦笑)また新しい恋でも見つけるでしょう。
面倒見よさそうだし(笑)

【2007/11/20 15:02】
さすがです!
恋敵は完膚なきまでに叩き潰す男、斉藤八雲!(笑)  
相変わらず晴香に関するセンサーは最新式ですな!グッジョブ!
周りの友達がちゃんと『近年まれに見るバカップル』と認識してくれていて良かったです…(爆)

晴香の「Sですよ」発言に「彼氏の性格カミングアウトかい!」とドッキリしたのは私だけではないはずだ!(←いや、アンタだけ)
にゃる 2007/11/18(Sun)22:43:18 編集
Re:さすがです!

にゃるさ~ん。こんにちは(3回目)
どれだけ放置してるかって話ですね(汗)

センサー最新式に笑ってしまいました。確かにそうですね!(爆)
八雲は容赦ないと思います、恋敵含む、晴香の周りの男には。
ま、その容赦ないのは…のちのち作品で書くとして(笑)

本人達、自覚してなさそうですが、周りはちゃんとわかってると思います>バカップル

そして、「S」発言。よっし!引っ掛かった!っと密かに喜びました。(笑)
いやいや…基本私もSですし?罠にかけられっぱなしじゃ…ねぇ?(にやり)
っといっても仕掛けた罠がちっちゃ過ぎますがね(笑)
この辺、小心者らしさが出てますな(笑)


【2007/11/20 15:02】
素敵過ぎる!!
綾さん、もうほんとーに最高!!
バカップル八晴もいいし、先輩のストーカーっぽいところも最高に面白かった!!

特大の愛をこめて、ありがとうー!!
悦子 2007/11/18(Sun)15:57:47 編集
Re:素敵過ぎる!!


悦子さん。こんにちは~

お気に召したようでっ!ほっと一安心です。

やっぱりバカップルは傍から見てバカップルだからこそ、バカップルだと思うのですよ!

お話いただいたときから八雲と先輩の接触は先輩の尾行の末だろうっと…思ってたので
先輩がストーカーっぽいのも面白いだろう!(本人自覚なし)っと思いながら書きました!
で、その結果、喜んでいただけたようなのでもう、にやにやが止まりません。

特大の愛、しかと頂きましたっ!!

リクエスト、ありがとうございました!
【2007/11/20 15:01】
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